新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

イタリア半島のかかとを歩く・・・白い迷宮の町オストゥーニに到着①

2016-08-02 | 南イタリア・オストゥ...

 今回からは南イタリアの街を紹介しよう。数年前の夏、イタリア半島の長靴のかかとのあたりにある8つの町を歩いたが、そのうちブログにアップしたのはチステルニーノだけだった。(旧ブログ「イタリアの誘惑」に掲載)


 それで、残りの7つについても少し詳し目に取り上げたいと思っている。紹介予定の町は、この地図にある町のうち、オストゥーニ、マルティナフランカ、ロコロトンド、アルベロベッロ、マテーラ、ポリニャーノ・アマーレ、レッチェ。まずはオストゥーニから。


 オストゥーニへはチステルニーノからバスで向かった。バルで入手したチケットを持ってバスに乗り、運転手に「旧市街地近くで下してほしい」と依頼、イタリア広場の停留所で下してもらった。旧市街にはこの路線の停留所はなく、この広場が最寄りとのことだった。
 運転手は、広場から旧市街地への行き方も丁寧に教えてくれたが、とても早口でイタリア語初心者としては超難解! デストラ(右)、シニストラ(左)ソプラ(上)ジュー(下)などの方向を示す単語を頼りに歩いていたら、奇跡的に一発で旧市街のリベルタ広場に着くことが出来た。

 広場にはこの町の守護聖人であるサン・トロンツオの像が高い塔の上にそびえる。

 この像、右手でピースサインを作っているようで、ちょっとユーモラス。とても開放的な広場だ。

 まずは街散策。緩やかな上り坂を上ってゆくと若者たちや老人たちとすれ違う。

 小規模のポルティコ(アーケード)の影と、日向の明るさとがコントラストを作って、異次元の世界に誘い込まれそうになる。

 大聖堂は15世紀の建築で、正面の大きなバラ窓が印象的。扉が閉まっており、後程来ることにして街歩きへ。

 大聖堂真向かいにある司教館と図書館とを結ぶ陸橋がある。ちゃんと装飾がなされていた。

 その奥に、とんがり帽子のような大聖堂の尖塔が頭を出している。

 通りを歩いていると、どちらを向いても白く塗りこめられた壁が両側に建ち並ぶ。

 その白にアクセントを添えるのが、窓に飾られた花々。

 まるで純白の彫刻の森に迷い込んだ異邦人の心境になる。

 狭い道で建物が高く、しばしば空が見えなくなる。


 そんな所に突然現れるリズミカルな外階段の傾き。

 バットレス(建物を支える外側の支柱)の奇抜さにも、目を奪われる。
 街歩きは新鮮な驚きが一杯だ。

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