新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

ジェノヴァのドゥオモで9年前の氷雨を思い出した

2017-08-08 | イタリア・ジェノヴァ

 翌朝、ミラノ中央駅からジェノヴァに向かった。ミラノ中央駅はすべてのホームの線路がここで終点となる終着駅となっていて、丸い大きなアーケードで覆われたホームが近代的。

 そこからユーロスターで約1時間半。ジェノヴァ・プリンチペ駅には昼前に到着した。こちらの駅も改修されたようで、構内にレストランもある新しい形になっていた。

 この日の予定は、最初に今晩乗船予定のフェリーターミナルでチェックインし、それから市内見物。夜は船内泊になる。

 駅からフェリー港へは地下鉄で1駅先のディネブロ駅に行き、そこから徒歩というコース。フェリーターミナルの大きな建物が割と早く見つかったので、迷わずに到着できた。ネットで確保していた予約券を提出してチケットと引き換えて一安心。夜の出発まで時間はたっぷりあるので市内散策に繰り出した。

 地下鉄は1日券を買っておいたので乗り放題。最初に旧市街中心地のフェラーリ駅まで急行することにした。
 だが、車内で地図を見ていて途中にサンジョルジョ駅というのがあることに気づいた。多分壁面装飾の美しいサンジョルジョ宮殿がそこにあるに違いない、と思い途中下車。

 予想通り、地下鉄駅ホームを出ると正面に美しい外壁を誇る宮殿がそびえていた。さて、次は地下鉄に乗りなおすか。でも街頭掲示板の地図を見ると中心部はここからも近そう。


 歩き出すと、賑やかな通りの奥に高い塔が見えた。あれはサン・ロレンツォ教会かな?

 この教会は9年前の12月に訪れたことがあった。だが、着いた時にはもう夜。しかも冷たい小雨が降っていた。


 心細い思いをしながら暗い夜景を撮影したことがあった。

 氷雨に濡れた教会前広場の石畳が、鈍く光を反射させていたことを,妙に印象深く覚えている。

 打って変わって今日は明るい午後。晴れ晴れとした気持ちで教会の前に立った。黒と白の大理石を使った正面は、一見イスラム風な外見を持つゴシック様式だ。13世紀の3つの扉口が開いている。

 入り口のライオンは、あふれるほどに見かけたヴェネツィアのどのライオンよりも貫禄十分。


 内部も想像以上に豪華なことに驚いた。

 ヴェネツィアなどと地中海交易の覇権を争った都市のドゥオモならではの重厚さを備えている。

 修復中だったが、足場の鉄骨はそれほど邪魔にならないように組んであった。


 白と黒の大理石の組み合わせは独特だ。

 バラ窓。聖母子が光に包まれているようで、まぶしく見える。

 こちらのステンドグラスは聖母被昇天。

 祈りの祭壇。この教会には洗礼者ヨハネの棺があるとのことだが、この祭壇がそうなのかも。

 こちらのフレスコ画は「最後の晩餐」だろう。きれいに保存されていた。


 1118年に造られた歴史的な教会が大切に維持され続けている。
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