
●「人喰いサラセニアン」昭和46年4月24日放映 サラセニアン(サラセニア人間)登場
制作第3話 放映第4話 脚本:市川森一、 島田真之 監督:折田至
このエピソードこそ、私が初めて見た『仮面ライダー』でした。硬質なマスクで激しいアクションを展開するダークなヒーロー。ジャンプの度になびく真紅のマフラー。激しく炎を吹き上げて爆走するサイクロン号。そのスピード感とカッコよさに一発でシビレタものでした(^o^)
冒頭、懐かしの遊園地「向ヶ丘遊園」(平成14年3月31日閉園)で事件が起こります。このエピソードでの城南大学は「長沢浄水場」で撮影されたり、生田スタジオ近辺でのロケに集中しています。
お姉さんを誘拐された弟役に、後に『キカイダー01』でアキラ役を演じられた五島義秀さんが出演されています。
ケンちゃんの手を握ると、力のセーブができずにケンちゃんの手を傷めてしまう本郷。自分が改造人間であることを思い知らされるシーンですが、こういった描写はこの後には登場しなくなります。本郷が改造人間であることの悲哀は、その後の番組の展開上、あまり必要ないと判断されたのでしょうか。そしてむしろ、改造人間としての超能力のカッコよさを前面に押し出して、ヒーローとしての活躍を描くようになります。
ショッカーの地下アジトに連れ込まれたお姉さんは、そこで繰り広げられる人体実験を目の当たりにし、人間の言葉を一切発しないサラセニアンの異形の姿を目にしたり、悪夢のような体験をします。セットや小道具にチープな匂いが漂っているのは否めませんが、そこに描きたい世界の「恐怖」は充分過ぎるほど伝わります。これこそが当初の『仮面ライダー』の目指した世界観でしょう。
そして、ライダーも「トオッ!」という掛け声は発しますが、一切会話はしません。
これらの描写は、番組の企画に参画していた市川森一氏の脚本(島田真之氏との共同名義)だからこそでしょう。このエピソードには企画段階で目指した『仮面ライダー』という作品の本質が盛り込まれていると考えられます。
お姉さん役の篠雪子さんはなかなか迫真の演技です。人体実験が目前に迫る恐怖を力演されています。声がカワイイ!
制作第3話の今エピソードは、第2話に続いて夜の戦闘シーンです。人知れずショッカーと闘う仮面ライダーの象徴ともいうべき描写です。第2話よりは照明効果が良く、見やすくなっています。この時のライダーのスーツアクターは岡田勝氏でした。
そして「ライダーキック」の呼称が初登場します。
今回の本郷は、子どもに合わせた話し方が印象的です。全話を通して見ても、これほど子ども目線の話し方は珍しいでしょう。そのため、本郷の優しさが前面に出ています。‥‥が、その一方で藤岡弘さんの固さが目立ってしまいます^^; まだ駆け出しの新人ですから‥‥。
戦闘員たちの奇声は、サラセニアンと同じ「エ、エ、エ、エ」というものです。
●サラセニアン(サラセニア人間)(中村文弥 声:梶哲也)

本文中でも触れましたが、劇中では「エ、エ、エ、エ」という不気味な声を上げるだけで一切言葉を発しません。植物の改造人間であるための演出・設定なのでしょうか。
声もスーツアクターも大野剣友会の中村文弥氏です。目だけがギロリと睨む演技は、初期ショッカーの怪人デザインによるマスクの賜物です。また中村氏は終始細かく震えているような演技をしていて、改造による副作用のような印象が感じられました。細かいところまで演出されていると感心します。
中村氏は後に仮面ライダー2号のスーツアクターを務めます。
劇中では首領から「サラセニア人間」と呼ばれています。
蔦をイメージしたムチを振るってライダーと闘いますが、ライダーにムチ?を摑まれて空中高く投げ上げられる描写があります。ライダーはバッタの改造人間なのでジャンプの特殊能力がありますが、サラセニアンは植物怪人なので当然ジャンプの能力はありません。後の怪人たちが一様にジャンプ→空中回転を上手にするのに違和感を覚えていましたが、初期はきちんと「バッタ以外の怪人」はジャンプしませんでした。(蜘蛛男は糸(というかロープ)を使って壁を登ります。蝙蝠男には当然飛行能力があるのでしょうから、ジャンプするのは「あり」です。)
ショッカーの人材を確保するための誘拐を主な使命としていたので、戦闘能力はあまり高くないのでしょう。
「ライダーキック」で倒されました。
制作第3話 放映第4話 脚本:市川森一、 島田真之 監督:折田至
このエピソードこそ、私が初めて見た『仮面ライダー』でした。硬質なマスクで激しいアクションを展開するダークなヒーロー。ジャンプの度になびく真紅のマフラー。激しく炎を吹き上げて爆走するサイクロン号。そのスピード感とカッコよさに一発でシビレタものでした(^o^)
冒頭、懐かしの遊園地「向ヶ丘遊園」(平成14年3月31日閉園)で事件が起こります。このエピソードでの城南大学は「長沢浄水場」で撮影されたり、生田スタジオ近辺でのロケに集中しています。
お姉さんを誘拐された弟役に、後に『キカイダー01』でアキラ役を演じられた五島義秀さんが出演されています。
ケンちゃんの手を握ると、力のセーブができずにケンちゃんの手を傷めてしまう本郷。自分が改造人間であることを思い知らされるシーンですが、こういった描写はこの後には登場しなくなります。本郷が改造人間であることの悲哀は、その後の番組の展開上、あまり必要ないと判断されたのでしょうか。そしてむしろ、改造人間としての超能力のカッコよさを前面に押し出して、ヒーローとしての活躍を描くようになります。
ショッカーの地下アジトに連れ込まれたお姉さんは、そこで繰り広げられる人体実験を目の当たりにし、人間の言葉を一切発しないサラセニアンの異形の姿を目にしたり、悪夢のような体験をします。セットや小道具にチープな匂いが漂っているのは否めませんが、そこに描きたい世界の「恐怖」は充分過ぎるほど伝わります。これこそが当初の『仮面ライダー』の目指した世界観でしょう。
そして、ライダーも「トオッ!」という掛け声は発しますが、一切会話はしません。
これらの描写は、番組の企画に参画していた市川森一氏の脚本(島田真之氏との共同名義)だからこそでしょう。このエピソードには企画段階で目指した『仮面ライダー』という作品の本質が盛り込まれていると考えられます。
お姉さん役の篠雪子さんはなかなか迫真の演技です。人体実験が目前に迫る恐怖を力演されています。声がカワイイ!
制作第3話の今エピソードは、第2話に続いて夜の戦闘シーンです。人知れずショッカーと闘う仮面ライダーの象徴ともいうべき描写です。第2話よりは照明効果が良く、見やすくなっています。この時のライダーのスーツアクターは岡田勝氏でした。
そして「ライダーキック」の呼称が初登場します。
今回の本郷は、子どもに合わせた話し方が印象的です。全話を通して見ても、これほど子ども目線の話し方は珍しいでしょう。そのため、本郷の優しさが前面に出ています。‥‥が、その一方で藤岡弘さんの固さが目立ってしまいます^^; まだ駆け出しの新人ですから‥‥。
戦闘員たちの奇声は、サラセニアンと同じ「エ、エ、エ、エ」というものです。
●サラセニアン(サラセニア人間)(中村文弥 声:梶哲也)

本文中でも触れましたが、劇中では「エ、エ、エ、エ」という不気味な声を上げるだけで一切言葉を発しません。植物の改造人間であるための演出・設定なのでしょうか。
声もスーツアクターも大野剣友会の中村文弥氏です。目だけがギロリと睨む演技は、初期ショッカーの怪人デザインによるマスクの賜物です。また中村氏は終始細かく震えているような演技をしていて、改造による副作用のような印象が感じられました。細かいところまで演出されていると感心します。
中村氏は後に仮面ライダー2号のスーツアクターを務めます。
劇中では首領から「サラセニア人間」と呼ばれています。
蔦をイメージしたムチを振るってライダーと闘いますが、ライダーにムチ?を摑まれて空中高く投げ上げられる描写があります。ライダーはバッタの改造人間なのでジャンプの特殊能力がありますが、サラセニアンは植物怪人なので当然ジャンプの能力はありません。後の怪人たちが一様にジャンプ→空中回転を上手にするのに違和感を覚えていましたが、初期はきちんと「バッタ以外の怪人」はジャンプしませんでした。(蜘蛛男は糸(というかロープ)を使って壁を登ります。蝙蝠男には当然飛行能力があるのでしょうから、ジャンプするのは「あり」です。)
ショッカーの人材を確保するための誘拐を主な使命としていたので、戦闘能力はあまり高くないのでしょう。
「ライダーキック」で倒されました。
第4話は、「仮面ライダーとショッカーとの暗く苦しい戦い」や「改造人間の哀しみ」といったものが色濃く描かれた作品ですね。
第2話のレビューも拝見しましたが、私と同じ事柄にについて言及されているところが意外に多くて、正直驚いています(見て書いたわけじゃないですよ)。気が合うかもしれませんね。
もちろん、管理人様のほうが正当派で、素晴しいレビューなので感心しています。
私の方もちょうど第1作のレビューを始めたところです。多分ペースは私の方が早いと思いますが、こちらも楽しみにしていますね。
あさみやさんのブログを拝見しました。いやぁ、ツッコミのツボが面白かったです(笑)。作品に対する「愛」を感じましたヨ。
私の方は制作順に書き進めております。その方が設定やデザインの変更、制作体制、出演者などがより鮮明に見えてくると思ったからです。
私は筆が遅いので、なかなか新しいレビューが書けず‥‥。このブログ自体の更新も、今週はサボり気味‥‥。ボチボチと進めてまいりますので、どうぞ気長にお付き合いくださいませ。
サラセニアンの検索で伺いました。
全く異質の着物関連のブログをやっているの者なのですが、このサラセニアンのフィギュアを見かけまして、7月15日付でその説明にこちらのページをリンクさせていただきました。
事後承諾のお願いで申し訳ございませんが、ご了承いただければと思います。
もし支障がおありでしたらお知らせくださればすぐにリンクを外します。
どうぞよろしくお願いいたします。
‥‥でも、貴ブログの画像にあるのは、ずっとずっと高価なフィギュアです。ポーズも似ていますが、そちらは30cmくらいのものですよネ? 日本で買っても1万円以上の価格です。
一方、拙ブログで扱っているのは通称「ガチャガチャ」、正式には「ガシャポン」という名のカプセル・トイです。大きさは10cmに満たないものなのですが‥‥(苦笑)。それでもよろしいのでしょうか?
着物好きな方の中にも「仮面ライダー好き!」な方もいらっしゃったりするんです~。
それであれを取り上げたのですが、そんなに高価な物なんですか!
フィギュア自体よりも、サラセニアンの回のお話しに興味がありましたので。
宜しいどころか、こういうブログを作ってくださっていて感激でした。
「サラセニアンは不気味な声を上げるだけで言葉を一切発しない」と言うエピソードは、漫画の「仮面ライダーをつくった男たち」でも触れていましたが、中村文弥さんはどんな思いでサラセニアンの着ぐるみを着たのか・・・?と言う印象を覚えました。
脚本を書かれた市川森一さんは先ごろ亡くなられたそうですが、ウルトラシリーズの脚本を書いていた印象の強い市川さんが「仮面ライダー」に一本だけ脚本を書いていたことを感じました。
上原正三さんが東映作品に多く関わっていたり、脚本家の方々は制作会社にこだわらずにプロのお仕事をされるものですネ。