時空人 goo blog「脳トレ宇宙論ー人類の見果てぬ夢」

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霧の玉手箱19(ウイルソンの霧箱)

2017-05-06 14:11:26 | 数楽絵草紙

原子核の巨大エネルギーとパンドラの箱と人類の未来

1.原水爆開発実験、関連条約、動向(出典WEB)

1942年10月 アメリカ合衆国大統領ルーズベルトは、原子爆弾の製造に着手し、マンハッタン計画(MED)を指示。

 

 

▼1945年
7・16 米、ニューメキシコ州アラモゴードの砂漠で史上初の核爆発実験(トリニティ実験)、爆縮型のプルトニウムを用いた原爆
8・6、 8時15分、広島に原爆が投下、ガンバレル型高濃縮ウラン原子爆弾(Mark1)
8・9 、11時02分、長崎に原爆が投下、プルトニウム・インプロージョン型原子爆弾(ファットマン・Mark3)

▼1946年7・1 米、ビキニ環礁で原爆実験シリーズを開始

▼1951年9・8 サンフランシスコ講和条約、日米安保条約

▼1954年

3・1 ビキニ水爆実験に、静岡県焼津港からのマグロ漁船「第五福竜丸」が東方約160キロで遭遇

7・1 防衛庁・自衛隊が発足
8・8 東京で原水爆禁止署名運動全国協議会結成大会。代表世話人に湯川秀樹京大教授、片山哲・元首相。寄せられた署名は四四九万人
9・23 第五福竜丸の無線長久保山愛吉さんが国立東京第一病院で死去。四〇歳。死因、放射能症。米原子力関係者は死因に疑問と発表

▼1955年7・9 ラッセル・アインシュタイン声明

▼1957年
5・15 英、クリスマス島で初の水爆実験を実施
7・6 第一回パグウォッシュ会議

▼1961年9・1 ソ連が核実験を実施

▼1964年10・16 中国が初の原爆実験

▼1972年5・27 米ソが戦略核兵器制限条約(SALTI)に調印

1974年5.18 インド初の核実験

▼1979年
3・28 アメリカのスリーマイル島原発二号炉で放射能漏れ事故
6・18 米ソが第二次戦略核兵器制限条約(SALTII)調印

▼1982年6・29 米ソ戦略兵器削減交渉(START)はじまる

1983年 核の冬( Nuclear winter)は、カール・セーガンらにより提唱された現象で、核戦争により地球上に大規模環境変動が起き、人為的に氷河期が発生する、というもの。

▼1987年12・8 米ソがINF(中距離核戦力)全廃条約に調印

▼1991年 

7・31 米ソが戦略核兵器を三〇%削減する戦略兵器削減条約(STARTI)に調印

12・21 ソ連消滅、独立国家共同体を創設

▼1995年
5・11 核拡散防止条約(NPT)の無期限延長決定、直後に中国が核実験、フランスも実験再開

12・8 高速増殖炉「もんじゅ」でナトリウム漏れ火災事故

▼1996年9・24 包括的核実験禁止条約(CTBT)調印

1998年5.28 パキスタン初の核実験

2006年10.9 北朝鮮初の核実験

(以下省略)

2.核実験回数(出典WEB)

核実験は、核爆弾の新たな開発や性能維持を確認したり維持技術を確立するために実験的に核爆弾を爆発させる。1945年から約半世紀の間に2379回(その内大気圏内は502回)の核実験が各国で行われた。そのエネルギーはTNT換算で530メガトン(大気圏内は440メガトン)でこれは広島へ投下されたリトルボーイの3万5千発以上に相当する。

 

 

 


霧の玉手箱17(ウイルソンの霧箱)

2017-05-04 10:04:22 | 数楽絵草紙

粒子加速器―巨大エネルギー、宇宙の起源に迫る

物質を構成する原子は原子核と電子から成り立っている。その原子核は、陽子や中性子から成り、その陽子や中性子もクォークという素粒子から成り立っている。さらに、謎の粒子と呼ばれるニュートリノという素粒子も存在する。宇宙全体にクォークの何億倍ものニュートリノが存在することも分ってきた。

一方、宇宙は150億年前、ビッグバンを起こして膨張を始め、膨張に伴って温度が下がっていくと、クォークが創生され、やがて3 つのクォークが集まって核子になり、さらに軽い元素である水素、ヘリウムなどができた。これらの元素が集まって星ができ、星のエネルギーを生み出す原子核反応が進む中で酸素など比較的軽い元素が作られ、さらに重い元素ができたことが明らかになってきた。

これらの研究に対して加速器は必要不可欠な役割を果たしている。より小さな素粒子を研究するためにより大きな加速器が必要になるのは皮肉なことであるが、大型加速器が素粒子物理学の基礎を作り出したといえる。

・1930-1934年、ローレンス(米、写真)、リビングストン(米)当時使用可能だった高周波電源を用いて粒子線形加速器を作る。

 

・1932年 高電圧加速装置による原子核人工変換、コッククロフト(米)、ウオルトン(アイルランド)

・1932年、ローレンス、小型化を目指して磁場を用いる世界最初のサイクロトロンを作る(写真下)。直径4インチ(10cm)のもので水素分子イオンを80keVまで加速でき、次には直径11インチで1931年に陽子を1.1MeVまで、磁場補正で集束力を付けて 1932年に1.22MeVまで加速できた。

・1938年、サイクロトロンから出る中性子ビームで、母親のガンを治療する。

・1939年、当時最大の60インチのサイクロトロンが完成。このサイクロトロンで          ネプツニウム、超ウラン元素を次々と発見する。同年、ローレンスはノーベル賞を受賞する。

・1941年 ベータトロンの製作、カースト(米)

・(1941-1945年、第1次世界大戦)

・1945年 シンクロトロンの製作、マクミラン(米)、ベクスラー(ソ連)


霧の玉手箱16(ウイルソンの霧箱)

2017-05-03 09:16:24 | 数楽絵草紙

未知との遭遇・宇宙線の起源・宇宙の進化

地球に到達するほとんどの宇宙線が太陽系内の強力な磁場によって進路を曲げられるのに対して、100㎢あたり年1回しか降ってこない最高エネルギーの宇宙線は宇宙空間の磁場に

よって進路をほとんど曲げられることなく地球に到達するため、特定の場所にある宇宙空間の高エネルギー天体現象の解明に大きく役立つ。粒子加速器などで人間が作り出せるエネル

ギーは、最大1017 eVのオーダー(CERNLHC)であり、それに対し、宇宙線のエネルギーは最大 1020 eVに達する。このため、宇宙線によって超高エネルギー領域での素粒子反応について重要な知見を得ることができる。 実際に、様々な新粒子が素粒子実験より先に宇宙線中から見つかった。

宇宙空間から地球上に降り注ぐ宇宙線を解析することで、はるか遠くで起こった天体現象のメカニズムを理解でき、究極的には宇宙進化の謎を明らかにできると考えられている。

(補足:出典 大平 豊、青山学院大、宇宙線の起源と加速と伝搬、Web)

発見以来100年がたつが未だ宇宙線の起源と加速機構は謎であるが現在の理論の主流は:             エネルギーが10の17.5乗まで、または10の18.5乗までは、銀河系内のSNRが起源、

それ以上は銀河系外のGBR,AGN,銀河団やマグネターが起源と考えられる。

GBR:太陽系近傍での超新星爆発に伴うガンマ線バースト(short Gamma-Ray Bursts, short GRBs)

AGN:ブラックホールの周りが明るく光っている天体を活動銀河核(AGN:Active Galactic Nuclei)と呼ぶ。AGNのX線放射は宇宙X線背景放射の主成分であることが分かっている。

マグネター(magnetar)とは極端に強い磁場を持ち、その磁場の減衰を
エネルギー源として大量の高エネルギー電磁波、特にX線やガンマ線を放射す
る中性子星である。マグネターの理論は1992年にロバート・ダンカンとクリス
トファー・トンプソンによって定式化された。この説が提唱された後の約10年
間で、過去に観測されている軟ガンマ線リピーターや異常X線パルサーなどの
さまざまな天体に対する有望な物理的説明として、広く受け入れられるように
なった。

 

 

 

 

 


霧の玉手箱15(ウイルソンの霧箱)続続

2017-05-02 09:53:27 | 数楽絵草紙

未知との遭遇・宇宙線 続続

1947年、ロチェスター(英)、バトラー(英)は霧箱写真の中に、今まで見たことのないV型の飛跡を2例観測した。霧箱の写真の中で発見した不思議な2 本の軌跡(図の1 と2)は鉛の層(図の中央の黒い部分)で作られた中性粒子(飛跡がうつらない)が霧箱のガスの中で崩壊して、正の電荷をもったパイ中間子と、負の電荷をもったパイ中間子になったと考えられる。1と2 の飛跡がV字形になっているので、V粒子と名付けられた。今日ではK 粒子と呼ばれている。

 

 

 

 

その後、アンダーソンやブルーノ・ロッシらも同様の飛跡を観測した。これらの飛跡については、1953年、西島和彦、中野董夫、マレー・ゲルマンにより、ストレンジネスと呼ばれる量子数を導入することで理論的に説明された(中野・西島・ゲルマンの法則)。