[WWF]へーげる奥田の空談言説

サークル「WWF」主宰・へーげる奥田が適当に告知したり興味の対象について論じたりするウェブログである。

政治的主張のはいったアニメ作品

2006-10-16 00:29:09 | Weblog
なんでもアニメ番組のプロデューサーで竹田菁滋というひとがいて、やたら政治的な主張が目立つということですな。具体的には、反アメリカ的な「メッセージ」をことあるごとに作品中に挿入するそうで、本人は親北朝鮮とか言ってるみたいです。そういえば『BLOOD+』というアニメの番宣で、ベトナム戦争について訴えていきたいとか言ってたプロデューサーがいたけどこのひとでしたっけねえ。

アメリカの歴史的な軍事的所行は見ていて非常にムカつくことは確かですが、どうもアニメ番組に「メッセージ」として政治的意見を挿入するというのは同調できません。まあ、作品というものは多くの場合制作者側の意見がなんらかの形で反映するものではありますが、政治的テーマや宗教的テーマなどというものは正解というものがないジャンルであり、個々のスタンスによってとらえ方が異なるものです。ブログなんかでも炎上しやすいカテゴリーと言えるでしょう。そういう主張をやたらと挿入した作品は、「それが売り」というものならともかく、どうも生臭くて観る気が起こりません。特に多くの場合、アニメ作品は「多世界意味論」的作品、つまりはわれわれがいま生きている世界とは別世界というような前提の世界観を前提としたものであり、そういう作品中に「状況意味論」的な主張を入れることには違和感が多くあります。まあ、『BLOOD+』は単純にキャラクターに魅力がなくてストーリーが面白くなかったので観なくなっちゃいましたけど。

そういえば、思想的にはコテコテの左である押井守監督の場合、「政治的」なメッセージという観点では意外なほど穏健ですねえ。「哲学的」なメッセージはよく観られますが、「哲学」というジャンルは他のカテゴリーと違い、そもそもが「自分の頭で考える」ための思考技術の体系なので、特定人物の思想的立場の押しつけになりがちな政治的メッセージほど鼻につかないのかもしれません。……いや、観るひとによっては鼻についているのかな?

写真は先日の温泉のときの伊勢エビ。エビは刺身より火が入ったものが好きなんですが、伊勢エビの刺身はなんかこう勝者の食い物的なイメージがあっていいですな。