忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

【速報】岸田総理「移民政策をとる考えはない」入管法改正めぐり見解

2024年05月28日 | 随感随筆



いまは見かけなくなったが、私が子供の頃には薬局の隣などにコンドームの自動販売機があった。そこには「明るい家族計画」の文言と共に、幸せそうな家族のイラストもあった。友人の家に遊びに行き、好き放題遊んで家中を物色していたら、寝室には大きな箱や缶に収納された大量のコンドームがあったりした。元気な日本、まだまだお盛んだったのだろう。

学校の教師だけではなく、テレビに出てくる偉い学者さんも「人口爆発」を煽っていた。このままでは石油も食料も水も足らなくなる、と第二次ベビーブームで生まれた我々世代を怖がらせていた。事実、私が通った中学高校も40人ほどの生徒が15組までとかあった。

左に蜷局を巻いた日教組の教師も「おまえらが大人になる頃、日本は人口が爆発的増えて、仕事も奪い合い、家賃も高騰して悲惨なことになるだろう」とか、たぶん、チョッパリが苦しむのが楽しいのだろう、とても嬉しそうだったが、歴史教育と同じく、結果的に嘘ばっかりだった。人口は減少しているし、北朝鮮は楽園じゃなかったし、従軍慰安婦もいなかった。

教育テレビなんかでも「水面に広がる水草」を映像で見せて子供を怖がらせていた。水草はひとつが3ヵ月過ぎると400万になる。人口もこれと同じだと。

しかし困った。それでなくとも我が実家は4畳半と6畳の二間にオカンと妹がいた。自室どころか風呂もない。これで私が結婚でもして他に家がなければ4人暮らしになる。子供ができたらどうなるのか、ましてや妹まで結婚して家から出ないとなれば、このクソ狭い二間の文化住宅に10人ほどが住むことになるのか、それでもたぶん、ツレとか気にせず飲みに来るだろうから、もう、半分くらいは家の外で寝ているかもしれない、と恐怖した。

学校のポスターで見たことありそうな「貧しい国の子供」のイメージだ。仕事もなく、その日食べるものもなくなればそうなるのだろう。ガリガリに痩せてみすぼらしくなった私は子供二人くらい背負って駅前に座り、裕福な外人からチョコレートでも恵んでもらう日がくるのか、でも正直、チョコは嫌いだしな、と案じていたが、幸い53歳になった現在もお腹いっぱいだ。一向に痩せない。痩せる気配もないから医者や嫁はんから叱られている。

そしていま、少子高齢化に人口減少で国家的危機らしい。

国立社会保障・人口問題研究所によると2060年には8674万人まで減り、2110年には4286万人になるという。2060年は34年後か。私が生きていれば87歳。87歳といえば加山雄三に北島三郎、里見浩太朗・・・もしかすると、まだ生きている可能性があるわけだが、そんな近未来の日本、現状からすれば見たいような見たくないような、微妙ではある。

ところで、第一次ベビーブームは1947年だった。戦争が終わってひと段落。男どもの生き残りが帰国して1949年の出生率は4.32。出生数も270万人ほど。私のオカンも6人兄弟だったとか、当時は珍しくもなかったが、ちなみに2023年は75万8631人。過去最低らしいが、代わりに死亡者数は159万503人と1945年を除くと過去最高だ。その前の数年、日本は戦争中だったが、それでも160万人近くも死んでいないわけだが、敗戦の年に200万人を超えているのも今更だが忘れないようにしたい。

F・ルーズベルトがせっかく「日本人を4つの島に閉じ込めて滅ぼせ」と言い残し、1945年には空襲や原爆で何十万人も死亡者数を伸ばしたのに、戦争が終わったらまた日本人は増え始めた。貧困どころか食糧難の時代だ。それでも増える傾向にある日本人にGHQは産児抑制を誘導する。中絶の合法化に避妊知識の普及を急いだ。

日本人が増えてしまえば、また、国力を回復させる。人口の増加は共産化の懸念もある、ということで、GHQの飼い犬でもあるマスコミも頑張った。

「とにかく人口が多すぎる。なんとかしなければ、どうにもならぬと、だれもが考えている」(毎日新聞・1949・2・11)
「文化的に内容のある生活をするためにも産児制限は有効な手段といわなければならない」(読売新聞・1949・1・1)

右も左もヘチマもなく、みんなGHQが怖かった。朝日新聞はさすが、1949年には1500人を対象者にアンケートを実施して「日本の人口は多すぎるが80%・現状で良いは8%でした」とか世論誘導に余念がなかった。

そして朝鮮戦争に高度成長期。人手が足らない、ということもあって第二次ベビーブームで私も生まれたわけだが、本当なら1990年後半から2000年を少し過ぎる頃までが「第三次ベビーブーム」のはずだった。しかし、現実には減少の一途を辿っている。1973年の厚労省の諮問機関であった人口問題審議会は出生抑制すべき、と結論を出し、厚労省と外務省で作った日本人口会議でも「こどもはふたりまで」と大会宣言を出した。

政治も社会もメディアも「日本人は子供を産むな」と推し進めて、いま、少子高齢化で国が亡びると脅している。実にいい加減だが、国会では「少子化担当大臣」というのもできた。政治家のおばさんが女王アリみたいに「働く日本人」を次々に生むのかと思ったら、およそ、誰でも出来る簡単なお仕事みたいになっている。つまり、本当は深刻な問題とか思っていない。

いま、国会で虐められている加藤紘一の娘は早く逃げたほうがいいが、気になるのは「少子化担当大臣」という内閣府特命担当大臣は「女性活躍」やら「男女共同参画」との兼任であることだ。

これはブレーキとアクセルに似る。左に巻いた阿呆以外で少子化の原因を不景気やら格差やらだと本気で思っている人はいるのだろうか。あっさり言うと理由は大きく二つだが、このどちらも当選しか興味ない安モンの政治家による愚策と反日しか能がないサヨクマスコミの扇動によるものが大きい。つまり、1989年の「男女雇用機会均等法」などによる「女性の社会進出」のブームだ。

いままで男は外で仕事。女は家を守って子育て、という文化的概念を壊したなら「子供なんか生んでいられない」は当然の帰結である。戦後に出てきた意味不明な「専業主婦」という呼び名も定着してしばらく経つ。そもそも日本は江戸時代より前から共働きが主流である。いわゆる「専業主婦」的な暮らしをしていたのは武家や公家に嫁いだ女性、人口比で3割もいない。日本人は男も女も働いていたのである。そもそも天照大神は「機織り部屋」を持っている。日本は「神様でも働いている」国なのである。

よく考えるまでもなく、女性が男性と同じく、もしくは「働かねばならない」という環境が良いはずもない。1944年の「女子勤労令」で「これで女性も働ける」と喜んだ女性がいたとは思えない。ナチス・ドイツが政権を取ったとき、ヒトラーは「母よ、家庭に帰れ」をスローガンにして「結婚奨励法」を制定している。

ちなみに朝日新聞も「ヒトラー総統はすでにやっていたのに、われわれ日本人がはじめるのが遅すぎたくらい」(朝日新聞1938・11・16) と賛同しているが、結婚資金は無利子貸し付け、子供を何人か生んだら返済を免除する、というナチスの政策は、いまの日本の少子化対策、子育て支援の安易なバラマキとも類似するが、戦後日本も1962年、池田勇人内閣が「人づくり政策」の中「社会、学校、家庭を健全化することで人間性の回復を目指す」として「母親は家庭に帰れ」をスローガンにしている。これに「女性差別ダー」も「女性の権利ガ―」も出なかった。

要するに、本気で少子化をなんとかするならポリコレ政治を止めねばならない、日本人が機嫌良く暮らせる社会を取り戻さねばならない。日本の女性を舐めてはいけない。元来働き者であり、ちゃんと無駄遣いもするし、逞しく生きていけるのである。別に社会的弱者でもなんでもない。というか、そこらの安モンの男より強いのである。世の男性どもはオノレのオカンを思い出せ。

日本の女性は例えば、旅行会社の調査によると「旅行先で3時間以上、買い物する女性は30%以上」という結果もある。世の男どもはオノレの嫁はんを思い出せ。ちゃらちゃらした靴やカバン、ちらちらした貴金属を買うだけで何時間付き合わされるのか。ちょっとした余裕があれば、日本の女性は時間も金も賢く使う。問題はそれすら感じないからじっとしているのである。

阿呆な政治屋は目先のことしかわからない。もしくは「勇気がない」から真面をやれない。批判が怖い。落選が怖い。日本のためなどに人生をかけることはできない。だから安易に「人手が足らないなら外国人の方に」みたいな安モンを威張って言う。

稀代のクズメガネは日本人に対し「日本では外国人差別がある。放火されたりする」と嘘を吐いてまで日本国民を𠮟りつけ「世界には9割が外国人という国もある」と諭してから「外国人が暮らしやすい社会をつくれ」と命じる。実の弟の会社を受け入れ先とするインドネシア人が80万人以上入り込んでウハウハだ。しれっと盆暗息子も秘書で復帰させているが、多くの日本人は「外国人が暮らしやすいも結構だが、その前に日本人が暮らしやすい社会を目指せよ。お前は日本の総理でここは日本だし」と極めて普通のことを言わねばならない。

しかしながら、言っても「聞く力」がないのか、国民の声が届かないから推薦でも公認でも「自民」となれば誰も当選できなくなってきた。最近、3万人もの自民党員が党員を辞めて「さっさと潰れろ」という意思表示をすると、このメガネは党の金子組織運動本部長と面談して「党員の獲得に向けて、信頼回復をしながら頑張ってほしい」と言ったという。

国民負担が増えてるのに「増税じゃない」。「国の宝」と称した怪しげな労働者や留学生をどんどん入れて「移民政策じゃない」。外国人犯罪で日本人が殺されて犯されても「共生社会の実現」。辞めろと言われても「頑張ります」。

このメガネの所為で今度は3年で政権を取り戻せないと思うが、今年の夏の終わり頃には「選挙なんて行ったことない」という人ですら絶望するかもしれない。深い惰眠が覚めるときのショックは小さくない。





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