忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

哀れむ理由

2013年05月29日 | 過去記事



広島の平和記念公園内にある「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」は1999年まで本川橋西詰めにあった。理由は第四代宗主・李鍝殿下の御遺体がそこで見つかったからだった。殿下は日本陸軍、第二総軍の教育参謀中佐であられた。1945年8月6日朝、司令部へと向かう際に原子爆弾投下に遭われ、その翌日の7日に亡くなられた(最終階級は陸軍大佐)。

このとき、副官として付いているはずだった御附武官の吉成弘中佐は水虫が悪化して病院へ。その所為で殿下よりも早く司令部にいて助かるも、吉成は自責の念からピストル自殺している。

同記念碑における建立の目的には「強制労働等により広島で被爆した同胞の慰霊と、再び原爆の惨事を繰り返さないことを願うため」とある。1910年から植民地支配されて収奪の限りを尽くされ、町や村は焼かれて言葉も文化も奪われ、婦女子は数百万人が性奴隷、850万人以上が強制的に連れ去られ、そのうち日本には300万人が強制連行されていたはずの韓国の王族が、その侵略国・日本の軍隊で「教育参謀中佐」になり、御付の日本軍人の副官が「護れなかった」と悔いて自殺する。世にも奇妙な植民地支配もあったモノだが、慰霊碑には少なくとも<再び原爆の惨事を繰り返さないことを願うため>という理由もあるとされる。一応、その部分に文句もない。前部も「強制労働等により」を除けば事実だ。

朝鮮人軍人だけではなく、当時の広島には朝鮮族の日本人が2万人ほど暮らしていた。アメリカは朝鮮人だけ避けて空襲もしない。だから日本各地で日本人と同じく、朝鮮族の日本人として殺された。それを忘れたのか知らなかったのか、いまの時代に生きる韓国人記者が<安倍、丸太の復讐を忘れたか>という前代未聞、差別心丸出しのヘイトコラムを、韓国大手新聞社の「中央日報」に書いたのが今月の20日だった。

原爆投下を<広島と長崎は日本の軍国主義の犠牲になったアジア人の復讐だった>として<神の懲罰であり人間の復讐>とまで書いた。どれほどマッコリを飲んだのか知らないが、書いた53歳のキム・ジン記者は単なる政治部の記者ではなく、中央日報の論説委員であり、なにやら「大韓言論賞」という賞も獲ったらしい。とはいえ、日本でも朝日新聞などの所為で論説委員とか特別編集委員と聞けば、冨永格とか星浩、福島申二とか碌なイメージがない。

それでもまあ、中央日報は韓国人が韓国の新聞で反日をやるが、朝日新聞などは日本で日本の新聞が反日をするから、もしかすると韓国よりもヘンかもしれない。また、コレが結構な騒ぎになったらしく、妻によると昼間のテレビでもやっていたそうだ。それでも久間氏の「原爆しょうがない」よりはやらない。寂しいモノだが、あの2007年は防衛庁から防衛省に格上げになった年でもあった。第一次安倍政権から出た初代防衛大臣から飛び出した「失言」だ。反日メディアが容赦するはずもなく、欧米のメディアは揃って「その通り。だってしょうがなかった」と半笑いで庇ったが、このときは欧米がどう報じているか、は関係ない。もちろん、支那朝鮮も怒らなかった。だって、普段から「しょうがなかった」どころではなく、ザマミロと言っていた。また落とせばいいんだ、という朝鮮人もいた。

久間氏はこの前年、参議院外交防衛委員会の質疑で、米軍の沖縄占領について問われ「私でも沖縄を真っ先に占領していた」と答弁もした。その後、沖縄の地理的重要性を説明したかった、などと弁明をしたが、まるで戦勝国の代弁者だった。ここまで東京裁判史観に染まり切っていた初代防衛大臣は御粗末だが、その「原爆発言」は当然のように引責辞任になった。長崎市長も憤りを隠さず、平和式典へ来るな、と怒っていた。

当然、反核団体やら平和団体やらの抗議集会やデモ行進もあった。久間氏の事務所には連日のように抗議文が届き、被爆者を軽んじているとか、徹底的にやっていた。また、これについては誰も庇えなかったし、誰も庇わなかった。当時の安倍総理ですら「アメリカの主張を言っただけ」と言うのが精いっぱい、だから久間氏の辞任を慰留しなかった。それこそ、みんな「しょうがない」と思ったモノだ。


この中央日報の論説委員は「真意が伝わらなかったことに遺憾の意を表見する」とか舐めたことを言ってお仕舞いにしようとしている。なぜだか、日本の心優しい市民団体も騒がない。反核団体も黙っているから、中央日報も「記者個人の見解」として逃げてしまう気だ。とても悪い政治家を斬るジャーナリズムとは思えぬ出鱈目だが、これは日本の外務省なりがきちんと仕事をするべき事由である。公式に謝罪させ、当該記者を処分させるべきだが、この新聞は東北大震災の翌日、津波に飲まれた街の写真に大見出しで「日本沈没」とやった新聞だ。その下劣なセンスは、瓦礫の山を背景した社民党のポスターに似る。

もちろん、菅官房長官も「許し難い」と言うが、日本政府が直接的に外圧を加えるのは韓国政府になる。韓国の阿呆メディアは韓国政府がなんとかすべきだが、一度、これはもう、徹底的にやったほうがいい。韓国も「反日を止める」口実にもなる。自国民には日本が悪いから日本の悪口を止める、とか言っておればいい。どうせ庶民はケンチャナヨ、だ。

また、書いておかねばならないことは、日本で朝日新聞が馬鹿にされて赤字になり、社員の早期退職者を募ったら予想以上の大量希望者が出たように、うんざりしているマトモな人は韓国にも朝日新聞にもいる。震災時の「日本沈没」にも「気は確かなのか?」と驚いた韓国人も少なくなかった。今回もそうだ。コリアンタウンの住人からも「もはや民度が低いとしか言えない」と嘆く声もある。馬鹿なメディアに困るのは同じことなのだ。


韓国のテレビ局「JTBC」は中央日報が設立したが、コレに出資して業務提携しているのがテレビ朝日だったりする。毎日新聞も東亜日報、朝鮮日報と並んで反日兄弟で頑張る。同じ日本嫌いの穴に住んでいるチングだ。日本人はそれで不愉快な思いをするし、韓国人は恥ずかしい思いもする。

そういえば、先月末には朝鮮日報の李漢洙も<歴史に「たら・れば」は禁句だというが、日本がもし近代史で「侵略」されていたら、どうだっただろうか>と書いて笑われた。日本が韓国に併合されていたとすれば、は「たら・れば」のレベルじゃない。国際状況も国力もなにも関係ないなら、それはすでにファンタジー小説というジャンルになる。

朝日新聞は嘘を書いたり、事実を曲げたりして日本人から呆れられるが、こんなのを「新聞のコラム」として読まされる韓国人も相当に可哀そうだとは思わないか。



1 コメント

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なんと美しい「衆道」=同性愛 (りべら)
2017-09-10 16:52:20
たまたま調べていてみました。
この朝鮮王族と副官の日本人将校・・・
どう考えてみても、尋常ではありません。まるで不倫の男女の情死のようです。
たしかに日本は朝鮮を植民地支配しましたが、現在のような反日勢力ばかりでなく、日本のものを取り入れることはトレンディと考える人々もいたのです。
その最たるものは・・軍隊・軍装ではないでしょうか。
当時の日本の陸軍将校は・・・・
陸軍幼年学校ー陸軍士官学校ー陸軍大学校というコースをたどった方が8割以上です。全寮制・男性だけの閉ざされた世界、新聞や小説を読むことも禁止されている特殊な世界です。
多感な青少年時代を男性だけの閉ざされた世界に住むとなると、自然に同性愛的な感情に目覚める人が多かったそうです。日本はキリスト教の国とちがって、古来同性愛についてはおおらかな国情を持っています。その中でも中世から伝わる武家社会独特の同性愛「衆道」は近世においては、旧陸海軍に受け継がれていました。
異論はありますが、この朝鮮の王族の方と副官の日本人将官の方、もしかしたら同性愛的な関係だったのかもしれません。副官の経歴がわからないので、なんとも言えませんが、おそらく二人とも同じ陸軍幼年学校から士官学校へ通ったとおもわれます。飲食も寝床も同じ、先輩・後輩ですよね。単に性的な快楽を求めるだけの男色と、義務や殉教もともなう衆道とは似てことなるものです。純粋に国を思い、友を思い、生涯にわたり連れ添う事を誓い合った、古き良き時代の日本の武人たちよ。その純粋で崇高な愛は、時が経ても今どきの若者を魅了してやまないのです。
ご冥福をお祈りいたします。
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