国の特別天然記念物のニホンライチョウが、地球温暖化の進行に伴い、現在多く生息する北アルプスから今世紀末にほぼ絶滅する恐れがあるとする論文がBMC Ecologyに掲載されたそうです(読売新聞オンライン)。ライチョウが生活環境とする高山植物の群落が激減するためだそうです。環境省によると、国内のライチョウは中部山岳の高山帯に生息。推定生息数は1980年代は計約3000羽だったが、現在は北アルプスのほか、南アルプスなどの計2000羽以下に減少したとされるそうです。キツネやテンなど捕食動物の高山帯への進出も減少の理由とされているとのことです。研究では、北アルプス中南部でライチョウがすみかや餌としている高山植物に対し、気温や降雪量などがどのように影響するかに着目。現在のペースで温暖化が進めば、2081~2100年に気温は2~4度上昇、降雪量が減るなどと予測。高山植物の分布から割り出すと、ライチョウが生息できる区域は現在の0・4%に。また、根元に巣を作るハイマツのほか、稜線上で強風に耐える種類など、色々な高山植物が分布する場所に生息する確率が高いことも分かったそうです。
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190710-OYT1T50347/
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190710-OYT1T50347/