有機化学にっき

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JACS ASAP

2006-12-12 23:31:53 | 新着論文
Chiral Photocages Based on Phthalimide Photochemistry

新規光反応性保護基の開発。 2-phthalimido-3-hydroxy-propionate 誘導体。
光照射により脱炭酸しつつ、カーボキシレート誘導体を放出。不斉点があり、立体により効率に影響。

光により除去できる保護基は、生体内での濃度や量の制御が可能になるため生化学的な研究に重要とのこと。生化学の方はわかりませんが、固層合成や切り出しに光照射で除去できるortho-ニトロベンジル基などが例。
この場合だと生じるニトロソが反応性が高いため悪さをする場合もあるらしいとのこと。

今回筆者らの開発した新規保護基は、水溶性、副生成物の低毒性、高い量子収率に加え、不斉点があるため、立体によっての違いを検討できるとのこと。いまいち最後の例はピンときません。

放出するものとしてアセテートを例にしていますが、分子が大きくなるとホントに上手くいくのか?が気になります。
原料調整は容易そうなので、実際に不斉点の利用のメリットと、どれだけ広く使われていくかだと思います。広く使われていく保護基になるのではないかと思います。

これを使うだけの固層合成がたくさん報告される気がします。

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