イタリア半島のかかとあたり、プーリア州の高台にある町チステルニーノは、人口1万人弱の小さな町だ。
この町の旧市街は壁に囲まれており、その内部はぎっしりと白い建物で埋め尽くされている。狭い道だらけでまさに白い迷宮の町になっている。
この町を特徴づけているのは、どの通りに入っても目立つ外階段。
日本では通常、家の階段は建物の中にあるのだが、この町は多くの階段が外にあり、その形状が変化に富んだ表情を町に造りだしている。
こんな風に小さな広場には各々の家の階段が一望に見渡せるところも。
子供たちがかくれんぼの場所として活用したり、
時には猫が悠然と階段途中で日向ぼっこをしていたりと、住民に合った形で階段が機能していることが実感できる。
それに、どの階段も白く統一されていて、町のトーンを明るく彩っている。
夕暮れ時になると、階段付近では近所のマンマたちによるよもやま話が展開されるのが、日常風景だ。
そして無人になった夜の町では、照明に照らされた階段が、まるで主役のようにその存在感を輝かせる。