有機化学にっき

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Org. Lett. ASAP

2005-12-28 14:03:43 | 新着論文
A General Strategy for the Facile Synthesis of 2,7-Dibromo-9-heterofluorenes

2,2¢-diiodo-4,4¢-dibromobiphenylの合成法。o-dianisidineをSandmeyer、ヨウ素化により6,6¢-diiodo-4,4¢-dibromo-3,3¢-dimethoxylbiphenylを高収率で調整。ジリチオ化を行い、2,7-dibromo-9-heterofluoreneへ展開。

ポリフルオレン原料となるハロビフェニルの調整が難しく、容易に合成できるように解決したとの事。メトキシを上手く使って、原料の入手と反応の制御をしていることと、9-ヘテロフルオレン類(Si, Ge, B, P)を合成しているのが面白いところ。

Sandmeyerは後処理が酸やら銅塩やら、TLCで追えない実験になるやら面倒で嫌いなのですが、収率100%との事。-100度でのリチオ化によりヨウ素選択的にリチエーションしていろいろと誘導体を作っています。できていないものを半ページも使うのは中国の誇大広告かと思ったり。

収率が中程度以下なので、KnochelのiPrMgXや内山先生の亜鉛アート試薬などでもう少し臭素共存させられないかなと。臭素にこだわっていますが窒素のまま、玉尾先生のトリアゼンやMacMillanのアンモニウムを前駆体とするカップリングでポリマーを作ればdiverseを上げられそうな気がします。新規反応をフォローできていない分野で新規反応を利用して、従来困難な誘導体を合成していく攻め方もありな気がするのですが。

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