有機化学にっき

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JACS 2005, 127, 10568

2005-07-30 14:05:38 | 新着論文
Facile Diels-Alder Reactions with Pyridines Promoted by Tungsten

pyridine誘導体をタングステン錯体へ芳香環上へ配位させ、2-aza-dieneとしての性質を発揮。電子不足オレフィンとのDA反応を報告。isoquinucidine骨格を効率よく発生。

以前斜め読みしてほったらかしていました。Moパイアリルの分子内反応で架橋骨格を作るのをみて読み直してみました。ピリジン誘導体やオレフィンなど基質の適用範囲は広くなさそうです。しかし錯体の反応性という観点、ピリジン骨格をDAに用いることができる有用性は高いと思います。筆者らは2-置換ピリジン以外へも適用範囲の広い条件を検討すると述べています。
現状ではコミュニケーションの仕事の質と量の気がしました。ピリジンに固定せずに他の電子不足な複素環ではどうなるのでしょうか?2-aza-dieneのイミンとしての性質を活かした官能基変換による脱芳香族化なども面選択性などから応用できそうです。

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