ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

16歳の合衆国(マシュー・ライアン・ホージ監督)

2008-01-05 | Weblog
ストーリー;ある春の日。元恋人の弟を刺殺した容疑で高校生が逮捕される。拘置所の教員は、「世界は悪意にあふれている」「感情はおぼえない」とする彼に近づき、本を書こうとするが…。
出演 ;ライアン・ゴズリング、ケビン・スペイシー、ドン・チードル
コメント ;冷徹すぎるほど冷徹にみえる高校生が、実は知的障害者と心の交流を交わしていた…というありがちなストーリーのようにも思える。画面も話も救いがあんまりなく、ラストも「これですべてが終わった」などというセリフがあっても「本当にこれで終わりでいいのか」という疑念はぬぐいされない。家庭崩壊も麻薬中毒もすべて予定されてはいるが、「人生は断片の総和よりおおきい」とする思い出や希望に未来を託す姿がヒューマンということなのか。ただこうした10代特有の不安定な心の動きをみていると確かにこういう一見とんでもない行動や言動にもそれなりの理由はあったものだなどとふと思う。「自分が弱かったのだ」「最低だ」と自己限定してそれが謝罪になるのは確かに一定の年齢をすぎてからのことではあるし、純粋であればあるほど極端にもみえるストーリーは構成可能なことなのかもしれない。画面がツギハギでみているうちに種々の謎が解けていくという手法だが、もう少し編集をうまくすればさらに良い映画になったような気もする。ドン・チードルの教員ぶりがさまになっている。
(守護天使)
主人公の恋人は、麻薬の売人と手を切るために、校則が厳しいカソリックの学校に転校させらえれるが、この娘の家庭自体もカソリック信者と思しき内装だ。そして物語の鍵となる「守護天使」という概念もカソリック特有のもので、プロテスタントでは聖書を重視するがカソリックでは天使を階層化して分類した。主人公がカソリックだったかどうか不明だがその虚無的な態度はむしろ無神論者に近いのだろう。ただしその彼が守護天使になろうとしてとった行動には「理由」はやはりない。むなしさが残るという点では主人公の狙いは成功したのかもしれない。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿