ある個人を他の人と比べてより肥満になりやすくする遺伝子スイッチを特定したとの研究論文が、発表されたそうです(AFPBB NEWS)。2007年の発見以降、広く調査されているにもかかわらず、まだ詳細については分かっていない脂肪や肥満に関連する「FTO」と呼ばれる遺伝子領域に着目。過去の研究では、FTO領域を食欲をコントロールする脳回路と関連づけようする試みもあったそうですが、現在では脂肪細胞に蓄えられる脂肪の量は細胞それ自体において決定され、これは脳とは無関係だと考えられているそうです。今回の研究では、「IRX3」遺伝子と「IRX5」遺伝子が多く発現しているほど、より多くの脂肪が蓄えられていることを意味することが明らかになったそうです。さらに、遺伝子改変技術を用いて、遺伝子の発現パターンを「やせ型」と「肥満型」のものとに切り替えることができたとも。マウスを使った実験では、脂肪細胞内にある対応遺伝子を抑制したところ、マウスの代謝が上がり、餌を減らしたり運動量を増やしたりしなくても、体重が減ったそうです。新たな肥満の治療法に発展する可能性がある研究成果です。
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