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熱湯経営 「大組織病に」勝つ(樋口武男)

2009年11月06日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 この本は、1963年に大和ハウス工業へ入社し、1993年にその子会社である大和団地社長、2001年に大和ハウス工業社長を務めた樋口武男さんの自伝です。

第1章では、子会社である大和団地社長を命じられてV字回復を果たした苦闘ぶり、第2章では幼少の頃の祖母の教えから支店長時代までの話や3人のオヤジの話、第3章では大和ハウス工業社長でのV字回復を果たした苦闘ぶり、第4章では創業者である石橋信夫さんについて、第5章では成功する秘訣について書いています。

 どの話も勇気づけられ、とてもオススメです!!祖母の教えにも驚き、また参考になりました。

以下はこの本のポイント等です。

・しかし、68億円もの金の始末が本当につくのだろうか。不安と焦りの中で、なおも眠れない日々が4日は続いただろうか。心もからだもくたくたになって、明け方にうとうとしたその時、亡くなった父が夢枕に立ったのだった。父は毎日新聞社の印刷畑で働いていた技術屋で、昔気質の、家庭にあっても寡黙なタイプ。長男でもある私もあまり生前の父と会話を交わした記憶がない。71歳で亡くなったが、その父が、空の上から私を見下しながら、「バカヤロー!」と怒鳴るのだった。「こら、武男。おまえはなんと情けない男じゃ。なにをくよくよしてンねん。お前の悩みなんか、この広い宇宙からは虫眼鏡でも見えんわい。塵みたいなもんや。おまえは石橋オーナーにベストをつくすと誓ったはずや。余計なこと考えんと、ガツンといかんかい。」「そんなこと言うたかて!」と叫んだところで目が覚めた。あの寡黙な父が、ろくに会話を交わしたこともない父が、どうして夢枕に立ったのか。いまだに不思議でならない。しかし、これで私の心の持ち方がガラリと変ったのは事実だ。そうか、俺の悩みなんか、宇宙からみたら塵みたいなものか、と思ったら楽になった。ヨシ、やってやるゾ、と私は思った。これは父が助けにきてくれたに相違なかった。以後、私は「心に宇宙論」と称して、つねに心に広大無辺の宇宙を置いて物をみることを心がけるようになる。父が贈ってくらた私の座右の銘である。

・石橋オーナーは、事あるごとにこの「水五訓」を敷衍した表現で、部下の指導にあたってこられた。
一、自ら活動して他を動かしむる。-言わんとするところは、率先垂範である。
二、常に己の進路を求めて止まず。-人はみな、みずからの道を拓いていってもらいたい。
三、障害に逢ひて激して勢力を勢力を倍加する。-水の流れもダムという障壁にさえぎられると、その力を満々と内に蓄えてゆく。
四、自ら潔くして他の汚濁を洗ひ清濁合せ入るる。-川は、脇から濁った側溝の水が注がれたとしても、「入ってくるな」とか「出て行け」とは言わない。さまざまな水を一つにまとめて企業の目的に集約してゆくのが、管理者の責任ではないのか。
五、発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じ。-私たちもまた、変化に対処するのに常に柔軟でなければならない。

・マンション用地の起案があれば、北海道でも九州でも、日帰りで私が現地へ飛ぶ。だいたい従来の土地購入の稟議書を見ると、14個も判コが押してある。仮にそれはまあいいとしても、社長のところにまわってくるのに、起案から2週間以上も経っている。本当によい土地が2週間も残っているわけがない。いまでも帰るとしたら碌な土地ではない。だから、稟議書づくりは後回し。まず私が現地に飛んで、支店長のほか、マンションのスタッフと用地のスタッフと一緒に実地検分をする。最寄の電車駅から徒歩圏にあるか。日照の問題はどうか。給排水は問題ないか。都市ガスかプロパンガスか。ショッピング、学校、病院などの利便性は。その地域の将来性はどうか。すべて確認した上で、最後に「きみ自身が住みたいと思う場所か」と支店長にたずねるのである。すべてが「マル」となれば、残るはコストの問題のみ。売り面積が70%取れるのならば、売値は坪何万円くらいか、と頭の中でパパパッとはじく。ところで近隣のマンションはいくらで売っているのか-、こうしてその場で決断してしまう。途中、私の質問に対して現地スタッフがどれかの項目であいまいな返事をするようなら、即、買収中止である。「スピードは最大のサービスだ」私は石橋オーナーから、この言葉を叩き込まれて育った。スピードは人の回転を速め、資本の回転を速める。企業の発展の原動力となるばかりでなく、顧客にも大きな利益をもたらす。「眠っている間にも金利はふえる」「今日の仕事を明日に残すな」と教えられてきた。

・同様に悪弊が露呈してきた二人の取締役に対しても辞表を求め、結局、任期途中で3人の役員を斬ることになった。このことを石橋オーナーに報告すると、例によって短いひとことで、「経営者は、人を斬れて一人前や」といわれたのだった。

・私の首根っ子をつかまえ、家まで引きずりもどすと納屋の丸太の柱に荒縄でくくりつけてしまった。立ったまま身動きはできない。朝早く飯抜きで飛び出しているから腹は減る。昼頃になって、おふくろが握り飯を運んできてくれたのだが、これがおばあちゃんに見つかってしまった。「甘やかして、ろくな子になるか!」と、おふくろはおばあちゃんにこっぴどく叱られて、ほうほうの体で母屋に逃げ戻ってしまう。泣きに泣いて、涙も涸れて、日がとっぷり暮れる頃、おばあちゃんがあらわれて、「武男、わかったか。嘘とごまかしは絶対あかん」と、こんこんと説教され、ようやく縄をほどいてくれた。三つ子ならぬ”五つ子の魂”というっか、この教えは私の心の奥深いところに沁み込んだようで、今にいたるまで、”嘘とごまかし”はしない、許さないというのが私の信条となっている。

・祖母に叩き込まれた教えは3つあって、
一、嘘とごまかしは絶対にあかん
一、人に迷惑をかけることは、あいならん。
一、闘ったら、必ず勝て。
の三箇条であった。

・小学5年生ぐらいのときに、中学生とけんかになったことがある。体格がちがうからまったく勝てない。さんざんやられて泣いて帰った。すると、おばあちゃんが目を吊り上げて飛び出してきて、もうそのときは手に竹の棒を握っている。ひっぱたかれるのは、私である。「男がけんかして負けて泣くとは何事や。もういっぺんいってこい」とまた尻を叩かれる。中学生よりおばあちゃんのほうが恐いから、泣く泣く中学生の家の前まで行き、悪態をついて呼び出すのである。うしろには、おばあちゃんが竹の棒を構えて仁王立ちになっている。前門の狼、後門の虎である。「なんじゃ、このガキ」と出てきた相手に、子供心に考えて、噛みつくしか勝ち目はないと、腕にがぶりと噛みついて、上からどんなに叩かれようが離さない。だんだん歯が食い込んでいくから、とうとうむこうが泣き出す。騒ぎを聞きつけてむこうの家から母親が出てくると、おばあちゃんが、「子どものけんかに親が出るな」と叫ぶ。むこうが「あんたはどやの」というと、「親やない。ばあちゃんや」と言い返す始末で、変な理屈ではあるが、おばあちゃんの勝ちである。存分に噛みつかせておいて、ようやく間を分けてくれるのだが、その帰り道、「ええか、男の子は闘ったら、かならず勝たなあかんぞ」と繰り返し言い聞かせるのだ。

・大学時代は学資のことで親に迷惑をかけまいと、たくさんのアルバイトに精を出した。鉄工所、運送会社、ビール会社、損害保険会社、百貨店、家庭教師、塾講師など、20業種に及んだ。

・愚痴が終わるまで黙って聞いていたオーナーが、ふっと向き直ると、「樋口くんナ、長たる者は、決断が一番大事やで」とひとことだけ言われた。そうはいうがなとか、こうしてみろかは、一切ない。ただひとことである。信念を持って進めと、そう私は理解した。胸がすっきりしていた。

・名将・山本五十六は、「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」と語ったというが、まさにその通りであった。以後私は、今日にいたるまで、社員に「やる気」を出させるには、徹底対話によるコミュニケーションが一番と信じ、実行している。

・それにしても、小田先生から全資産を預けるとまで見込まれた理由はなんだったのだろう。私には、これといってまったく思いあたるところがない。しいていうと、”駆け引き”というものを絶対にしなかったからかもしれない、と思ってみることはある。凡事に徹するというか、石橋オーナーの教え通り、熱意と誠意でぶつかっていっただけのことだった。葬儀の折、先生の娘さんが、「父は晩年、支店長さんを息子のように思っていましたね」と言って下さったが、3人もの「オヤジさん」に恵まれたことは、私の人生でこの上ない幸せだと思っている。

・「経営者ちゅうのは、つくづく孤独なもんですな」と言うと、オーナーの返事が凄かった。「そんなん感じたことは一度もないな」そしてこうつけ加えたのである。「わしはそれを、ひとりでやってきた。人に嫌われるのがイヤな者は、経営者になるな、ちゅうことや」

・オーナーの背中からまず学んだことは、「リーダーの品性」である。
 ・公平公正
 ・無私
 ・ロマン
 ・使命感

・長たる者は、品性をくわえて、自己研鑽によって「4つの力」を磨かなければならないと私は考えている。
 ・先見力
 ・統率力
 ・判断力
 ・人間力

・私が黒革の手帖に書きつけて、つねに携行している言葉がある。「成功する人の12カ条、失敗する人の12カ条」である。( )が「失敗する人」の行動形態である。

1  人間的成長を求め続ける(現状に甘え逃げる)
2  自信と誇りを持つ(愚痴っぽく言い訳ばかり。)
3  常に明確な目標を指向(目標が漠然としている。)
4  他人の幸福に役立ちたい(自分が傷つくことは回避)
5  良い自己訓練を習慣化(気まぐれで場当たり的)
6  失敗も成功につなげる(失敗を恐れて何もしない)
7  今ここに100%全力投球(どんどん先延ばしにする。)
8  自己投資を続ける(途中で投げ出す)
9  何事も信じ行動する(不信感で行動できず)
10 時間を有効に活用(時間を主体的に創らない)
11 できる方法を考える(できない理由が先に出る)
12 可能性に挑戦しつづける(不可能だ無理だと考える)

<目次>
Part1 泥舟の船頭になる
 青天の霹靂/「きみの宿命や思うてくれ」/「68億円の始末をつけろ」/「あなたはからだを張って結論を出せますか」/永平寺管長の「水五訓」/”お公家軍団”/リストラは絶対しない/現場に知恵あり/スピードは最大のサービスだ/人を斬れて一人前/会社を熱湯にしたら120人が出ていった/能力の差は「やる気」の差/経営のプロとアマ

Part2 いつかかならず事業家に
 祖母の3つの教え/闘ったら、かならず勝て/いつかかならず事業家に/楽しすぎる会社よ、サヨウナラ/朝は朝星、夜は夜星/飛び込み営業、1日35件/現場主義に徹する/四面楚歌/「長たる者は、決断が一番大事やで」/人の縁は苦情から/「凡事徹底」/技術系7人が一斉辞表/人事担当専務と大勝負/「一つ上の仕事をせい」/三人のオヤジ/満州時代、九死に一生/シベリア収容所で「ハラを切る」/万年床に札の束/医者を7人とり替える/「4Mでいけ」/「親分は一人でいい」/弟の真心

Part3 熱湯経営で「大組織病」に勝つ
 「帰ってこい。社長やってくれ」/「きみの休みがなくなるということや」/合併のその日/みんな、フリをしているだけ/”横串”がない/これは「大組織病」だ/ネットに書かれた悪口雑言/熱湯経営スタート-役員任期を1年に/社長宛「提案BOX」/”ひらめ社員”撲滅宣言/組織を変えたら人も替えろ/赤字支店長はボーナス・ゼロ/「能動的人事管理」のすすめ/「社内FA制」/支店長公募制/老・壮・青すべての活力を/借入金1340億円「2年で返せ」/1回くらい赤字にしてもええぞ/砂袋を積んだ低空飛行/2100億円を一括処理/創業以来初の赤字/「チャレンジ・トリプル30」/V字回復

Part4 創業者との”同行二人”
 「先の先」を見てくれよ/”黒い噂”/大きなダイコンは間引きせよ/商売は足である/営業はことわられたときにはじまる/「人に嫌われるのがイヤな者は経営者になるな」/段ボール箱一杯の対話録/泣いて肉親を斬る/カンが先で理論は後や/ベッドの上で1兆円企業を動かす/塊の”音叉共鳴”/背中で教え陰で褒める/一代の奇跡をたどる

Part5 成功する人の12カ条 失敗する人の12カ条
 「リーダーの品性」4カ条/長たる者の「4つの力」/「人間力」とは何か/成功する人の12カ条 失敗する人の12カ条/「かきくけこ」を忘れるな/年齢8掛け、精神7掛け/魚は頭から腐る/”人の道”と”運”と/団塊ジュニアへ「100年住宅」を/壮大な”クモの巣”を張りめぐらす/「あ・す・ふ・か・け・つ」/「建物も介護の一部」/「商品は3年後には墓場へやれ」/CO2排出量を半減させる/「発明は1%の霊感と99%の汗から」/志在千里
あとがき

面白かった本まとめ(2009年上半期)


<今日の独り言>
ラグビーの応援に行きました!今回も応援している選手がトライをして大興奮です^_^) 前半負けていただけに、逆転勝利は喜びもひとしおです!!

コメント
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