樹木の生命力を神の一つの形や力と見て、その加護を受けようとしたのでしょうか、あるいは、単純に風雨をしのごうとしたのでしょうか、樹木の根元に神の住まいである石祠などを建てることがよくあるようです。
大井神社(飯富町3475)
大井神社境内にあったスギの大木が切られようとした時、大津とらじろうと、久野とらたろうという二人が、特別な木だからと周囲を説得して、やめさせたそうです。その後、その杉は伐採されたそうですが、二人の尽力を顕彰して二寅(二人のとら)霊神として杉の根元に祀ったそうです(写真)。石段をのぼる途中にあります。
十二所神社(牛伏町214)
くれふしの里古墳公園内にある、十二所神社付近にあるご神木らしい紙垂(しで)が張られたシイの古木の根元にある石祠です。このシイは、樹齢150年の保存樹木のようです。
春日香取神社(川又町246-1)
古木の根元にできたウロの部分に、陶製の社(やしろ)が置かれていました。たぶん戦中から戦後にかけてつくられたものでしょう。
加倉井町の墓地(加倉井町796)
墓地内にあるサクラの根元に馬頭観音の石祠が建っていました。これは後から育ったサクラの木が石碑を囲んだように見えます。
極楽橋下流(吉沼町36°21'50.3"N 140°31'26.3"Eあたり)
ここは、以前、社殿裏側(写真左側)を流れる備前堀の支流である新川に向かって傾いていたエノキの根元に水神が祀られていたのですが、現在は、エノキが倒れて切株と石祠が残っています。