人は健康に関心を持ち、丈夫で長生きを願って、散歩や体操などの運動をしたり、体に良いものを食べたり、サプリメントを使って不足する栄養素を補給したりします。人が健康に関心を持つのは、丈夫で長生きしたいと望むからでしょう。しかし、なぜ人は長生きを望むのかについて、余り考えない人が多いように思われます。
長生きについて、若い学生さんに何歳まで生きたいですかと質問すると、ほとんどの学生さんは65歳から80歳と答えます。80歳以上と答えるひとは僅かになります。70歳以上のお年寄りに同じ質問をすると、ここまで生きられたのだからもう少し長生きしたいといいます。ほとんどのお年寄りがもう少し長生きしたいと答えます。何歳になっても長生きしたいと願うのが人間なのかもしれません。
人は長生きを望んで、体を動かしたり、体に良い食べ物を摂ったり、健康に関心を抱きます。このことは私も例外ではありません。しかし、なぜ人は長生きを望むのかということになりますと、なかなか適切なお答えが返ってこないことが多いです。
人間が長生きを望むのは、自己の持っている能力を最大限に発揮して、自己向上を図り、完全たらしめることにあるのではないかと思うのです。つまり、人間に与えられた命の目的は自己完成にあるといえましょう。ただ単に、命があるから生きているということではないようです。このように考えるのは間違いなのでしょうか。
人間に与えられた命が自己完成にあるとすれば、常に自己向上の目的意識をもって、日々を過ごすことではないでしょうか。今日一日精一杯生きられたことに感謝の念を抱くことではないでしょうか。