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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

見覚えのある女性

2012年07月13日 21時57分29秒 | バス運転士

午前10時頃、乗客十数名を乗せて走っていた。あるバス停で乗降客扱いを終え、そのまま約30秒の時間調整… その後、定時で発車したところ、50mほど先の信号が赤になり、私のバスは先頭で止まった。

すると、バスを降りて歩いてきたと思われる一人の女性が、バスの前の横断歩道を左から右へ渡って… と思ったら、なぜか急に立ち止まり、こちらを振り向いて手を振ったのである。私は何を考える訳でもなく、反射的にピョコッと頭を下げてしまった…

すると彼女はニッコリ笑顔で歩いて行ったのだが… 私はすぐにキョロキョロと車内を見回した。そう、私に向かって手を振ったとは限らないからである。しかし… 車内には、それらしい人は見当たらなかった。

「やっぱり私かぁ…」ということで、それから暫くは頭の中がグ~ルグルのグッとなり… 「あれは誰だ? 中学時代の同級生? それともテニススクール関係? う~む、身に覚えはないし… 顔に見覚えもな… ん? にゃ! ひょっとして…」と、しばらく考えていたら思い出した。

その顔立ちはアジア系外国人で、推定30代半ば… いつも乗る時にニコッと笑顔を見せて… 時には、降りる時にも車内ミラー越しに笑顔で… だから、ボケな私でさえ覚えていたのである。思い出すのに少し時間がかかったけれど…

終点の某駅に到着して、さっそく運転士仲間2人に聞いたのだが「記憶にない」と言われてしまった… が、その後にやって来た運転士は「あぁ、いますね。愛想のいいアジア系外国人女性が…」と言った。

その後、他の運転士や休憩室のお婆さんと話をしていて… 「この辺のお店で働いている人だったら、その内に名刺を渡されるよ」とか「最近は、結婚を匂わせてお金を騙し取る女もいるから気を付けてよ」とか…

まぁ、名刺だったら受け取るだけで済むけれど、お金を騙し取られるのは困るなぁ~ と言っても、そんな出せるほどのお金を持ってないし… こんな私に寄ってくるのは「人間はお金じゃないから!」と言ってくれるヤブ蚊のメスくらいか…