中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は今月8日、現在論争の的となっているスマートフォン「Mate 60」シリーズを巡り、中国本土で新たに上位モデル「Mate 60 Pro+」を売り出した。
ファーウェイは衛星メッセージング機能を備えるとともに、Mate 60 Proに比べてメモリーを増やしたPro+の提供をオンラインで始めた。頭金は1000元(約2万円)で、10月9日までの納品を予定している。Pro+には1テラバイトの最大ストレージオプションが加えられ、メモリーはMate 60 Proよりも4ギガバイト増えている。
一方、米商務省はファーウェイの新たな半導体技術を調査していることを明らかにしている。
中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の最新スマートフォン「Mate 60 Pro」に同国製の先端半導体が採用されているのが分かった件で、米政府は正式な調査を開始した。米国ではこの件を受けて、地政学的ライバルである中国の技術的躍進封じ込めを狙った制裁の有効性について新たな議論が展開されている。
過去2年間にファーウェイや中国半導体業界に対する一連の規制を実施してきた米商務省は、Mate 60 Proに搭載されているのが見つかった回路線幅7ナノメートルのプロセッサーとされる部品についてさらなる情報収集に努めている。
この半導体は中芯国際集成電路製造(SMIC)が製造。同社はファーウェイと同様、米国のブラックリストに掲載され、米国の技術へのアクセスを規制されている。
米国が中国による入手を阻もうとしてきた技術がファーウェイ製品に使われているのが分かったことで、バイデン米政権の最近の取り組みに狂いが生じかねない。
中国の技術セクターを挫折させる米商務省主導の取り組みの失敗を意味するのか問われるとともに、重要な物資や機器、ノウハウの輸出規制という、米国の主要なメカニズムの強化が必要かどうかにも疑問を提起する。
商務省報道官は発表文で「7ナノメートルチップとされるものについて、その特徴や構成に関するさらなる情報の収集に取り組んでいる」と指摘。「中国が突き付ける国家安全保障上の脅威に対処する上で、輸出規制は米政府の一連の手段の一つに過ぎない点を明確にしたい」と説明した。
その上で、「2019年から実施されている規制により、ファーウェイは打ちのめされて立て直しを余儀なくされ、中国政府は多大なコストを負うことになった」とコメントした。アップルとファーウェイの通信機器をめぐる米中対立は激化しそうですね。
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