有機化学にっき

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J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 1630-1631.

2005-04-10 05:51:15 | 新着論文
Efficient Stereoselective Synthesis of γ-N-Glycosyl Asparagines by N-Glycosylation of Primary Amide Groups

N-グリコシド結合の形成
N-phenyltrifluoroimidateをTMSOTfで活性化して求核性の低いアミドと反応に成功しています
反応は可逆なのかトリクロロアセトイミデートではそちらが付加したり、イミデートの置換基や溶媒の性質から、フェニル基の立体、電子的に非常に難しいバランスから反応が成り立っているようです
ジペプチド、トリペプチドにも適用し、高い立体選択性と副反応の抑制に成功しています
基質によっては、今回見出した条件での溶解性により収率に問題があるみたいですが、合成しようとする目的物の条件検討でいくらでも改善は可能とみれます
糖鎖化学では天然、非天然を問わず実験室レベルでの量の供給には化学合成が力を発揮しますので、今回の手法はグリコペプチドの合成法を大きく進めた価値ある仕事だと思います

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