ラテン語の教えに「メメント・モリ(Memento mori:死を想え)」とある。己の死を知識ではなく実感し、想うことによって己の生がより充実するわけである。市場の組関係の皆様まさに全員否応なくこの様な心理状態。これまで各組織の「シマ」が重なり合い渾然一体化していて居心地が良かったのが、抗争以降、誰が味方で敵か解らず、中立かと思われていた山ノ口酒場や瓶首酒場が暁組系であった事実が判明したりして混乱の度合いがますますUP。それでヤクザの皆様皆ビビって潜伏したかと言うとそうではなく、もともと南国能天気な気質、危ないと知りつつ相変わらず市場内で飲み歩く。隙だらけである。
長謙組長の指令で子分はち&くのいちおるみがなにやら画策。市場内のお好み焼き「おとん」に古弦組長&美瀬会長を誘い出し暗殺する計画。実にシンプルであり、簡単すぎて笑えるが意外と成功する鍵であったりして。おるみは一般ピープル扱いなのでターゲットのふたり何の疑いもなく誘いに乗る。「市場きっての任侠者のおふたりに、浜本組のはちから、どうかここいらで手打ちしてやって下さい。なんて、頼まれまして、ついてはあたしがが仲立ちとなり、無事手打ちとなった暁にはお礼にウフフなあれやこれやをご用意して御もてなしと思ってますの」「今晩、おとんでお待ちしています」「後、都合もありますのでお二人だけでねっ」
早速きました二人組。おるみと仕込みの若いね~ちゃん4人の接待を受けでへへ。隙を見て隠れて様子を覗っていたはち、そ~っと後ろから忍び寄り隠し持っていた8寸フライパンで(以下省略)ついでに目撃者のおとん池田も闇に葬る。
熊のプーさんを人間にしたような外見の「しみず」は市場内をあちらこちら飲みまわり、暇にあかせては市場内の業者あれこれとお友達になり、その穏やかな人柄から、何処の店も立ち入り自由の気ままな旅人。は、表向き。実は東京の福村組の先遣隊で市場のシマを虎視眈々と狙っているのだが、今回の騒動一獲千金の大チャンス。ここぞとばかりに行動開始。
東大はしみずのホームグランド。抗争でお疲れでしょうと長謙組長を誘い、(東大は中立で安全)ついでに「もりと&ちえ」には長謙組長が東大にいるとの匿名情報を流し、鉢合わせにし、どちらかが生き残った方を消せば合理的ですねとほくそ笑む。2対1のおでんだし汁カケ勝負&ビール瓶チャンバラの結果、生き残ったもりとを焼きてびち用のフライパンで始末して今日のお仕事終了。てびち&泡盛にて打ち上げ。
続く?