有機化学にっき

気になった有機化学の論文や記事を紹介。

中古マイクロピペット3本セットを先着1名様に

2006-03-25 15:09:26 | Weblog
今年は春年会にもいけずに引越しの片付けをどたばたしておりましたところ
マイクロピペットの処分に困っております。

研究室で買ってくれないから、3年ほど前に自腹で購入したのですが、研究室に寄贈するのももったいないと持ってきたのです、が、使うあてがしばらくない。買ったときはそれなりによい値段で捨てるに捨てがたい。まぁ今後も使うといえば使うのでしょうが、しばらく有機合成はオヤスミだし、会社にあるだろうしということで埃をかぶせておくのもアホらしい。

そこで日頃の感謝を込めまして(?)、プレゼントの名を冠した廃品処分いたします。
早い者勝ちで、先着順1名様のみです!

モノは"Transferpette"3年程度の中古品。スケールは100-1000, 10-100, 0.5-10μl
小スケールのオープン反応、TLC展開溶媒調整、小スケールの液体試料測定などかなりの便利グッズです。1mlのサイズは少し薬品やけあり。チップは処分してしまったのでありません。

「ピペット貰ってやる!」と標題に書いて送付先を明記の上、下記アドレスに
送ってくださいませ。引越しのため、申し込みは3月27日(月)の12時までとさせていただきます。


JACS 2006, 128, 2784

2006-03-25 12:18:40 | 新着論文
Synthesis, Molecular Structure, and Reactivity of the Isolable Silylenoid with a Tricoordinate Silicon

carbenoid R2C(M)(X)のケイ素類縁体silylenoid、R2Si(Li)(F)と初めてのFをもつ単離可能なsilylenoidの報告。結晶構造は驚くことに3配位ケイ素、このような構造を有するカルベノイドは未知。

DFT計算による議論で[R2Si-F]-・Li+ の極限構造。Si-Fbondはイオン性の高い結合との事。

狙いはシリレノイドのF置換だったようですが、そこから面白い構造がとれてきたようです。系統的に理解ができないところが面白い。

JACS 2006, 128, 2786

2006-03-25 08:37:26 | 新着論文
Asymmetric Catalytic Synthesis of P-Stereogenic Phosphines via a Nucleophilic Ruthenium Phosphido Complex

Ru錯体、アルコキシドの組み合わせで触媒的にRu-phosphido錯体を発生。アルキルハライドへの置換反応。不斉錯体を用いて不斉ホスフィンを調整。

E+ではなくてNu-を活性化させるというコンセプトとのこと。塩基の選択という触媒化は非常に面白かったです。一方ではHP(Me)Phで反応を行っているけれども、置換基が変わると一般性はなくなるだろうなと思ったり。反応時間も60hというのは微妙。
末端アルキンやシリルの活性化はよく見るけどなぁと思った次第。ホスフィンのPHなんてそこまで活性化しづらい水素でもなかろうに。二重活性化などの概念がかなり前から実践されていることを考えるとイントロとして打ち出しすぎな気がしました。