2019年7月28日任期満了実施参院選で 安倍自民党を大敗に追いつめれば 政権運営が行き詰まり 2019年10月1日の消費税10%への増税を 断念させる可能性が生じる |
安倍晋三が2018年8月12日に地元山口県下関市内で開催の長州「正論」懇話会設立5周年記念講演会で講演している。「産経ニュース」
安倍晋三「毎年、防衛大学校の卒業式に出席し、服務宣誓を受けますが、最高指揮官、内閣総理大臣として、真新しい制服に袖を通したばかりの自衛官たちから『事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える』との重い宣誓を受けます。そうです。まさに彼らは国民を守るために、その命を懸けるんです。
しかし、近年でも『自衛隊を合憲』と言い切る憲法学者はわずか2割で、違憲論争が存在しています。その結果、多くの教科書に自衛隊の合憲性に議論があるとの記述があり、自衛官の子供たちも、その教科書で勉強しなければなりません。ある自衛官は息子さんから『お父さん、憲法違反なの?』と尋ねられたそうです。そのとき息子さんは、目に涙を浮かべていたと言います。
皆さん、このままでいいんでしょうか。こんな状況に終止符を打つ。全ての自衛官が誇りを持って任務を全うできる環境を整えることは、今を生きる私たち政治家の責任であります。憲法の中にわが国の独立と平和を守ること、そして自衛隊をしっかりと明記することで、私はその責任を果たしていく決意であります」――
要するに自衛官が誇りを持って国土・国民を守ることができるようにするためには自衛隊が合憲なのか違憲なのかの曖昧な位置づけを任務の背景にするのではなく、そのような曖昧さから脱して憲法に明記、合憲というしっかりとした保証を与えて任務遂行に誇りを持たせなければならないとの趣旨となる。
但しかねがね指摘しているように「彼らは国民を守るために、その命を懸けるんです」と自衛隊のみに特別使命を与えること程、危険なことはない。戦前、世界屈指の最強日本の天皇の軍隊を以ってしても、国土・国民を守ることはできなかった。日清戦争から太平洋戦争までの戦時中に設置された日本の陸海軍の最高統帥機関――軍隊の頭たる大本営が戦略も戦術も満足に描くことができず、最高統帥機関として機能しなかった。手足たる各部隊の機能性は大本営の機能性に対応する。かくして無残な結末を迎えることになった。
当然、現在の自衛隊の機能性はかつての大本営に当たる、総理大臣を議長とする現在の国家安全保障会議(「日本版NSC」)の機能性にかかることになる。そして自衛隊を動かすコストは政府の経済政策と国民の経済活動の機能性に掛かっている。いわば国民全体で国土を守り、国民を相互に守っている。自衛隊のみが国土・国民の命を守っているわけでもないし、そのために命を懸けているわけではない。
それを自衛隊のみの特別使命であるかのように限定する。特定の組織に対してエリート集団であるかのような特別使命の付与は自分達を特別な存在だと思い込ませる価値づけに等しく、戦前の軍隊に於いてその危険性を学んできたはずだが、安倍晋三がこのことを学ぶことができないのは国家主義で頭が凝り固まっているからだろう。国家主義者は国民ではなく、国家を最高の位置に置いていて、国家を全てとしている。
安倍晋三は「ある自衛官は息子さんから『お父さん、憲法違反なの?』と尋ねられたそうです。そのとき息子さんは、目に涙を浮かべていたと言います」を誰か人から聞いたエピソードとして紹介している。ネットや紙媒体に目を通して得たエピソードとしての紹介とはなっていない。
だが、2019年2月20日付「日刊ゲンダイDIGITA」の「安倍首相またウソ “自衛官の息子涙目”逸話には元ネタあり」と題した記事に関しては人から聞いたエピソードとはなっていない。SNS上に出回っている「ネタ元」の人物を明らかにして、エピソードの由来を紹介している。
その人物とは保守系雑誌などに寄稿している元航空自衛隊空将、現在は東洋学園大非常勤講師の織田邦男氏(67)だとして、昨年1月公開の「KAIKENチャンネル」インタビューでの発言を伝えている。
「私の息子も小学校だったか中学生だったか忘れましたけど、帰ってきてね。『お父さん、自衛隊って違憲なの?』と聞かれた時、ショックを受けましたよ。先生が言っていると。私はあるところに書いたら、最近安倍さんがそのフレーズを使うようになった」
そして記事は、〈織田氏の「正論」2017年8月号への寄稿にも同様の話が出てくるが、「さすがに今はないだろう」との旨も書いている。織田氏が空自を退職したのは2009年。現在の出来事のような安倍首相の口ぶりは怪しい。
確認した限り、織田氏は安倍首相が強調する「息子が涙を浮かべた」と語っていない。情緒的に話を盛り、何となく「自衛隊がかわいそう」というムードを醸造し、悲願の改憲に結びつける。一般人ならまだしも、権力者には許されないウソだ。
ましてや、自衛官の息子に心ない言葉を浴びせた教員が本当にいるのなら、行うべきは教員の指導だ。憲法を変える理由にはならない。〉と結んでいる。
この記事の冒頭は、2019年2月13日の衆院予算委での立憲民主の本多平直議員との遣り取りを取り上げる形で、〈安倍首相が自衛隊明記の改憲理由として、たびたび持ち出す逸話は事実か、いつどこで聞いたのかと質問。すると、安倍首相は「私はウソを言うわけない」とキレまくったのだ。〉と安倍晋三の極端な反応を指摘した上で、そのときの「ウソだと言ってんでしょ。非常に無礼な話で、人格攻撃だ」云々の発言を〈安倍首相のガキのケンカ答弁〉と巧みに評価、「希代の大ウソつきがよく言えるが」と、正しい解釈を下している。
確かに安倍晋三が披露するエピソードの如何わしさ・信用の置けなさも問題だが、そういったエピソードに対する国会答弁を通した言い開きだけではなく、安倍晋三自身の不正関与が疑われる事態に対する言い開きが事実そのままなのか、まるっきりのウソなのかは言い開きの言葉の使い方自体に現われることに注意して、その言葉の使い方から事実かウソかを見抜き、ウソと見抜いた場合はそのウソをこそ問題としなければならない。断るまでもなく、一国のリーダーがウソをついていい訳はないからである。
では、自衛隊の子どものエピソードに対する安倍晋三の言い開きから、それが事実なのか、ウソなのかを俎上に載せてみる。立憲民主党の本多平直がこのエピソードを取り上げている2019年2月13日の衆院予算委員会と2019年2月20日衆院予算委員会での遣り取りを見てみるが、あとの方の2月20日の遣り取りから見てみる。
2019年2月20日衆院予算委員会 本多平直「もう一つ総理が憲法改正の理由としては、何度も色んな講演でおっしゃっている、『お父さんは違憲なんだよ』と涙を流した自衛官の子どもさんがいるという逸話、これは実話かという話を前回(2月13日)の委員会で質問させて頂きましたが、はからずも総理が激昂しまして、『私をウソつきと言うのか』と。私が総理のことをウソつきと言ったかのような画面がテレビでも流れていますが、私は単に、『どこで聞いたんですか?』と聞いたら、総理はその場ではお答えを頂けませんでした。 あの、私、いずれにしてこの話、実在しようがしまいが、こんな話が憲法改正の理由になること自体が飛んでもなくおかしいと。イジメとか、もし何かあったなら、その子にちゃんと説明したり、その学校にあったことを解説にしていくことが先であって、この子がいたから、憲法改正が必要だなんて、・・・みたいな話、問題だと思うんですが、一応実話なのかって話を聞いて、ご準備を頂いてるようなんで、お答えいただけますか」 安倍晋三「あの、前回ですね、本田委員は私がウソをついているということを前提に質問を組み立てられておりましたので、その、それは、おかしいでしょうということは、(本多平直が抗議と他委員のヤジ)内心は私は分かりませんけど、内心はそれは分かりませんけど、私が推測する上においては殆どそれを前提にしておられるのかなあと私考えたわけでありまして、その中でそういうふうに申し上げたわけでございますが、あのー、そこでですね、ご指摘のエピソードについてはですね、防衛省担当総理秘書官を通じて航空自衛隊の幹部自衛官から伺った話であります。 航空自衛隊の幹部自衛官が述べていたということはこれは本人に秘書官を通じて確認をしております。これ以上詳しいことはですね、自分(=幹部自衛官)と息子の、あるいはそのときの学校の先生に関ることなんで、これ以上は述べないで貰いたいと言われておりますので、この航空自衛隊の幹部自衛官官から伺ったというところまででとどめさせて頂きたいと思うところでございますが、秘書官自身が自衛隊、自衛官本人から、直接聞いたものであると、このように考えております。 ただ、私は申し上げたかったことはですね、教科書にそういう記述(自衛隊違憲論)があるのは、多くの殆どの教科書にそういう記述があるのは、記述っていうのはですね、いけん、いけん、違憲論があるということは、記述があるのは事実でありますから、そういう記述を無くすと言うことはですね、いわば違憲論争に終止符を打つという考え方で述べているわけでございまして、これは防衛の根本にかかることではないかと、私は考えているところでございます」 本多平直「今日、その総理秘書官、私、お呼びしているのですが、来て頂いていますか。いつ頃、ご自身の話なのか、自分の友人の話なのか、それぐらいはお話しして頂きたいと思って、お呼びしているのですが」 安倍晋三「秘書官、ここにおりますが(背後に半ば振り返って、左手で示す)、おりますがね、それは秘書官をですね、参考人として呼ばれましてもですね、これは秘書官というのは膨大な職務もありますし、私は、いわば、秘書官、私の秘書官ですから、私が、当然、答えるのが当たり前であってですね、私がすぐ聞けばいいだけの話でございございまして、今言ったことが全てでございまして、えー、これをですね、では、これが違うって言うのであればですね、その違うっていう、しょう、証拠を出して頂かなければですね、いちいち秘書官をですね、このことで、(吹き出し笑いをして)その場合、どうにかと思いますんで、先程言ったことが全てでございまして、秘書官自身がですね、秘書官自身が確認をしていることでございます。今申し上げましたのも航空自衛隊の幹部自衛官であるということは申し上げましたが、これはここまで述べてはいいのかということ。 段々絞られてきますから、ここまで述べただけでもですね。えー、そ、それで、あのー、え、え、えー、秘書官からですね、あのー、おー、は確認している、もう一度確認をしている。どこまで述べていいのかということも確認しているところでございます」 本多平直「今総理秘書官、呼ばないっ言ってますけど、そんな話、通らないんですよ。この政権に於いては。加計学園問題の柳瀬さん。総理に言わずにですよ、総理の親友の業者と3回も首相官邸で会って、加計学園問題のことをやってて、記憶にない、記憶にないと。やっと私達が呼んで出てきて、3回も首相官邸で柳瀬秘書官、会っていたこと明らかになったんじゃないですか。 今回だって我々の追及で、これまだ事実かどうか分かりませんよ、中江秘書官、統計問題で厚生省にプレッシャー掛けたんじゃないかって。私はそういう総理秘書官が重要な役目を果たしちゃってるんですよ、連絡調整を、果たすだけじゃなくて。総理の命を受けてというはずなのに総理で(総理官邸で?)勝手に色々やっている。ですから、私はですね、この問題だって、総理に言われてどういう話になっているのかよく分かりませんけど、・・・・・(?)ました。 いずれにしても、こういうことを言うが言わまいが、この問題をしっかりと解決することであって、憲法改正に繋がる理由では全く無いっていうことを指摘をして質問を終わりたいと思います。以上です」 |
本多平直はこの日の質疑の別のところで、「総理は一度言ったことは変えない信念の人ですから」と褒めていたが、ウソを貫き通す信念人という意味での褒め言葉であるはずだ。
安倍晋三の上記答弁を詳しく読めば、嘘をついていることは一目瞭然である。最初の方の答弁は一応理路整然とした答弁となっていて、「ご指摘のエピソードについてはですね、防衛省担当総理秘書官を通じて航空自衛隊の幹部自衛官から伺った話であります」とネタ元を落ち着いた様子で明らかにしている。
ところが、本多平直が「今日、その総理秘書官、私、お呼びしているのですが」と言って、直接総理秘書官から問い質す姿勢を見せると、一応保っていた理路整然がどこかに吹き飛んでしまって、吹き飛ぶと同時に答弁が不必要に長々となっただけではなく、言葉のつっかえや、「あのー」とか「えー」とか、発話の合間に挟み込む言葉が多くなっている。事実を話しているなら、このような事態に陥ることはない。
ウソをついている場合に答弁が不必要に長々となる現象は、それが事実なら、事実そのままを話せばいいから、事実そのままの言葉数で済むが、ウソを事実に変える場合、それが不可能であるから、色々な言葉を使って念入りに事実を積み上げる必要性を自ずと対にしなければならなくなるからだろう。
安倍晋三は「ご指摘のエピソードについてはですね、防衛省担当総理秘書官を通じて航空自衛隊の幹部自衛官から伺った話であります」と明快に言いながら、少し後で、「秘書官自身が自衛隊、自衛官本人から、直接聞いたものであると、このように考えております」と言っているが、安倍晋三自身が総理秘書官からそのエピソードを聞いたとき、その秘書官は安倍晋三に対して自衛官本人の経験として直接聞いたエピソードなのか、あるいは自衛官本人がまた聞きのエピソードなのか、告げなかったことになるし、秘書官自身が自衛官本人にどちらかなのかを確かめもしなかったし、安倍晋三自身もどちらなのか秘書官に聞かなかったことになる。だから、「このように考えております」と推察するしかなかった。
この不自然な遣り取りも事実でないからこその断定の不在と見なければならない。
2019年2月13日衆院予算委員会 本多平直「総理が憲法改正の理由として仰ってること、非常におかしいなと思ってることが、色々な場面で言ってらっしゃるんですけれど、去年ですかね、下関の講演で、『お父さん、憲法違反なの』と言われて、自衛官の息子さんが涙を浮かべていたって話、よくされてるんでけど、これ、実話なんですか」 安倍晋三「これ、実話なんです」 本多平直「何県で、いつ頃聞かれた話なんですか。(自席に座ってから、手を上げ、腰を浮かせて)どういった方に聞かれたんですか」 安倍晋三「これはあの、防衛省から聞いた話です。で、あの、具体的にですね、今、具体的に氏名を上げるということは差し控えたいと思いますが、ま、それ以上、もう少しは詳しくはお話を、今、急に、今、聞かれましたから、教えかけで(?)お答えをしたいと思いますが、これについても、これについてはですね、それは資料はだ、出すっていうんであれば、えー、このことについて資料を出させて頂きます」 本多平直「私はですね、このエピソード、(安倍晋三が何か言ったのか、安倍晋三の方に向かって)後で調べてください。私の実感は違うんですよ。私は小学校、中学校、ずうっと自衛隊の駐屯地のそばで育ちまして、たくさん自衛隊の息子さんいて、こんな話は出たことないんですよ。ですから、私の小学校、中学校の時代ですらそうで、今こんな話なんかね、出ているって実感はないので、本当に総理に、こんな話をね、誰かあったら、それ自体、しっかりね、私はその子どもを説得しなければいけないですよ。 『そんなことないんだよ』と。『お父さんの仕事は別に憲法違反じゃないよ』と。そういうことをね、私は説得しなければいけないと思っていますよ。実は私、総理に申し上げたいのは、今1年間の国会で、自衛隊が憲法違反の疑いがあるとかね、憲法違反だっていうことを、総理は思いは違うと思いますよ。 そういうことを取り上げている政治家って、誰だと思ってます?」 安倍晋三「先週でしたか、私、党首(?)会談のときかな、その前に会ってですね、年配の女性から、『私の息子はですね、安倍さんが憲法で自衛隊を明記してくれる自衛官だけど、本当に嬉しく思っている。これで、これで誇りに思えるようになった』、こう言っています。『私も自衛官の娘を持って、本当に嬉しく思っています』 それはそう言われました。で、本多議員はね、私が言ってることは(本多平直が何か声を掛けたのか、急に大きな声になって)ウソだと言ってるんでしょ、それ。それは非常に無礼な話ですよ。ウソだと言ってるんでしょ、あなたは」 本多平直は自席から「言ってないよ」 安倍晋三「本当だったら、どうすんのよ、そこで」 本多議員が「根拠を出してほしい」とか自席から言う。 安倍晋三「あなたは本当だったら、ウソだと言ってるんだから。いや、いや、根拠を出したら、こんな時間を使って、私を非難して、ウソだと言っているというのは極めて非常識な話だと思う」 本多平直「委員長、ちょっと、議事録を見せて。私、ウソだって言いました?いつどこで聞いたんですかって聞いてるんですよ。譬え話なのか、実話なのかって聞いただけだけじゃないですか」 安倍晋三「えーとね、だって今、本多さんはそんなことないということを言っているわけですから。ウソだということを、ウソだということを前提に言っているわけであってですね、それは、それはですね、それはずうっと私のそういう話をですね、(テーブルに手を突いて屈めていた腰を急にしゃんと伸ばして)私がウソを言うわけないじゃないですか。そういう確認をしろと言っても。確認しろと言っても、氏名は出せませんよ、いくらなんでも」 野田聖子委員長「総理もヤジに答えないでください」 安倍晋三「すみません。、筆頭理事が、あの、あのー、ご指摘だったので、反論させて頂きましたが、これは、これはですね、これはですね、いわば私がそういうことをまるで、ないことを想像というかですね、政治的に利用するために作り話のように作ったということについて、そういう、そういう、いわば前提で議論しておられるわけですから、それは余りにもですね、余りにも全面的に人格攻撃ではないか、こう思う、政策論と言うより人格攻撃ではないかと、こう思ったわけであります。 これは当然、事実でありますから、いつ、誰から、どういう言う話を聞いたということをしっかりとお話をさせて頂きました」 本多平直「私は政治家の話の中でね、例えば複数の農家の方から聞いた話を、こんなことを農家の方が仰ってましたよという話はあるんですよ。ただ、私と実感と違うので、そしてね、総理、これ、そういう私が―― 懇談会のような話じゃないんですよ。憲法を変えようというね、理由として、先程のね、自治体が(自衛官募集に)協力していないから変えるんだ。憲法を変えたら、じゃあ、自治体はこの名簿の話、今、実害が出ていない、ちょっと大変だけど。 私たち国会議員にさせた、(大臣席を指差し)あなた達させたんですよ、私達に。・・・・を(?)それと同じことを、現場の方は苦労されていると思いますよ。多少不便だと。しかし(憲法を)変える必要ないじゃないですか。ちゃんと募集のパンフレットは・・・・に送られているんだから。 学者の話も、憲法解釈を勝手に捻じ曲げたというか、学者の安保法制も反対だけど、安保法制は反対だけど、自衛隊は合憲だとか言うんですよ。・・・・・ そして子供の情緒論。こういうことで憲法を変えることはおかしいということを申し上げて、私の質問は終わりたいと思います」 |
安倍晋三は「ウソだと言ってるんでしょ、それ。それは非常に無礼な話ですよ。ウソだと言ってるんでしょ、あなたは」、「私を非難して、ウソだと言っているというのは極めて非常識な話だと思う」、「ウソだということを前提に言っているわけだ」、「私がウソを言うわけないじゃないですか」とかなり感情を害して本多平直を非難している。対して本多平直は「私、ウソだって言いました?」と反論しているが、最初に「実話なんですか」と聞いている以上、安倍晋三の指摘どおりウソを前提の虚偽話と見ている追及に他ならない。
但し安倍晋三は2019年2月20日の衆院予算委員会国会答弁発言、「ご指摘のエピソードについてはですね、防衛省担当総理秘書官を通じて航空自衛隊の幹部自衛官から伺った話であります」が事実そのものであるなら、この発言を7日遡ること2019年2月13日の衆院予算委員会の場で自然と自身の答弁となって現われていなければならない。
答弁とならなかったのは、エピソードが自身が聞いた話ではなく、他人の文章・語句・説などを盗んで使うことを意味する剽窃だったと見るほかはない。要するに2月20日の答弁は2月13日に質問があったから、急いで用意した、いわば後付のネタ元ということにしなければ、前後の整合性を失う。
2019年2月4日の衆院予算委員会で無所属(立憲民主党・市民クラブ)の小川淳也から厚労省発表の2018年6月の実質賃金が21年5カ月ぶりの伸びとなったことに「何らかの印象を持ったか」などと問われたときも、実質賃金の上がり下がりに気を使っていないはずはないのに実質賃金の動向を知ることができる「毎月勤労統計を確認したことはない」、「報告も受けていない」と答弁したときも、不必要に長々となっただけではなく、「あのー」とか「えー」とか、発話の合間に挟み込む言葉が多くなっている。
安倍晋三「あのー、ご存知だと思いますが、私はそのときの、えー、毎勤(毎月勤労統計)、のですね、えー、上がる、が、上がったことについてですね、確認されては、一度もございません、私自身が。
ですから、これ、私自身に色々印象が残っていたなら、そうだったんだろうと思いますが、私自身、実はですね、それが上がったということについて、実はいちいち毎勤統計については私は報告は受けていません。
私が、えー、ま、統計で報告を受けるのはですね、失業率と有効求人倍率を色々、各人に於いて、総務大臣、総務大臣から報告を受けるときでございます。基本的にいちいちのですね、毎勤統計について、えー、私、一喜一憂する考えはございませんし、そもそも、もう余りにも、承知になっているでしょうけど、むしろ私は、えー、この毎勤統計についてですね、えー、ま、実は先程ご説明したんですが、事業所に於いて、その事業所の職員で割ったものの平均でございますから、経済の実態を直接示しているかどうかということについて、私はむしろそれは総雇用者所得で見るべきだという議論をいつもしていたわけでございます。
ですから、そういう意味に於いてですね、そこは私は特別な印象を持っているわけではないわけでございます。えー、この実態から見れば、この、えー、三桁(?)あることも。
あと、あのー、おー、その前にですね、えー、この入れ替えも、ま、お、行なわれということだったということもあるんだろうと、こう思う次第でございます」
「毎月勤労統計の報告は一度も受けていない、自身も報告を求めたことはない」が事実なら、そのままを答弁すれば片付く話なのに答弁に於けるいつものスムーズさを失い、答弁自体も長々としたものになっている。統計不正に関与している後ろめたさがなければ、こうも手際の悪い言い開きとはならないだろう。
安倍晋三の言い開きの傾向から事実なのか、ウソをついているのかが見えてくる。当然、ウソをついていると推察できる言い開きなら、それを逆手に取って、追い詰めていく選択肢を取るべきだろう。それが何らかの不正関与に関わる追及なら、馬脚を現すキッカケにならない保証はない。