リュウ庵

尼崎市住む猫大好き人間。
駄文を書くのも好きです。

ちょっと臭いお話

2020-02-23 13:43:07 | 日記

もう10年以上も前に書いた文章が、ひょんなことから出てきた。

懐かしかったので再録します。

ちょっと「くさい」話で、恐縮ですが・・・

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先日、と言ってもかなり前だけど、友人の日記にトイレのことがあった

ので、そのコメントで便所のことを「せんち」とも言うと書いたことが

あります。

私が生まれた紀州の北部地方では、今でもこの言葉が生きています。
まだ現存している私の実家では、田舎の農家ですから玄関を出て歩いて

10メートルほどの別棟に「せんち」があります。
子供の頃は怖い思いをして暗い庭を横切って行ったものですが、用を済

ませて母屋に戻る途中に見上げた満天の星空が、きれいだったなあ。

別のことで「出雲言葉」をネット検索したら、せんち=大便所とありま

した。
紀州だけでなく、遠く出雲地方でも使われていたんですねえ。

それはさておき「せんち」は「雪隠(せっちん)」が訛ったもの、と言

うのが一般的ですが、逆に「雪隠」は「せんち」が訛ったものという説

もあるようです。

その「雪隠」はどこから・・・
こんなことを詮索しだすと切りがありませんが、「雪隠」は中国から来た

らしい。
昔、 雪竇禅師(せっちょうぜんし)という中国浙江省のお坊さんが、雪竇

山霊隠寺で便所の掃除をつかさどったという故事からきたというのが、有力

な説となっています。
紀州の山奥の田舎言葉とばかりと思っていた「せんち」のルーツは、意外に

も中国にあるのかも。

今では雪隠とか厠(かわや)は死語になっており、便所という言葉もあまり

大きな声で話されなくなったようで、「お手洗い」とか「化粧室」と表記さ

れているのがほとんどですね。
「W.C」とか「トイレ」というのもありますが。

ところで登山などの途中に我慢できなくなって岩陰などで用を足す時、男の

場合は「キジ(雉)を撃ちに行く」、女性の場合は「お花摘みに・・・」とい

う隠語を使うと、山好きの友人から教わりました。
適切(男性の場合)かつ優雅(女性の場合)な「日本語」ですねえ。

「お手洗い」もそうですが、こんな日本語独特の言い換えは、外国にもあるの

しょうか。

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この文章を書いてから数年後、ケニアのサファリツアーに行った時の経験。

野生の動物たちが闊歩する広大なサバンナでは、トイレのような「近代施設」

ありません。

で、どうしたかといいますと、ランチの後などの用足しはもちろん草原

ですることになりますが、サファリカーを一列に並べ壁(もちろん男女別に)を作

りその陰で交代しながら用を足したものです。

旅ならではの楽しい?「異体験」ですねえ。

 

 <トイレの壁代わりになったサファリカー>

 サバンナを疾走するサファリカー