気温の上昇が昆虫の食欲を増進させ、コムギ、コメ、トウモロコシなどの主要穀物に害を及ぼすという研究結果がScienceに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。これら3種の穀物で、世界の人々が摂取するカロリーの42%を占めているため、わずかでも少なくなれば、特に貧困地域で食料不足や紛争が起きる恐れがあるそうです。さらに気温の上昇によって一部の昆虫では、繁殖ペースが速まる傾向があるとも。研究では、さまざまな緯度の地域に生息する昆虫38種について、気温による代謝率と成長率の変化を追跡するシミュレーションを実施。結果には地域差があり、寒冷な地域ほど食欲旺盛な害虫が増加する可能性が高い一方、熱帯地域では被害がある程度軽いと予想されたそうです。論文によると、全体としては世界の穀物収穫高の減少量は、地球の平均表面温度が1度上昇するごとに10~25%増加すると予測されるというもののようです。現在、世界のコムギ生産の最多地域である欧州では、害虫に起因する年間生産高の減少量が1600万トンに上る可能性があるそうです。また欧州11か国の害虫によるコムギの損失量は、現在に比べて75%以上増加すると予測。世界最大のトウモロコシ生産国の米国では、現在の温暖化傾向が続けば、昆虫に起因するトウモロコシの損失量が40%増加する可能性が。世界のコメ生産の3分の1を占める中国では、年間2700万トンに及ぶ損失が発生する可能性があるとのことです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3187963
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