「あのね…、聞きたいことがあるの…。」
意を決して聞いた。
「敬さんは、優しいし、一緒にいると、とても楽しいし、イケメンだし…。どうして今までひとりだったの?」
「楽しいと言ってもらえるとうれしい…けど、イケメンなんかじゃないよ」
頭をかきながら照れ笑いをする。
謙遜の仕方も完璧だ。
「今まで、お付き合いした人は何人かいたけど…。真面目なお付き合いしたい…と、思うから、一年以上交際が続いたら、僕の実家に連れて行くんだけど…。何故か、ダメになるんだ」
…そうか…、もしかしたら、彼の親が面倒臭い事を言うタイプなのかも…。
厳しい親に吟味され、合格点を貰えずに、
破談になったんだろう。…と推測した。
だけと、私は大丈夫!
美枝さんは思った。
そもそも、美枝さんの親も厳しい。
それが嫌で、早めに家を出たワケだが、親がいろいろ厳しいのにも、慣れている。
すべてに満点の敬さん。
実は、暴力的な人ではないか…、
実は、浮気性の人ではないか…?
…と不安になって過ごして来た美枝さんにとって、親が厳しい…くらいのマイナス点はホッとする。
しばらくして、彼は、「親に会って欲しい」と言ってきた。
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