朝、ある交差点で信号待ちをしていたら、交差点の前方左側から一人の女子学生が出て来た。彼女はこちらを振り向くことなく、そのまま広い歩道の建物側(車道とは反対側)をまっすぐ歩いていたので、私は「乗客ではなさそうだ」と思った。
その交差点から100mほど先のバス停に人影はなく、時計を見たら“そのバス停の発車時刻の十数秒前”だった… その時、信号が青になり、私はバスを発進させ、そのまま行けば“発車時刻の十数秒後”にバス停通過だったのだが…
何だか分からないけれど、彼女のことが(変な意味じゃなくて)気になっていた私は“もう少し様子を見る”ために、バスをゆっくりと加速させ… バス停の手前20mくらいのところで彼女に追い付き… と、そこでようやく彼女は“軽く”駆け出したのである。
先着した私がバス停で扉を開けると、彼女は「フンッ」て感じでフツーに乗ってきた。あぁ、こんなことなら「発車時刻は過ぎているんだから!」と、一気に加速して行っちゃえば良かった!(そう言うだけで出来ないクセに…)
午後、あるバス停からスポーツウエア姿の男子高校生数名が乗ってきた。その中の3~4名が、手に缶ジュースを持っていた。その時点で嫌な予感… が、高校生だというだけで疑ってはいけない。ましてや彼らは“スポーツマン”なのである。
車内に彼らの会話が適度な音量で流れる中… 「ペキッ、パキッ、ポキッ… コトン」という音が聞こえてきた。それは、アルミ缶を軽く潰して床などの上に置いたような感じで… それを視界に捉えることは出来なかったが、私は“その予想”に自信があった。
そこで「車内にゴミを置いて行かないで下さい」という台詞が喉まで出掛かったが、「男子高校生だからって… スポーツマンなんだし… とりあえず置いただけかも…」などの考えが邪魔をして、私は何も言えなかった。
終点に到着後、忘れ物チェックをしたところ… 案の定、中途半端に潰されたアルミ缶が床の上に置かれていた… それを見た私は「ゴチャゴチャ考えとらんで言っちゃえば良かった!」と思うよりも、「ほら、やっぱり!」と“予想的中”したことを喜んだのであった…(競馬じゃないんだから!)