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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

歌の上手いバスだったら…

2012年07月15日 18時42分42秒 | バス運転士

私のバスは“玩具のチョロQ”をそのまま大きくしたような小型バスだった。発車時刻の3分ほど前になり、駅の待機場所から乗り場へ移動… そこで前扉を開けると、一人のお爺さんが乗ってきた。

そして、お爺さんは「お願いします」と言いながら、携帯を持った左手を差し出した。私が「ん? 携帯で運賃の支払いなんて出来たっけ!?」と思っている間も、お爺さんはその携帯をグイッと前にだして私に見せつけた。

私が「やっぱり出来ないよなぁ~!」と思うと同時に、お爺さんは「あっ!」と気が付いた。そして、慌てて胸ポケットからフリーパスを取り出すと、お爺さんは「音が…」とか何とか言った。

そこで「携帯の音が…??? 何か変な音でもするのだろうか? 私に聞かれても困るけれど…」と思いながら、私が「えっ… 音が何か…」と聞き直すと、お爺さんは「このバス、さっき変な音がしとったけど、大丈夫?」と言ったのである。

「さっき」というのは、待機場所から乗り場へ移動する時のことで、「変な音」というのは、エンジンルーム内のベルトによる「キュルルルル~」という鳴き声のことである。エンジンを掛けてすぐに発進した時などによく鳴く… ような気がする。

あぁ、このバスがもう少し歌が上手かったら… 「♪キュ~ル~ルルル~」とか「♪キュルリラ~キュルリラ~」とか「♪キュキュキュ~オバケのQ~」とか… 楽しい音が流れるだろうに…(♪無理だ無理だ、ムリムリ!)