「プロ」

家内が犬のカットをしています。
以前お話しした、行きつけの美容院のワンちゃんです。

「楽しみにしてる」
ハンドルを握る家内が、ぽつり。

『どうして？」
私は、不思議に思いました。

だって美容院って、すごく遠いところにあるんだもの。

「今までカットしたことのない、犬種なの。
　どんなふうにしようかな・・・」

口元がほころんでいます。

『初めてって・・・大丈夫なの？
　カットの形、わかっているの？」

『展覧会用は、わかる。
　家庭用のカットは、丸刈りが多いかな？」

「大丈夫ぶかなぁ」
私は不安になりました。

美容院に到着して、
飼い主の方との打ち合わせが始まりました。

足、顔、背中、おなか・・・。
細かい注文が入ります。

『美容院もプロだから、
　カットの良し悪しがわかるよね？』

自分でカットをした方が、簡単だと思うけど。

「まったくの、別物。
　ハサミの使い方から、違うのよ。
　
誰でもできるのなら、私たちなんて必要ないわ」

プロはプロ同士。
通じるところがあるのね。

初めてのお客様。
また、依頼があったらいいなぁ。

ps

「あなたもプロなんだから、
　お経練習、書道練習をしなさい！

　境内の掃除も」

『は～い』