僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

愛おしい

2020年02月04日 | 日記
おふだ作りをしていた家内が、一言。
「お守りのおふだ、数が足りるかしら?」

星祭の法要に必要な、お守りのおふだ。
「去年、残り少なくなっていた気がするのだけど」

のんびりとした口調で言ってくれる。
数が足りなかったらどうするの。

今から注文しても、法要に間に合わないよ。

「ちょっと待ってて」
そう言い残して、本堂へ走る。

しばらくすると、「あったわ」。
明るい返事に、胸をなでおろす。

小さなお寺。すべてが手作業。
手伝ってくれる人は、誰もいない。

こたつに入って、せっせと励む。
後姿が、切ないぜ。

「印鑑、もう寿命ね。
 新しい印鑑に交換しないと」

そう言い続けて、幾年月。
節約モードも限界です。

筆を持つ手が笑っている。
ほらほら、文字まで笑っているよ。

心地よい時間。

ゆっくりと流れていくひと時が、
なぜか僕には愛おしい。

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