健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

グレートバリアリーフ北部のウミガメの9割前後が雌

2018-01-23 08:30:21 | 研究
オーストラリアにある世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフの北部に生息するアオウミガメは現在、雌が圧倒的多数を占めているとの研究結果がCurrent Biologyに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。気候変動に起因する気温上昇が、卵からふ化する期間の性別決定に影響を及ぼすことが原因だということです。論文によると、豪クイーンズランド州東部沿岸域の産卵可能な雌およそ20万頭で構成される世界最大規模の個体群の一つは、雄が増えなければ崩壊する恐れがあるというのです。ウミガメの卵は、ふ化する温度によって性別が決まるそうです。砂浜に穴を掘って作られる巣の温度が上昇するほど、雌が多く生まれるとのこと。温度にしてほんの数度の差が、雌雄の比率の均衡が保たれるか破れるかの分かれ目になる可能性があるそうです。砂浜に埋まった卵の性別を判定するのは困難なため、研究ではウミガメを捕獲し、どの地域で生まれた個体かを調べるために遺伝子検査を実施。調査は、気温が比較的高い地域と低い地域でそれぞれ生まれたアオウミガメの異なる2つの個体群の餌場で実施したそうです。ウミガメを捕獲して分析後に解放する調査で計411頭分のデータを収集した結果、グレートバリアリーフ南部の比較的気温が低い地域の砂浜で生まれたウミガメは約65~69%が雌で、性比の雌への偏りは中程度であることが分かったそうです。ですが、グレートバリアリーフ北部の気温が高い地域で生まれた個体群は、雌への極度の偏りがみられ、幼体の99.1%、亜成体(幼体から成体になるまでの段階)の99.8%が雌だったそうです。同地域で生まれた成体サイズのウミガメについては、全体の86.8%が雌だったそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3157749?cx_position=2
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