健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

脳性麻痺の治療法

2011-12-02 08:30:39 | 研究
脳性麻痺の子どもに、出産時にへその緒などから採った臍帯血の一部を輸血して、運動機能の回復を目指す臨床研究を来春に始めることが発表されました(YOMIURI ONLINE)。この治療法は国内初の試みで、既に実施している米国の大学では効果が表れているそうで、脳性麻痺の治療法確立が期待されています。脳性麻痺は、生後4週までに脳が損傷を受け、手足など運動機能障害の症状を言います。発症率は0・2%程度とされ、根本的な治療法がなく、リハビリが中心となっています。臍帯血はへその緒や胎盤の血液で、赤血球や白血球を作る造血幹細胞細胞をはじめ幹細胞が豊富に含まれ、白血病治療で移植などに用いられています。米国のデューク大学が2005年、脳性麻痺の子共らへの治療に応用を始め、症状が大幅に改善した例もあるそうです。臍帯血に含まれる血管や神経の幹細胞が、損傷した脳の血管や神経を新たに作るためと考えられているそうです。今回は、高知大学で行わる臨床研究で、母体内で脳の障害が確認され、妊娠33週未満で早産の可能性がある子供を対象にするそうです。母親の同意を得てさい帯血を採取して凍結保存し、出産後の診断で脳性まひと診断された場合、幹細胞を取り出して点滴輸血するということです。もちろん、自分の血液なので拒絶反応はありません。
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長期培養でゲノムに変化

2011-12-01 08:30:44 | 研究
驚きのニュースです。様々な細胞に変化できる胚性幹細胞(ES細胞)を繰り返し培養すると、ゲノム(全遺伝情報)に変化が起きやすい不安定な系統と変化しにくい系統が出てくることがわかったそうです(YOMIURI ONLINE)。ゲノムの変化はがん化につながる恐れがあり、再生医療に利用できる「安全な細胞」を選ぶ目安になるということです。研究では、英、米、豪などで作製したES細胞125系統のゲノムを比較したそうです。容器を換えて細胞培養を続ける回数が約50回を超えると、35%で染色体の数や長さが変わったそうです。中でも、人間では23対ある染色体のうち、細胞増殖に関わる遺伝子が集中する20番染色体で変化が目立ったそうです。この50回というのはヘイフリックの限界に一致しますね。でも、京都大作製の1系統は168回培養を繰り返しても変化しなかったというのは何を意味しているのでしょうか。
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