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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

い・け・な・い オートマチック!?

2012年07月06日 17時50分38秒 | バス運転士

昨日の午後、今の営業所には少ないマニュアル式のバスに乗っていた。特に変なところもなく、普通に乗れていたのだが… 夕方、某駅へ向かって走っている時、何となくクラッチのつながりが早く(つながる位置が低く)なっているように感じた。

具体的には… それまでクラッチペダル上の左足を15cmくらい上げたところでつながっていたものが、10cmくらい上げただけでつながるようになったような感じである。

終点の某駅に到着して、数分後には折り返し発車… “嫌な感じ”は変わらず、バス停や信号待ちで止まった状態からバスを発進させる度にどんどんクラッチのつながる位置が低くなっていき、とうとう僅か2~3cmでつながるような状態に…

そして、ある交差点の赤信号で止まり、何とかギアを入れて… 信号が赤から青になった時だった… マニュアル車がオートマチック車になってしまったのである。

私はブレーキペダルを踏んでいる右足を上げただけなのに、バスがスゥ~ッと前進してしまったのである。クラッチペダルの左足は“床が抜けんばかりに”踏み込んでいたのに…

次のバス停で止まって乗降客扱いをして扉を閉めて… ギアを入れ… て… 入れ… 入… 「入った!」と思ったら、「ガクン!」とエンストしてしまった… そりゃそうだ。クラッチペダルを踏んでいても、つながった状態なんだから…

数年前… 私はまったく同じ状態に陥った経験がある。その時は幸いにも回送だったけれど、どうやってもギアが入らず… 結局、営業所から来たバスに牽引してもらったのである(私の記憶が正しければ…)。

だから私は今回も「お手上げだぁ~!」と思い、「申し訳ございません。バスの調子が悪いので、営業所へ電話させていただきます」と言ってから、携帯を持ってバスから降りた。

そして、電話に出たある上司が「とりあえずエンジンキーを回して、エンジンを掛け直してみて… それで駄目だったら、また電話ちょうだい」と言った。私は「バスを降りる前に一度やってみたけど…」と思いながらも、運転席に戻ってやってみたところ… なんとエンジンが掛かり、クラッチもギアも乗り始めた時の状態に戻ってしまったのである。

私は、乗客に上手く説明する言葉を見つけられず「大変お待たせして申し訳ございません。何とか動きそうなので、これより発車いたします」というようなことを言ってから発車した…

こんなにアッサリ直ってしまっては… 「どのように調子が悪かったのか!?」と疑問に思う乗客がいたかも… そして「この運転士、さっきエンストしたのが恥ずかしくて、こんな下手な芝居を打ったに違いない」なんて思っていたりして…

しかぁ~し、お客さん! 私はエンストなんて恥だと思いませんから! もっと恥ずかしい失敗を一杯やってますから!(おいおい、そんなことで威張るなよ!)