忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

「つばさの党」家宅捜索国会では公選法改正が新たな焦点に?拙速な法改正に慎重論も

2024年05月14日 | 随感随筆



2年ほど前、学生向けの就活情報サイトが「底辺の仕事ランキング」とか、阿呆丸出しの特集記事を書いて炎上していた。私も仕事柄、大学生と話す機会も多く、就職活動などの相談を受けることも少なくないが、その際に答えるのは「何処でやるか、よりも何をやるかが大事」とか「石の上にも3年は足らない。最低5年。本質を知るなら10年」とか、相談者からすれば参考にならない、と思われることもしばしばだが、それでも「あなたの就職力は?」とか「面接回答集」とか「適職診断」みたいな阿呆丸出しよりはマシだ。それに実のところ、とても役に立つアドバイスだと自負している。要するにそういうことだからだ。

さて、この「底辺の仕事」に私がやっている仕事、過去やっていた仕事などが入っているのかどうか気になることも否めない。我ながら阿呆丸出しの顔で調べてみると、なんと、ふたつも当てはまったから心配になったが、いまでもどうにか、雨風凌げる家もあるし、お腹いっぱい食べるものもあるし、病気になったら病院も行けるし、可愛らしい犬もいるし(シーズ)、相変わらずラブラブな奥さんもいるし、お陰様で子や孫も元気だ、と思い出して安心した。つまり、どうにかなんとかなっている。

中身も少し読んでみるも、およそ金もらって書くレベルではない浅薄な認識からなる稚拙な文章が並んでいた。ランキングに「当サイトのライター」が入ってないところをみると自覚もないらしいが、その中に「マスコミ」とか「コメンテーター」などはなかった。

不思議に思って「条件」を読むと、いわゆる「底辺」とされる仕事とは肉体労働である、同じことの繰り返しである、総じて年収が低い、結婚のときに苦労する、誰でも出来る仕事である、などと書かれている。なるほど、マスコミの仕事はこれらすべてをクリアしていると判断されているわけだ。そもそも仕事に対して「底辺」という言葉を選ぶナンセンスはともかく、マスコミコメンテーターなどは皆が羨む、なりたくてもなれない憧れの職業であると思っている可能性がある。まあ、思うのは勝手だし、日本にはそういう自由もあるから好きにすればよろしいのだが、例えば玉川徹という御仁がいる。日本の朝、テレビをつけるとなんか喋っていたりするアレだ。

この御仁は2017年の都議選、当時の安倍総理が秋葉原で演説した際、猛烈な「かえれ」「あべやめろ」コールに対し、安倍さんが「コンナヒトタチに負けるわけにはいかない」と言ったら口を尖らせて「ヤジくらい受ければいいじゃないですか。安倍さんがヤジに弱いんだと思いますよ。だから「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と言っちゃった訳ですよね。選挙演説へのヤジは起こり得る話ですよ。だって皆誰でもそこに行けるわけだから、選挙妨害ではないんじゃないですか?」と安倍さんを猛烈に批判していた。

しかし、同じ年の10月、当時の民進党代表だった前原誠司は解散総選挙となった地元での演説中、小規模ながら「うそつき」などのヤジが飛んだ。このときの玉川徹は「組織動員して選挙を妨害しようなんて論外ですよ。こんなのはナシです。通りかかった人が帰れと言うとはちょっと思えない。なにか一種の…動員かわかりませんけど、があって、前原さんに対して批判的なことを言おうっていう力じゃないか。何も聞かずに大声を出すっていうのは良くない」だった。いま、書いていても赤面する。

そしていま、玉川徹は「つばさの党」の選挙妨害の件について「仮に法律に違反していなかったにしても、今回の活動に対し、多くの良識ある有権者は眉をひそめ、ある種の嫌悪感を抱いている人も多いと思う。それで大衆の支持を得られると思うんですかね」とか言っている。せめて舌を出すとか、照れ臭い素振りはしてほしいものだが、本人、羞恥心とかメルカリで売ってしまったのだろうか。

朝日新聞も10月の総選挙、安倍さんの第一声を受けて都議選のヤジを蒸し返し「『こんな人たち』分断の国」という題の記事を社会面でやった。都議選の際には「批判を連呼しても主権者じゃないか。このむき出しの敵意、なんなのか」とのことだった。また、令和元年の参院選、札幌での演説における選挙妨害については「市民を排除。ヤジも意思表示のひとつの方法」だった。安倍自民党には何をやってもいい、何を言ってもいいということだが、今回の「つばさの党」については事実を列挙しただけ、関係者の話を聞いただけ、という本来の新聞社の仕事はしているが、みんなが楽しみにしている「社説」などでは見かけない。

照れるだけ玉川よりマシか、ということだが、ともあれ、私が思う「恥ずかしい仕事ランキング」の第一位は・・・・、あ。まあ、いいか。





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