回転寿司の真相シリーズ236皿目 第3部/回転寿司に行くなら店を選ぼう編
ROUND14 回転寿司の歴史とスタイルの変遷
1970年代後半から80年代の回転寿司にようやくブームの兆しが現れる
1970年代後半から80年代(S50年代)に入ると、回転寿司ブームの兆しが現れ、新規チェーン店が続々と参入し始めます。現在のように大型店・郊外店はまだ少なく、都会の繁華街や駅前など中年サラリーマンのお客がターゲットでした。価格はこの頃から1皿100円が主体となり、今日でも回転寿司の別名が「100円寿司」と呼ばれる所以です。ブームとはいえ慣れない形態から、お客も店員もどぎまぎしていたようです。ネタを出すだけで、精一杯でした。
チェーン店とは言え、一般の飲食店を若干改装した程度の店が多かったのです。薄汚く、今日のように衛生的、明るいイメージはありませんでした。店員も“板前崩れ”(やむなき事情から一般寿司から転身)の、やや屈折した人間がいるなど接客・品質に無頓着さがあり、店全体のサービスまで手が回わりません。回転寿司の認知度は高まったものの、まだまだ不安感があり、大の大人も1人では入りにくかったようです。
当時、寿司は高級料理で、誰でも寿司が食べられる状況ではありませんでした。品質はともかく、格段に安い寿司が食べられるだけで満足した時代でした。回転寿司店というより、居酒屋の延長上にある中年オヤジの溜まり場でした。そこが昨今のように、女性や子供が平気で入店できる場所になろうとは、当時の経営者やオヤジが知る由もないでしょう。ここまでが哀しさが付きまとう、回転寿司の黎明期・創世期からブーム到来までの流れです。
酷い実態は全ての回転寿司店を示すものではありませんが
多くの店で横行しているのも事実です。