僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

お母さん

2019年03月06日 | 日記
山形県に住む友だちのお母さんから、
宅配便が届きました。

季節のお届け物ではありません。
なにを送ってこられたのだろう?

箱を開けてみると、額縁が入っていました。
額の中には、筆で書いた文字が・・・。

同封されていた手紙を開くと、
「最近、書をたしなんでいる」と、綴られていました。

友だちというのは、
大学の時、学生寮で過ごした同級生です。

お寺の、一人っ子です。
やさしい男でした。

そんな彼が、郷里に帰って間もなく、
脳腫瘍になりました。

化学療法と手術。

手術直後、ICU の彼の姿を、
今も忘れることができません。

身体が不自由になっても、
必死に生きようとしていたのに・・・。

翌年の、2月14日。
彼が旅立った日です。

街は、バレンタインデーでにぎわっていました。

喧騒と、静寂。
なんか皮肉だよね・・・。

だから、余計に忘れられない。

「頑張って生きています」

手紙に込められた、お母さんの文字が

「息子を忘れないで・・・」
と、叫んでいるように感じました。

「聡・・・。元気にしている?」

過ぎ去った時が、私の心を駆け巡りました。

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