えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

再会

2006-05-24 | 日記
 keikoさんが小さな冊子を読んで、ただ、ただ、ハラハラと涙を流したんだ・・・。夢中で読みながら泣いているんだ・・・。
それはsyoujiさんが、刑務所の中で書いた詩だった。

 救援美術展の会場に「布川事件コーナー」があり、そこで販売されていたんだ。
「守る会」の人が手作りで小さな冊子にして、一人でも多くの人に読んでもらおうと広めているものだった。 
 
 keikoさんは繰り返し、読んでは泣いていたっけ。
それは、苦しい、悲しい、辛いという言葉はどこにもなく、ましてや恨みや攻撃の言葉がどこにも無い、ただ、淡々と思いを綴っただけのものだった。
それなのに、その詩はkeikoさんの心を大きく揺さぶった。
胸が張り裂けそうになるくらいえん罪の悲しみが、深く、深く入り込んで来た。
とてつもなく悲しく、でも、常に希望が傍にあるようなそんな不思議な詩だった。
何故、激しい、怒りの表現が無いんだろう?
何故、この詩に暗さがないんだろう?
この詩に何故涙を誘われるのだろう・・・?

 そんな疑問を抱いているときに、syoujiさんが美術展に来たんだ。
keikoさんは会場の受付にいた。
syoujiさんは
「ありがとうございます」とkeikoさんの隣に座っていたKさん(顔見知りだったように)に挨拶して、目の前で奉加帳に記入して会場に入って行った・・・。

 これがkeikoさんとsyoujiさんの二度目の出会いだった。
keikoさんは、一緒に行った友人が積極的にsyoujiさんに話しかけているのがうらやましくて仕方なかった。
何とか話すきっかけはないかと思っていたら、syoujiさんが
「最近オカリナを支援者の方からいただいたんだけれど、上手く吹けない。
楽譜があれば・・・」というのを聞いて、がぜん張り切ってしまったんだ。
何故って、keikoさん、オカリナの楽譜を持っていたから!
 翌日、美術展の最終日だった。
午後から早めに帰るというsyoujiさんに、keikoさんは何としても楽譜を渡そうと
昼休み、近くのコンビニに走ったんだ。
もちろん、コピーを取って渡すために・・・。

 そして、渡したんだ・・・。