風通庵-直言

ヨモヤマ話

日本版ホワイトカラ―・エグゼンプション制の導入は見送りか

2007-01-11 09:59:48 | Weblog
 多様な働き方の促進を目指して制度の導入を唱える経団連、対して労働関係者の反対。政府も今国会での成立を見送る模様だが、これで反対者に勝利宣言をさせてはならない。

 この問題、所定の事務職を労働時間規制の適用から除外して、残業代がゼロ、企業側に都合のよい制度、過労死を促進させる、厚労省が労働者に不利な制度を取り入れる等々の反対意見だが、殆どが、いや、すべてが、制度の導入とは関係のない立場の人からの意見ばかりだ。労基法の改正をともなうので、労組がまづ反対するが、労組の組合員でこの制度の適用を受ける者はまづいない。
 
 現在、裁量労働制が労基法に規定されているが、主として研究職の従事する社員が適用を受けているが、一部ではあまり普及していないとの皮肉も聞くが、それはそれでよい。労働の形態も多様化し、労基法の制定当時とはよほど労働環境も変つている。この制度の対象者を、年収900万円以上で、課長以上に限定したいとの考えを柳沢労相は明らかにしている。

 年収900万円以上で、課長以上を対称にする。これは一応明確になった一つの案であるが、この案の基づいて、該当するであろう者からの意見を聞くべきだ。該当者からの意見こそ建設的な意見である。ただしかし、課長以上という職制上の名称には疑問符がつく。企業ごとにその権限も異なり、国家試験的な横一列といった同一制がないからだ。

 特に、国際社会での広域的な企業競争の場で、一日8時間、一週40時間、時間外労働かどうか、意識しての業務が可能かどうか。現実的かどうか。先を見越して大所高所からの検討が必要だ。
 労働時間が適用されないとか、残業代がゼロとか、過労死が増えるとか、次元の低い意見ばかりで判断すると本質で誤る。丁度、小泉首相当時の郵政で、郵便局がなくなるとかポストの数が少なくなるとか、枝葉抹消の下司な意見が多かった当時と同じような気がする。
 直接適用を受ける者からの、正しい意見を広く聞くべきだ。