goo blog サービス終了のお知らせ 

源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

19薄雲03 末とほき

2008年02月10日 | 17絵合~20朝顔
源氏物語歌集 300
巻十九 薄雲 03 明石

    末とほき 二葉の松に 引き分かれ
    いつか木高き 影を見るべき


2008-0210-ysg300
Kad04-024

□かたことの、声はいとうつくしうて、
袖をとらへて、(姫君)「乗り給へ」と引くも、
いみじうおぼえて、 (明石)「末と・・・べき」 ・・・□

19薄雲01 雪深み

2008年02月08日 | 17絵合~20朝顔
源氏物語歌集 298
巻十九 薄雲 01 明石

    雪深み 深山の道は 晴れずとも
    なほふみかよへ あと絶えずして


2008-0208-ysg298
Kad04-023

□おつる涙をかき払ひて、(明石)「かやうならむ日、
ましていかにおぼつかなからむ」と、らうたげにうち嘆きて、
(明石)「雪深・・・して」 と宣へば、・・・□

18松風16 雲の上の

2008年02月07日 | 17絵合~20朝顔
源氏物語歌集 297
巻十八 松風 16 左大弁

    雲の上の すみかをすてて 夜半の月
    いづれの谷に かげかくしけむ


2008-0207-ysg297
Kad03-198

□左大弁、すこしおとなびて、故院の御時にも、
むつまじう仕うまつり慣れし人なりけり。
(左大弁)「雲の・・・けむ」 心々にあまたあめれど、うるさくてなむ。□

18松風14 めぐりきて

2008年02月05日 | 17絵合~20朝顔
源氏物語歌集 295
巻十八 松風 14 源氏

    めぐりきて 手にとるばかり さやけきや
    淡路の島の あはと見し月


2008-0205-ysg295
Kad03-198

□・・・、かの淡路島をおぼし出でて、
躬恒が「所がらか」とおぼめきけむ事など宣ひ出でたるに、
ものあはれなる酔ひ泣きどもあるべし。 (源氏)「めぐ・・・し月」□

18松風13 久かたの

2008年02月04日 | 17絵合~20朝顔
源氏物語歌集 294
巻十八 松風 13 源氏

    久かたの 光に近き 名のみして
    あさゆふ霧も 晴れぬやまざと


2008-0204-ysg294
Kad03-198

□とりあへたるに従ひて参らせたり。きぬびつ二かけにてあるを、
御使ひの弁は疾くかへり参れば、女のさうぞくかづけ給ふ。
(源氏)「久か・・・ざと」 行幸待ち聞え給ふ心ばへなるべし。□

18松風12 月のすむ

2008年02月03日 | 17絵合~20朝顔

氏物語歌集 293
巻十八 松風 12 主上

    月のすむ 川のをちなる 里なれば
    かつらの影は のどけかるらむ


2008-0203-ysg293
Kad03-197

□・・・、いかなれば」と仰せられければ、ここにかう泊らせ給ひにけるよし聞し召して、
御消息あるなりけり。御使ひは蔵人の弁なりけり。 (主上)「月の・・・らむ
うらやましう」とあり。□


18松風11 かはらじと

2008年02月02日 | 17絵合~20朝顔
源氏物語歌集 292
巻十八 松風 11 明石

    かはらじと 契りしことを 頼みにて
    松のひびきに 音をそへしかな


2008-0202-ysg292
Kad03-193

□・・・きや」 女、 (明石)「かは・・・かな」と聞えかはしたるも、
似げなからぬこそは、身に余りたる有様なめれ。こよなうねびまさりにけるかたちけはひ、
え思ほし捨つまじう、若君はた、つきもせずまもられ給ふ。□

18松風10 契りにし

2008年02月01日 | 17絵合~20朝顔
源氏物語歌集 291
巻十八 松風 10 源氏

    契りにし かはらぬ琴の しらべにて
    絶えぬ心の ほどは知りきや


2008-0201-ysg291
Kad03-193

□・・・、その琴の御ことさし出でたり。そこはかとなくものあはれなるに、
え忍び給はで掻き鳴らし給ふ。まだ調もかはらず、ひきかへしその折り今のここちし給ふ。
(源氏)「契り・・・きや」 女、「かは・・・□