富田元治のブログ

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飯塚事件「再審認めず」福岡地裁

2024年06月06日 | #福岡県・飯塚事件
32年前の飯塚事件、福岡地裁「再審認めず」。
福岡地裁は、死刑執行後の元死刑囚の2度目の再審請求を棄却しました。


新たな目撃証言をした福岡県内に住む男性Aさん(72歳)の
目撃証言も却下したのです。
男性Aさん(72歳)は、事件当時、誘拐事件をテレビ報道で知って、
目撃情報を警察に届けているのです。
それでも、内容が不自然で信用性に乏しいのでしょうか?





飯塚を地盤とする麻生太郎内閣の法務大臣・森英介が、
死刑判決からわずか2年後に、久間三千年氏の死刑執行を命じました。
【非道な動機に基づき、被害者の尊い人命を奪った事案で、
それぞれの被害者や、遺族の方々にとって痛恨極まりない事件
であると思います。慎重な検討を加えたうえで、
死刑の執行を命令した次第です】(麻生太郎内閣の法務大臣・森英介)。



 



第2次再審請求書によると、
新たな目撃証言をしたのは福岡県内に住む男性Aさん(72歳)です。


1992年2月20日の午前11時ごろ、
飯塚市内の国道・八木山(やきやま)バイパスを車で走行中に、
後部座席に小学生の女子児童2人を乗せた
白いワンボックスタイプの軽自動車を見たといいいます。


児童2人が行方不明になった地点と近接した場所です。
運転していたのは30~40歳くらいの色白の男性で、坊主頭、細身の体形。
児童のうち1人はオカッパ頭で、
ランドセルを背負ってAさんを見つめており、恨めしそうな、
うら寂しそうな、今にも泣きそうな表情だったそうです。


もう1人は横になっていて、そばにランドセルがありました。
軽自動車は片側1車線の道路を時速40km以下でゆっくり走っており、
後ろについたAさんはイライラしながら登坂車線で追い越した際に
「こんな迷惑な運転をするのはどんな奴なのか」
との思いで男性のほうを凝視したそうです。


Aさんは目撃した日の夜、
飯塚市で女子児童2人が行方不明になったことをニュースで知りました。
平日の午前中にランドセルを背負った児童が車に乗っているのは不自然だし、
表情から家族連れとも思えなかったので、
不審に感じて翌朝、警察に通報しました。
約1週間後に事情聴取を受けたそうです。1週間後です!!


その際、警察官は手帳にメモを取っていたが、供述調書は作成されなかった。
Aさんは、自分が目撃したのは被害に遭った児童であり、
運転していた男性が真犯人だと確信していた。

このため、福岡地裁での久間さんの初公判(1995年2月)を傍聴して
同一人物かどうか直接確認したが、
「まったくの別人で驚いた」としている。


ただ、検察の冒頭陳述で「DNA型が一致した」と聞き、
「自分の目撃は事件とは関係なかったのか」と気持ちをしまい込んでいた。
今回、証言しようと考えたのは「DNA鑑定の結果が
(再審請求審で)否定された」と2019年に地元紙の記事で知ったのがきっかけだ。


「そうであれば自分が見たのはやはり真犯人だったに違いない」
との思いが湧き起こった。
この新聞社に連絡して取材を受け記事になったことで、弁護団とつながった。


Aさんが弁護団に証言をした時点で事件から約28年が経っており、
弁護団も再審請求書に「信用性の判断には慎重な検討が求められる」
と記している。
それでも「新証拠」と主張するのは、以下の理由からだ。

Aさんは当日、
100万円の売掛金が回収できなかった帰途でイライラし、
さらに前方をノロノロと走行していた軽自動車にイライラして
「どんな奴が運転しているのか」と運転手を注視しており、
「単なる追い越し時の目撃にとどまらなかった」とみる。


平日の午前中にランドセルを背負った子どもが車に乗っている状況を不審に思い、
「まさか誘拐ではないか」と直感したことも挙げて、
「強い印象を抱いた、つまり強い記銘力が働いた」と分析している。

また、警察官の事情聴取を受けたり久間さんの初公判を傍聴したりと、
Aさんが目撃内容を確認する機会がその後も反復しており、
記憶が明確化されて維持されたと指摘している。


目撃した軽自動車が向かっていたのは遺体発見現場とは違う方向だったが、
弁護団はゆっくり走行していたことなどと併せて、
運転していた男性が犯行の場所を思い迷っていたためではないかと見立てている。


弁護団は2021年7月9日、第2次再審請求の申立て後に福岡市で記者会見を開いた。
主任弁護人の岩田務弁護士は、事件発生当時、
Aさんが警察に通報しながら証言が無視されたことについて
「警察はすでに久間さんを犯人にするのに都合が良い証拠だけを集めていた」
と捜査を批判した。


Aさんも同席し「事件のことがずっと頭の中に残っていた」と心情を吐露した。
弁護団は2次再審で、
久間さんの車と特徴が一致する車を遺留品発見現場で見たとする証言についても、
関連する捜査報告書などの証拠開示を求めていく方針だ。


この証言をめぐっては、
目撃者の調書を作成した警察官がその2日前に
久間さんの車を見に行っていたことが明らかになっており、
証言内容を誘導した疑惑が浮上している。


弁護団共同代表の徳田靖之弁護士は2次再審へ向け、
Aさんが見たとする男性や児童が事件の当事者だと
立証するための課題を挙げながらも、
「状況証拠の柱になっている車の目撃証言の信用性を崩す中で、
Aさんの新証言はアナザーストーリーにもなる」と説明した。








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