2021.12.01
花屋さんのシクラメン
きょうはポインセチアに押され少しでした
きょうのコロナ
12月1日 ですので
ほぼ週刊 『暦のこぼれ話』から
長文です 時間のある方は どうぞ~
□師も走りだす月、「師走」
気がつけば今年も12月、1年最後の月、師走になりました。
師走は、日本古来の月の呼び名、
和風月名(わふうげつめい)と呼ばれるものの一つで
十二月を表す言葉です。
和風月名の中にはもうあまり聞くこともなくなって、
聞いても一瞬何月を表す言葉かピンと来ないものも
増えてきました。
一月から順に言ってみてくださいといわれたら・・・
スラスラと出てくる方は少なくなったのでは?
そうした中で十二月を表す言葉「師走(しわす)」は
今でも根強く生き残っているものの代表格では
ないでしょうか。
◇師も走る月だから「師走」?
経をあげるために師僧が東西を馳(は)せ走る月
であることからシハセ(師馳)の義 ・・・ 奥義抄
というのが一般にいわれるところの師走の語源です。
ここでいう「師」は法師の師と言うことになりますね。
他には、普段はゆったりと構えている師匠たちも、
この月ばかりは忙しく立ち働くため師走だなどともいいます。
どちらも、いつもは忙しく走るようなことのない法師や
師匠と言った人たちものんびりしていられない
忙しい年の瀬と言うことで、この名が出来たとする説です。
大変わかりやすく、またお坊さんが走り回るという
普段では考えられない姿を想像するとなんだかおかしくて、
印象に残りやすい言葉ですね。
◇師走の語源
師走という言葉は日本書紀にも登場する古い言葉です。
日本書紀が書かれた時代と言えば、
仏教が伝来して間もない頃。当時の寺や僧侶は
国家の庇護と統制のもとにありましたから、
これを考えると年末になって僧が忙しく
走り回ると言うことはどうも無さそうな話です。
多分、元々あった言葉に後世「師走」と
借字されたものと考えられます。
ではその語源はというと、次のような説があります。
・四季の果てる月であることから、
シハツ(四極)の義 『日本釈名』
・トシハツル(歳極・年果・歳終)の義 『和訓栞』
・ナシハツルツキ(成終月)の略転 『柴門和語類集』
・農事が終わり、調貢の新穀をシネハツル月
であることから『兎園小説外集』
・稲の無い田の様をいうシヒアスの約。
等々
師走は既に書いたとおり古い言葉ですから
その語源は、時間の霧の向こうにあって見定めることは
難しいものですが、どれを見ても仕事や一年と言った
サイクルの終わりの月という意味で使われていたものだという
点では一致しているようです。
こうしたことから現在でも、
一年の終わりの月という意味で使われ続けて
いるものと思われます。
一年の終わりということですから、他ではとかく問題
となりがちな新暦と旧暦のずれは問題とならないようです。
◇和風月名
最後におまけとして、和風月名を並べてみます。
一月 睦月、 二月 如月、 三月 弥生、
四月 卯月 五月 皐月、 六月 水無月、
七月 文月、 八月 葉月 九月 長月、
十月 神無月、 十一月 霜月、 十二月 師走
思い出しましたか? 一応その読みも書いておきますね。
(むつき、きさらぎ、やよい、うづき、さつき、みなづき、
ふづき、はづき、ながつき、かんなづき、しもつき、しわす)
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
花屋さんのシクラメン
きょうはポインセチアに押され少しでした
きょうのコロナ
12月1日 ですので
ほぼ週刊 『暦のこぼれ話』から
長文です 時間のある方は どうぞ~
□師も走りだす月、「師走」
気がつけば今年も12月、1年最後の月、師走になりました。
師走は、日本古来の月の呼び名、
和風月名(わふうげつめい)と呼ばれるものの一つで
十二月を表す言葉です。
和風月名の中にはもうあまり聞くこともなくなって、
聞いても一瞬何月を表す言葉かピンと来ないものも
増えてきました。
一月から順に言ってみてくださいといわれたら・・・
スラスラと出てくる方は少なくなったのでは?
そうした中で十二月を表す言葉「師走(しわす)」は
今でも根強く生き残っているものの代表格では
ないでしょうか。
◇師も走る月だから「師走」?
経をあげるために師僧が東西を馳(は)せ走る月
であることからシハセ(師馳)の義 ・・・ 奥義抄
というのが一般にいわれるところの師走の語源です。
ここでいう「師」は法師の師と言うことになりますね。
他には、普段はゆったりと構えている師匠たちも、
この月ばかりは忙しく立ち働くため師走だなどともいいます。
どちらも、いつもは忙しく走るようなことのない法師や
師匠と言った人たちものんびりしていられない
忙しい年の瀬と言うことで、この名が出来たとする説です。
大変わかりやすく、またお坊さんが走り回るという
普段では考えられない姿を想像するとなんだかおかしくて、
印象に残りやすい言葉ですね。
◇師走の語源
師走という言葉は日本書紀にも登場する古い言葉です。
日本書紀が書かれた時代と言えば、
仏教が伝来して間もない頃。当時の寺や僧侶は
国家の庇護と統制のもとにありましたから、
これを考えると年末になって僧が忙しく
走り回ると言うことはどうも無さそうな話です。
多分、元々あった言葉に後世「師走」と
借字されたものと考えられます。
ではその語源はというと、次のような説があります。
・四季の果てる月であることから、
シハツ(四極)の義 『日本釈名』
・トシハツル(歳極・年果・歳終)の義 『和訓栞』
・ナシハツルツキ(成終月)の略転 『柴門和語類集』
・農事が終わり、調貢の新穀をシネハツル月
であることから『兎園小説外集』
・稲の無い田の様をいうシヒアスの約。
等々
師走は既に書いたとおり古い言葉ですから
その語源は、時間の霧の向こうにあって見定めることは
難しいものですが、どれを見ても仕事や一年と言った
サイクルの終わりの月という意味で使われていたものだという
点では一致しているようです。
こうしたことから現在でも、
一年の終わりの月という意味で使われ続けて
いるものと思われます。
一年の終わりということですから、他ではとかく問題
となりがちな新暦と旧暦のずれは問題とならないようです。
◇和風月名
最後におまけとして、和風月名を並べてみます。
一月 睦月、 二月 如月、 三月 弥生、
四月 卯月 五月 皐月、 六月 水無月、
七月 文月、 八月 葉月 九月 長月、
十月 神無月、 十一月 霜月、 十二月 師走
思い出しましたか? 一応その読みも書いておきますね。
(むつき、きさらぎ、やよい、うづき、さつき、みなづき、
ふづき、はづき、ながつき、かんなづき、しもつき、しわす)
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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