(番外)霧の玉手箱がパンドラの箱になるとき
ギリシャ神話解説(出典:WEB)
パンドラは最初の人間の女性で、その名前の意味は「すべてを与えられた」である。その名の通り、神々から贈り物をもらって創られた女性なのである。
アテナは知恵を、アプロディーテは美しい肉体を、アポロンは美しい歌声を与えた。そしてヘルメスは美しい彫刻を施した金の箱を与え、決して開けてはいけないと言った。そのあと、ヘルメスは彼女に「好奇心」を与えた。
実はこれは、プロメテウスが人間に火を与えたので、人間が神に近づこうとしているのを見たゼウスがたくらんだのである。人間の誇りを制圧する計画なのである。
パンドラは好奇心を与えられたので、金の箱の中を見たくなり、ついに開けてしまったのである。
パンドラが箱を開けると、あらゆる人間の災いが飛び出した。痛風、リュウマチなどの病、貧困、嫉妬、怨恨、復讐、核爆弾、放射能被害、核の冬などである。あわてて蓋を閉めると、「希望(前兆)」だけが中に閉じ込められたままであった。
「希望」までもが残らず、外に飛び出ていたら、人間は希望を失い、滅びていたことだろう。
希望を抱くことができなくなり、生きていられなくなる。人間は災いから生き残っていくことは可能であるが、希望なしに生きることはできない。