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夫のLINEはなぜ不愉快なのか(山脇由貴子)という本はとてもオススメ!

2021年07月28日 01時00分00秒 | 

 

 「夫のLINEはなぜ不愉快なのか」という本は、児童相談所19年勤務や家族問題カウンセラーとして活躍の著者がその経験から、なぜ夫婦仲は悪くなってしまうのか、男女のコミュニケーションの取り方や物事のとらえ方、育てられ方の違いなどで分かりやすく説明したものとなります♪

また、夫婦仲の子どもへの影響や、夫婦仲を改善するステップなどについても分かりやすく説明してあります♪

 妻が怒ってばかりの夫や、夫婦仲を良くしたいご夫婦、もちろん婚活中の方にもとてもオススメな内容となっております。

それから夫婦仲を良くするステップとしては以下などの説明がありました♪

・女性が感情を重視し、男性は解決を重視すると理解
・食事や料理、買い物を夫婦で楽しむ
・夫婦での「ありがとう」や「ごめんなさい」を増やす
・夫は妻に共感する
・夫婦で例えば農園や菜園を楽しむ
・家事の分担・お金・夫婦げんかの原因を話し合う
・夫婦お互いの考えを取り入れる
・夫は改めて妻に関心を持ち、妻の話を覚えておく

「夫のLINEはなぜ不愉快なのか」という本は、より良い夫婦生活のためのヒントが盛りだくさんでとてもオススメです!

以下は本書のポイント等です♪

・女性は、結婚前に「幸せな家庭」をそれぞれ思い描いているわけです。自分が思い描いている家庭像と結婚する前の現在の自分の生活を比べてみて、「私の思い描くような夫婦、家庭になれば、負担が増えても、犠牲を払っても、今より幸せな人生になる」そう思ったとき、結婚へ踏み出すわけです。だから女性は、「結婚前は実家住まいで、掃除も、洗濯も、料理も母親に任せっきり、じつは家事が苦手だった」という場合でも、理想の家庭像を実現するために努力します。好きな人のための努力なら、ちょっと大変でも幸せに感じられるはず。そう女性は考えるのです。そして、自分が幸せになるだけではなく、夫にも今まで以上に満ち足りた日々を送らせてあげたいと思うので、「家はいつもきれいにしていよう」「美味しい料理を作ってあげよう」と夫を喜ばせるために家事に取り組みます。喜んでいる夫の姿を想像するから、女性は頑張れるのです。そして女性は、自分が努力するのですから、夫にも理想の家庭像を築くために協力してほしい、努力してほしいと思っています。その努力の中には、独身時代の気ままな生活を改めることも含まれています。これまでの生活を改めて、妻の理想とする夫婦像・家庭像を実現できるよう努力して欲しいと思っており、それが夫は「結婚すれば変わるだろう」という期待です。こうした「妻のため」という夫の努力を感じられるとき、女性は「満ち足りている」と感じるものです。妻は日々の生活の中で、そうした満足感を抱いていたいと思っています。ですから、夫が生活をまったく改めないと、私のために努力していないと妻は感じて不満を抱くわけです。

・夫は女性のように自分なりの家庭像を思い描いているわけではなく、非常に漠然としているのです。結婚を決めた理由を尋ねても、「妻は明るい性格なので、一緒に暮らすと楽しいだろうなと思って」と妻の長所をあげる男性もなかにはいますが、多くは「付き合いも長くなっていたし、年齢的にもそろそろかなと思って」「彼女が結婚を望んでいるのが分かっていたので」といった答えが返ってきます。もちろん相手のことが好きだからこそ結婚するわけですが、男性の場合は、いってみれば「流れ」で決めることが多いと言えます。また結婚を決めるにあたって多くの夫が「一緒にやっていけるかは考えました」と言います。ここで興味深いのは「一緒にやっていけるか」の判断基準です。1人暮らしが特に長かった男性はこう言いました。「自分の生活を邪魔されないかは考えました。一人暮らしはそれなりに快適だったので」この言葉が示すように、男性は、女性とは違い、結婚によって自分のライフスタイルを大きく変えることを望まないのです。この傾向は、仕事が忙しい男性や、仕事に没頭したいと考えている男性、そして趣味を持っていたり、外出を好んだりするアクティブな男性ではより強くなります。これが男性と女性の結婚に求めるものの違いと言っていいでしょう。

・「精神的な支え」に関する違いも、夫婦のすれ違いにつながります。妻にとっては、精神的に支えてもらうために夫とのコミュニケーションが欠かせません。ところが夫にとっては必ずしもそうではないのです。そもそも他人へ悩みを話す男性は女性よりも少ないのです。男性はコミュニケーションを図るよりも、むしろ放っておいてもらうのを好む傾向があります。だからこんな勘違いもよくあります。妻に言われてカウンセリングに来たある夫はこう言いました。「妻も好き勝手やっていると思っていたので、不満があるとは思っていませんでした」男性は、自分が放っておかれるのを比較的好むので、妻を放って置くことに違和感や罪悪感を抱かないのです。しかし「放っておかれる」つまり「コミュニケーションが少ない」ということが、妻にとっては大変な苦痛で、そのために「こんな結婚生活になるはずじゃなかった」という不満が蓄積していきます。

・「子どもができれば、夫も父親としての責任感がでてきて、早く家に帰ってくるようになると思うのです」「家を建てれば夫はきっと変わってくれると思います」子どもの誕生や家の購入といった人生の大イベントを経験すれば、夫の考えも、そして日頃の態度、行動も変わるだろうと期待するのです。しかし夫たちの多くは「家がほしい」「子どもが欲しい」という妻の言葉の裏に隠された本当の気持ちに気づいていません。そして「妻が望む通りにすれば満足するだろう」と考えてしまいます。それどころか、「子どもや家を欲しがるのは、夫婦関係に問題がないからだ」と、まったく逆にとらえてしまう夫も少なくないのです。女性は幸せになるために、自分が置かれた状況を大きく変えることを望んでいるのです。だから子どもができようが、家を買おうが、妻の求めるような夫にならなければ、「望み通りなのだから満足だろう」という夫も思いとは裏腹に、妻の不満はどんどん大きくなっていきます。実際、カウンセリングに来る妻が「子どもができたのに、夫が変わらない」と不満を訴えるケースは少なくありません。

・夫とのコミュニケーションがないということは、妻にとって大変な苦痛であり、それが大きな不満につながります。ですから、なぜ妻にとっては苦痛なのか、不満に思うのかを理解できれば、結婚生活の中で妻が求めていることがおのずと分かってきます。ではその心理を理解するため、妻の声にもう少し耳を傾けてみましょう。「私が何か言っても、テレビを観ていたり、スマホをいじったりして、全然聞いていません。「ちゃんと聞いて!」と言うと、「聞いてるよ」とは答えますけど「じゃあ、いま私、なんて言った?」と聞くと、絶対に答えられないんですよ」夫を連れて私のところへカウンセリングに来た妻は、不満をおさえきれません。この夫は「ちゃんと話は聞いていますよ」と言いますが、妻にはそう感じられないのです。「テレビやスマホを見ていないときでも、「ああ」とか「うん」としか言わないし、聞いているフリをしているだけ。だから後で聞いても、私が話した内容を覚えていないし」それに対する夫の言い分はこうです。「別に大した話じゃないから忘れちゃうのです」別の妻はこんな不満をもらしました。「私が話し始めると。「で、その話のオチはどこなの?」と言うのです。「だから何が言いたいの?」と言われたこともあります。ひどいですよね。別に何か結論みたいなものを言いたいのではなくて、私は話を聞いて欲しいのです」その夫はこう思っていました。「大体、妻の話はどうでもいいことが多いのです。今日はスーパーを3軒まわったとか、キャベツが安く買えたとか。そんなこと、どうでもいいじゃないですか。好きな店に行けばいいわけだし。あるときは「女友達からヒドいこと言われた」と言うので、「だったら、もう会わなきゃいいだろう」と言ったら「そういう問題じゃない!」と怒られました。結局、何を言いたいのか分からないし、私が何か言っても怒るので、もう聞き流していますね」こうした夫婦のやり取りはカウンセリングの場で何度も耳にします。

・女性が結婚後に求めているのは、経済的な安定や、毎日、穏やかに暮らせることだけではなく、大事なのは夫が自分に関心を向け続けているということです。「私の話を聞いてくれない」ことは、「夫が自分に関心を向けていない」ということだと妻は感じるので「私は満ち足りていない」と結婚生活に不満を覚えるのです。

・怒りや悲しみといったマイナス感情を消化できず、それが心に溜まり続けると、いつかは限界に達します。すると、それまで貯め込んでいたマイナス感情が、一気に表に出てしまいます。耐えられなくなった心が、無意識のうちにマイナス感情を発散させてしまうのです。「なぜ過去のことを何度も持ち出して怒るのだろう」「なんで、こんな小さなことに、そこまで怒るのだろう」妻に対して、こう思ったことのある夫は少なくないでしょう。これは夫が妻の日々のグチに共感してこなかったために、妻のマイナス感情が蓄積され、それがある日、突然、爆発するからなのです。理不尽にも思える妻の怒りの背景には、夫が日々、共感するという作業を怠っていたという事情があることを夫も覚えておくべきでしょう。

・自分の方が家事の負担は多くなるという点は女性も分かっています。その覚悟をした上で結婚しているのですから。それでも不満を抱くのは、多くの女性が言うように「家政婦じゃないんだから、やってもらうのが当たり前だと思わないで欲しい」ということです。この言葉に含まれているのは、「もっと私をいたわって!私に感謝して!」という思いです。つまり、「私が仕事や家事で大変なことをもっと分かって」というのが妻の本音です。「いつも大変だね」「ありがとう」と言ってほしい。私を大切にしてほしい。そうした私の気持ちを察してほしい。・・・ということなのです。自分の気持ちを察してもらえるということは、「私のことを見てくれている。関心を向けてくれている」ということであり、自分に関心を向けてもらえるということは、「私は大事にされている」という思いにつながるわけです。妻は料理、掃除、洗濯などの家事や、育児がとても大変なものであることに気がついてほしいと夫に対して思っています。それだけではなく、見えない家事といわれる細かなことにも、時間とエネルギーをとられていることも理解してほしいのです。

・ところが、男性は女性と比べると細かいところに目がいきません。カウンセリングの中で私が「奥さんは家事と育児をすごく大変だと思っていますよ」と夫へ伝えると、「あ、そんなに大変なんだ。気づかなかった。言ってくれれば手伝うのに」と素直に口にする夫は少なくありません。逆に言えば、言われないと分からないのです。そのうえ家事のように、自分の母親が日常的にしてくれたことについて、お礼を言うことなど思いつきません。だから「私に関心を向けて、ちゃんと見てくれれば大変なのは分かるはず。そんなこと、わざわざ言わなくても察して欲しい。そして、いたわりの言葉をかけてほしい」という妻の気持ちとすれ違いが起きてしまうのです。自分が大変であることに気づいてもらえないので、「夫は私のことなんて、どうでもいいんだ」と妻は思ってしまうのです。

・「言ってもすぐにやてくれない」という不満も、やはり「夫は私のことなんてどうでもいいと思っているんだ」という妻の思いにつながります。夫のほうは、少し後でやればいいと思っているだけなのですが、妻にしてみれば、「夫は自分のやりたいことを優先していて、私がやっている家事を軽く見ている。結局は自分のことをどうでもいいと思っている」と感じてしまうのです。妻はここでも「私の気持ちを察してほしい」と感じています。どうして「今」お願いしているのか、その意味に気づいてほしいのです。「いま私はキッチンを片づけている。早く終わりにしたいから、今すぐゴミを捨ててきてほしい。そうでないとキッチンの片づけが終わらないのに、どうしてそのことに気づいてくれないの?私の気持ちを考えてくれないの?私に関心がないの?」という思いにつながるのです。

・女性は自分へ関心を向けてもらえることがモチベーションになります。関心を向けてもらえているということは、自分の努力に気づいているということです。一生懸命に作った料理を「美味しい」と言ってもらえれば「次もがんばろう。もっと、頑張ろう」と女性は思うもの。「きれいだね」と誉められると女性がきれいになるのは、「自分の努力が報われた。認めてもらえた」ということが喜びにつながるからであり、きれいでいようという努力を続けるからです。

・「妻から送られてくるLINEは特に返事する必要がないものばかりです。こっちも仕事中なので、別に返信はしません。だって「今日の夕飯、ハンバーグね」というメッセージを送られても、返事する必要はないでしょう」「「これから友達に会ってくるね。帰りは遅くならないから」というメッセージが送られてきますけど、遅くならないのなら、別に連絡しなくていいのにと思いますよ」「今日は帰れないとか、帰りが予定よりすごく遅くなるという時とか、必要な場合は連絡を入れるようにしています。急な接待で夕飯がいらない、とかも」「ああ、俺と同じ。普通そうだよね」と思った男性も少なくないでしょう。カウンセリングの場で夫とこんな話になったのは、「夫にメールを送っても、全然、返事をくれない」「夫からのLINEを読むと、イラッとする」という不満をもらす妻が非常に多いからです。この本のタイトルのように、夫のLINEが妻を不愉快にさせてしまうのは、コミュニケーションに関する基本的なスタンスが男性と女性では大きく異なるからです。その違いをはっきり示しているのが、夫の次の言葉です。「必要な場合は連絡を入れるようにしています」これには多くの男性が同意することでしょう。つまり基本的に男性は、なにか伝える必要が生じた時にだけコミュニケーションをとるのです。いってみれば「要件のみ」「業務連絡のみ」これが男性のコミュニケーションの基本形です。だから男性同士で用もないのにメールを送ったり、話しかけたりすることは、ほとんどありません。職場の同僚や上司、取引先に対しては密なコミュニケーションを求められることもあるでしょうが、それは仕事という大事な要件があるからこそです。意識が「要件のみ」ですから、特に要件のないメールが妻から来ると、「大した話ではない」と思ってしまうし、返信しようとは思いません。

・息子の方も、年齢が上がっていくと、「母親は自分の気持ちを理解してくれない」ことを少しずつ学ぶようになります。「友だちとケンカした」と言っても「ケンカしちゃダメでしょ」と叱られたり、「謝ればいいんじゃない?」と当たり前のことを言われたりするだけ。「友だちよりサッカーが上手くできなくて悔しい」という気持ちを話しても、まったく分かってもらえずに「練習するしかないでしょ」とこれまた当たり前のことを言われるだけ。母親にしてみれば、男同士のケンカの理由も、サッカーが上手くできない悔しさも理解できません。男同士の仲直りの方法も、サッカーの練習方法も分からないので、前向きなアドバイスなどできないのです。すると息子は、「どうせ僕の気持ちなんて分かってもらえない。叱られるくらいなら、もう話さないようにしよう」と思うようになるのです。

・多くの男性は似たような経験をしています。これは母を嫌いになるということではありません。「母親への期待を減らしてゆく」ということです。別の言い方をすれば、母親に出来ないこと、つまり「母親は自分の気持ちを理解して、アドバイスすることはできないのだ」ということを受け入れるわけです。「母親には分かってもらえない」ということを受け入れた結果、思春期以降の男の子が母親に求めるのは、生活環境を整えてもらうことだけになります。食事やお弁当を作ってくれる。必要なものがあれば買ってくれる。洗濯をしてくれるなど、自分が支障なく快適に生活を送るのに必要なことだけを求め、それで十分だと考えるようになるのです。

・妻に家事を期待する男性は減ってはきています。しかし、妻が夫へ母親役を求めるのと同様に、夫も妻に対して、母親のように生活環境を整える役割を求めるのです。そして「生活環境を整えてくれれば十分で、あとは放っておいて欲しい」という思春期以降に男性が母親へ求めるものが、自分の結婚においても妻に望むものとなっているのです。とはいえ男性も女性と交際しているときは「相手の好意を得る」という目的・要件がありますから、積極的にコミュニケーションをとろうと心掛けます。ところが結婚すると、そうした意識は次第に薄れて、コミュニケーション音スタイルは母親と息子間の「要件のみ」型に戻っていきます。これは「恋愛は特別、結婚は日常生活」だからです。

・とはいえ結婚してからも相手の好意をつなぎとめる必要性は男性も分かっていますので、自分の母親に対してよりはコミュニケーションを多くしようと心掛けてはいます。しかし、ここで家庭内のコミュニケーション量の基準となるのが、ここまで説明してきた母親との会話の量で、息子と娘では全然違います。だから夫が「妻とはわりと会話している」と思っていても、妻にしてみれば「夫は全然、話してくれない」と感じることになるのです。男性も女性も、結婚生活の中で、自分の母親との関係を再現しようとしている面があります。妻は母親との間のような濃厚なコミュニケーションを夫に求め、夫は妻に自分の生活を快適にする役割を求めているというわけです。

・妻がママ友や職場での人間関係で悩むように、夫も日々、職場での人間関係や、仕事上での悩みを抱えています。しかし、この夫のように「人前で弱音をはくな。悩みを口にするのは弱い男だ」という育てられ方をされてきた男性は多いはず。だから妻に対しても、自分の内面を明かそうとはしないのです。不安、悩みと言ったマイナス感情を他人に聞いてもらい、共感してもらうことで処理するというプロセスを選ばないのであれば、黙って自分の腹におさめるか、ひとりで発散する等して処理することになります。そして次は同じ思いをしないように、同じ失敗を繰り返さないように、対処法や解決方法をひとりで考える。つまり、解決策を模索する過程で自分のマイナス感情を処理するというトレーニングを男性は小さな頃から積んでいるのです。

・妻に連れられて、夫婦カウンセリングに来た夫はこう言いました。「私は妻の好きにやらせています。それなのに、どうして不満を言われるのか分かりません。」思い当たる男性も少なくないのではないでしょうか。では妻の言い分を聞いてみましょう。「夫は私のやりたいことに付き合ってくれません。私が言い出すことは全部、面倒だと思っているから、夫婦で一緒に出来ることが何もないのです。一緒に出かけてもつまらないですし」妻はこう続けました。「この間の週末、「洋服を買いに行きたいから、新しく出来た大型ショッピングモールに行きたい」と夫に言ったら、とりあえず車で連れていってくれました。でもモールに着いたら「俺、車で待っているから」と言うのです。「なんで?」と聞いたら「別に俺が行く必要ないよね。自分で好きな服買えば?」って。私は一緒に選んで欲しいから、一緒に行きたいって言ったのに」夫の言い分はこうです。「以前、妻の洋服選びに付き合ったとき、「青と赤、どっちがいい?」と聞かれたのですが、正直、似たようなものだったので、「どっちでもいいんじゃない?」と言ったら「適当に答えないで!」と怒られました。しょうがないから「青の方がいいんじゃない?」と言ったら「でもやっぱり、赤の方がかわいいよね」って、結局は妻が自分で決めるのです。だから一緒に行く必要はないと思いますね」このとき夫は決して面倒くさがっている訳ではなく、本当に「妻の好きにすればいい」と思っているのです。「女性の服なんてよくわからないし、自分のセンスにも自信ないし・・・」と男性たちは口を揃えます。それにこれまでの経験から、何を言っても妻が自分で決めることも分かっているので、あえて口出ししないようにしているだけ。そうすれば怒られることもありません。これが妻とのショッピングにおけるベスト・ソリューション(最適な解決策)なのです。ところが妻にしてみるとこうなります。「もっと真剣に考えて欲しいのに、いつも返事が適当なんです」決して適当なつもりはないのですが、夫の気持ちはうまく妻に伝わっていません。

・男性と女性では感情の消化のプロセスが違うため、情報収集のやり方にも違いがあります。何の映画を観るか、どのレストランへ食事に行くか、どこへ旅行に行くか・・・。こんなとき女性は決めるまでのプロセスを楽しもうとします。ネットで口コミを見ながら、一緒に行く友だちと「これ面白そう!」「ここ美味しそう!」「この露天風呂、気持ちよさそう!」などとコミュニケーションしながら決めます。決めるまでのプロセスで、お互いに共感しあい、実際に行ったときのことを想像して楽しむのです。一方、男性は効率よく情報を収集しようと考えます。ネットで評判をチェックして、さらに詳しい人から情報を集めようとします。決定プロセスに時間をかけようとは思いません。大事なのは最短距離で「正解」「問題解決」にたどりつくことです。だから「夫婦で旅行をしよう」となったとき、夫は、妻と一緒にパンフレットを見ながら、どこへ行くか、何を擦るかを決めるプロセスを楽しむことができません。そんなこと考えもしない、と言うのが正確かもしれません。そのため、妻が「旅行したい」と言い出したら、「じゃあ、君の好きにしていいよ」と夫は口にしがちです。ところがその「好きにすればいい」というひと言が、妻の不満の原因となり「そういうことじゃないの!」と怒られてしまうことがあります。夫にしてみれば、「あなたの希望を最優先していいですよ」と言っているのに、なんで怒られるのだろう?と疑問を抱くことになります。決めるまでのプロセスを楽しみたい女性は、夫にも一緒に考えて欲しいのです。

・こうした食い違いが如実に出るのが結婚式です。女性にとっては人生の晴れ舞台ですから楽しみで仕方がありません。一方、男性は「花嫁が主役」だと思っているので、つい、「全部、決めていいよ」と口走って、花嫁に怒られる羽目になります。こんな思い出を持つ夫婦は実際、とても多いようです。女性は全てを一緒に考えて、一緒に決めたいのです。会場も、ドレスも、引き出物も一緒に考え、2人で「楽しみだね」というやり取りをしたいのです。「好きにしていいよ」という新郎の言葉は、決して面倒だと思っているわけではなく、「君の気持ちを尊重するよ」というメッセージなのですが、その気持ちは相手に伝わりません。「面倒だと思っている」「どうでもいいんだ」と新婦に受け止められてしまい、夫婦になる前からケンカになってしまうのです。

・夫も「私のことを大切にして欲しい」という妻の気持ちを「無理だ」「わがままだ」などと思わず、かわいいところだと思ってあげて下さい。妻の「私を大事にして欲しい」という気持ちが、夫婦関係を支えているのですから。

・女性が「好きにしていい」「なんでもいい」と言われるのを嫌がるのは、「決めるまでのプロセスを楽しみたいから」という思いもあります。しかし日々の夕飯などについては、プロセスを必要としている訳ではありません。それでも「なんでもいい」と言われるのを嫌がるのは「なんでもいい」が「どうでもいい」と聞こえるからです。「雑に扱われている」「質問を無視された」妻はそう感じます。「どうでもいい存在」のように扱われる感じが妻は嫌なのです。夫婦で一緒に食事を楽しみたいと思っているのに、それを「なんでもいい」と言われると、夫婦の時間を「どうでもいい」と夫が思っている-妻はそんな気がしています。だから結果的には妻がメニューを決めることになったとしても、夫は希望を伝えた方がいいのです。その希望は「どうでもいいなんて思っていませんよ」「大事に思っていますよ」というメッセージに変身して妻に届きますから。

・夫は妻のママ友とのケンカについて正直にこう言ったそうです。「それは、お前の言い方も悪かったんじゃないの?」すると妻は怒ってしまい、「もういい。二度とあなたには話さない」と言い放ち、実際に2,3日、口をきいてくれなかったし、食事も作ってくれなかったそうです。「せっかくアドバイスしたのに、なんで怒るんでしょうね?」と夫は首をかしげますが、一方で妻は激怒しています。「そんなこと、言ってほしかった訳じゃないんです。それくらい、分かりますよね?」ここまでお読みになった男性であれば、この妻が怒った理由はお分かりでしょう。夫に言ってほしかったのは「それはひどいな」「それは腹が立つよな」という共感を示すひと言です。夫が共感してくれれば、妻は不快な気持ちを処理できるし、夫が自分を大切にしていることが実感できて満足したでしょう。ところが、この夫は妻に同じ失敗をしてほしくないという思いから、良かれと思ってアドバイスを言ったため、妻の逆鱗に触れてしまったのです。夫がこのような対応をしてしまうのは、男性はなにか問題が生じたときなんらかの解答や結論を出そうとするからです。

・妻は夫に、説教がましくて、口うるさい母親のような役割を求めているわけではありません。母親よりももっと優しくて、自分を大事にしてくれる人を求めて結婚するのです。だから女性は、夫に説教がましいことや、アドバイスめいたことを言われると、子どものとき、なぐさめてほしかったのに母親からお説教された感覚を思い出して、悲しくなるし、必要以上に腹をたてるのです。求めているのはあくまで共感で、「夫は、誰よりも私の味方になってくれる」という感覚を妻は求めているのです。

・夫も妻には、母親のように自分の生活を快適に整えてくれることを期待しますが、やはり口うるさく言われるのは不快です。ですから夫婦仲が悪くなるきっかけの一つは、相手に母親のうとましかった面を見るときだといえます。男性は、母親に対して「うるさいな」と思ったとき、何を言われても聞き流すようになります。男性は思春期を過ぎると「どうせ母親は自分のことを分かってくれない」ということを学ぶので、文句を言われても上手に聞き流せるのです。だから夫は「妻がうるさいな」と思えば、やはり聞き流すようになります。男性にとっては聞き流す事がケンカにならないための解決方法なのですが、女性にとっては聞き流されるのは不満です。このように男性、女性が、それぞれ子どものころから体得してきた母親とのコミュニケーションは、結婚してからも夫婦関係に大きな影響を与えています。

・週末は家族で過ごすという家庭で育った男性は、自然と自分も週末には家族で過ごそうと思います。でも父親が仕事やコルフや趣味で週末も家にいなかったという家庭で育った男性は、結婚後、週末に家にいようとは思いません。そんな「父親像」を見ていないからです。また両親の仕事など、さまざまな事情で、子どものとき週末は一人、家で過ごしていたという夫は、「週末、家族でどこかに出かけよう」と妻に言われても、行き先を思いつきません。そんな経験が乏しいので、週末、どこへ行けばいいのか分からないのです。家庭の事情はそれぞれですので、何が良いとか、悪いなどと簡単に言うことはできまえん。ただ、繰り返しになりますが、多くは自分の育ってきた家庭がモデルとなるので、その違いがお互いの不満につながることもあるのです。

・今の時代、子どもの前で夫婦げんかをすることは児童虐待にあたります。心理的虐待とみなされるのです。「たかが夫婦ゲンカじゃないか。どこの家でもあること」「たまにガス抜きしないと、かえって関係が悪くなる」そう思っている方もいるかもしれません。なぜ虐待になるのか理解できない方もいるでしょう。私は児童相談所に勤務していたとき、親から虐待を受けた子どもをたくさん見てきました。心理テストを受けてもらうことで、そうした子どもたちの深層心理を知ることに努めてきましたが、その経験を踏まえていえば、親のケンカを目の当たりにすると、子どもの心にダメージが残ってしまうことは確かです。では両親のケンカを見た子どもは何を感じ、何を考えるのでしょうか。まず挙げられるのが恐怖心です。子どもはお父さん、お母さんが怒鳴り合っているのを見ると、自分も同じように攻撃されるのではないかと怖くなります。

・父親から母親への暴力を目撃して育った男女に共通して言えるのは、就職した後も家を出られないということです。母が父に何をされるか、心配で仕方がないからです。

・「子どものために離婚しない」というのは、本当に子どもにとって良いことでしょうか。私は子どもの前でケンカを繰り返したり、互いの悪口を言い合ったり、家庭内別居のような険悪な関係になのであれば離婚を考えることも必要だと思っています。夫婦仲が険悪だと、子どもの心を傷つけますし、子どもの将来にも影響を及ぼしてしまうからです。子どもにとって家は安心できる場所でなくてはなりません。

・離婚理由についても、子どもに対しては「その方が穏やかに生活できるから」など、きちんと説明しましょう。相手の悪口は絶対に言ってはいけません。その上で、「お父さんはいなくなったわけじゃないから」「お母さんが、あなたのお母さんなのは変わりないから」と伝えてあげましょう。特に避けるべきなのは、別れた相手と子どもが交流する日に、しぶしぶ子どもを送り出したり、子どもを迎えに来た相手に「できるだけ早く帰してね!」などきつい口調で言ったりすることです。別れたからこそ、仲良くしている両親の姿を子どもへ見せることが重要です。

・私は離婚を否定はしませんけれど、「夫婦仲が悪くてケンカばかりだから離婚しよう」と早々に決断することはやめてください。離婚しても立派に子育てしている親は少なくないですし、子どもがスクスクと成長しているケースはあります。子どもの健全な成長のためには、離婚した方がいいこともあるのです。とはいえ、私の児童相談の経験からいえば、やはり両親が揃っているほうが、子どもにとっては良いと思います。いつも仲が良くて、楽しそうで幸せそうな両親の姿を見せることこそ、子どもの心には大切なのです。

・妻が夫に怒るのは「構って欲しい」というサインであり、まだ夫へ期待しているということです。「もっと私を見て欲しい」「私の気持ちを分かって欲しい」「私を大事にして欲しい」妻たちは、結婚から何年経とうが、こうした気持ちを抱いています。それが満たされないとき、妻は夫に対して怒るのです。そして妻が怒るのは、「夫が自分の気持ちを満たしてくれるかも」という期待をまだ抱いているからです。つまり妻の怒りは夫へのメッセージなのです。関係が決定的に悪化した夫婦の間には、もはやメッセージはおろか、コミュニケーションなどは存在しません。「妻は怒ってばかり。文句ばかり」だから「私は妻に嫌われている」などと思わないでください。怒られたときこそ、関係修復のチャンスなのです。

・大事なのは夫婦で同じものを食べるということ。人間の体には「特殊飢餓」というメカニズムがあります。これは自分の体に不足している栄養素を自然に欲するという基本的な欲求です。夫婦で同じものを食べていると、不足しがちな栄養素も同じですから、おのずと食べたいものが一致してくるということです。それに同じものをたべれば「これ、おいしいね」と相手に共感しやすくなります。

・男性におすすめしているのは、妻へランチの写真を送ることです。連絡手段はLINEでもメールでも何でもいいのです。これが夫婦仲の改善に大きな効果があるのです。夫婦仲を改善するための第一歩は夫婦間のコミュニケーションを増やすこと。そのために写真を送るのです。夫が昼に何を食べたのかがわかれば、夫婦のいさかいのタネがひとつなくなります。というのも、妻の不満で多いのがこれだからです。「夕食にカレーを出したら「昼もカレーだったんだよな」と文句を言われます。せっかく作ったのに」

・夕食を一緒にとる回数が増えてきたら、次は一緒に料理をつくることをおすすめします。毎日とは申しません。週に1回、いえ月に1~2回でもいいのです。これも関係改善には大きな効果があります。夫も料理をしてみれば、食事を作るのにかかる時間や手間が分かるようになるので、自然と妻へ感謝するようになります。

・食事を作るため夫婦で一緒に食材を買いにいくのも効果的です。何を作るか、相談しながら買い物をすれば、一緒に過ごす時間も、会話も増えます。

・私がカウンセリングで口を酸っぱくして言っているのは「家でのゲーム、スマホは最低限に」というこtです。妻と一緒にいるのにゲームをしていたら「妻に関心がない」という無言のメッセージになります。

・関係がうまく行っている夫婦には「ありがとう」と「ごめんなさい」が多いのは共通しています。

・女性は自分の感情を消化するために、他の人が共感してくれることを必要とします。ですから女性の話を訊くことに慣れていない男性も、妻のグチには付き合ってあげて、最後に「それは大変だったね」「嫌な思いをしたね」と共感してあげるようにしましょう。妻はそのひと言ですっきりし、機嫌もよくなるはず。ここで大切なのは、いきなりアドバイスしないということです。妻は解決方法を求めているわけではありません。心のモヤモヤについて共感してほしいのに、いきなりアドバイスめいたことを言われると、お説教にしか聞こえません。妻が意見を求めてきたときだけ伝えればいいでしょう。

・買い物を通じて話題を増やすことを提案しましたが、さらに先に進み、お互いに興味のあることを夫婦で一緒にやってみることをオススメします。

・夫婦に限らず、良い関係というのは、多くの形容詞を共有できている関係のことではないでしょうか。子どもと親の関係でいえば「楽しいね」「うれしいね」「悲しいね」といった子どもの感情に親が寄り添ってあげることで、愛着関係が強まります。そうした関係を親と育んだ子どもは、感情が豊かな人間に成長していきます。夫婦で一緒の趣味を持てれば「楽しかったね」と言い合えることになります。夫婦でも形容詞の共有が増えれば、愛着関係も強くなりますし、形容詞を共有するということは、お互いの気持ちに共感するということでもあるのです。


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