忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

2009.1.23

2009年01月23日 | 過去記事
イージス艦「あたご」“と”はえ縄漁船「清徳丸」の衝突事故。“と”としたのは、どの報道を見ても「あたごが清徳丸“に”衝突した」と書いてあるからだが、これの海難審判が下された。もちろん、「悪いのはイージス艦」だということだ。▼朝日の社説を始め、いろいろ書いてあるが、要するに「あたごは回避すべきだった。確認していながら事故を避けられなかった。今後は改善して繰り返さぬようすること」と言われたわけだ。▼つまり、事故原因は「海上自衛隊の不注意に尽きる」ということになったのだ。すると、普通はここに「なぜ?」が発生する。それは朝日からすれば「驚くべき不注意」であり「軽率な判断」であり「基本動作がおろそか」だったというわけだ。すなわち、「海上自衛隊員の怠慢、組織の風土、姿勢、意識が問題」だという、非常に不明確なものだ。国民の生命と財産を守るはずの自衛隊とは、そんな杜撰な組織に過ぎないと、いわば、事故原因は海上自衛隊であると言いたいのだろう。およそ、その他の左派の方々の言い分はここに集約される。▼「操舵室」というものを調べてみた。「清徳丸」に装備されていたかどうかは不明だが、はえ縄漁を行っていたというから、まあ、最低限の装備を予想してみる。先ず「スキャニングソナー」がある。そして魚影をとらえる「探知機」もあろう。あとは「ジャイロコンパス」に「超音波潮流計」だ。障害物を探知する「レーダー」もあっただろう。そして、なんといっても「GPS航法装置」だ。つまり、「操舵室」が発見されれば、「海上自衛隊の杜撰」などというソフト的な原因だけでなく、もっと明確で合理的な事故原因が解明されたはずだ。▼しかし、なぜだか二人の遺体と「操舵室」が発見されない。小さいものではない。不思議なことに「他の小さな部品」などは発見されているが、「操舵室」だけがすっぽりと無いのだ。▼ともあれ、悲惨な事故だった。今後、もう、絶対に繰り返さぬためにも、詳しい情報が公開されることを望みたい。ところで事故直後、「最も近くにいた」漁船は何か知らないだろうか。聞いてみたい。

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