有機化学にっき

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JACS ASAP

2006-07-09 22:01:28 | 新着論文
Efficient Synthetic Access to the Hetisine C20-Diterpenoid Alkaloids. A
Concise Synthesis of Nominine via Oxidoisoquinolinium-1,3-Dipolar and
Dienamine-Diels-Alder Cycloadditions

(±)-nominineの全合成。鍵反応は4-oxidoisoquinolinium betaineの分子内1,3-双極付加とenamineの異性化を経由した[4+2]付加。

これだけ複雑かつ入り組んだ骨格を15ステップで作っています。双極付加の際の不飽和ニトリル、[4*2]の際の異性化やエナミンの利用など、官能基で反応性を制御しつつ、次の骨格の足場になっているところが上手い合成です。

双極付加の際、不要な異性体の生成比が高い理由がわかりませんでした。生成物の熱力学的安定性らしいですが、モデルくまないと差がぴんときませんでした。
ビニルトリフラートがDIBAH還元にもつというのも知りませんでした。結構やわいイメージがあったのですが。

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