採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

ボケ酒、干し梅

2018-12-18 | +ジャム・ピール(果物系保存食)

 

 

ボケの実

11月中旬に、ボケの実をどっさり摘んだのでした。
摘むのは楽しいのですが、使い道は・・・・。
やはりボケ酒くらいしかないですよね。

ダンナサマはワインばかり飲んで、果実酒は作っても減りません。
だいぶ前に作った梅酒が、まだ余っています。(ここ数年は作っていないのに)
これ以上増やしたくないので、梅酒に漬け込んでしまうことにしました。

 

ボケ酒

いつ漬けたものかよく分かりませんが、青梅が漬かったままだった梅酒から、梅を取り出します。
そしてそこにボケ。
砂糖と酒(度数の高いウォッカ)も追加しておきました。
得体のしれないものになりつつありますが、一期一会ブレンドで、面白いお酒になるかもしれないし・・・。

 

梅酒から取り出した梅

とりだした青梅には、お砂糖を追加。
これで、だいぶ水分が絞り出されます。(出てきた液体は、ボケ酒の瓶へ)

しばらくあと、時間のあるときに、梅の半割作業。漬け込んだときはカリカリの青梅でしたが、長年漬けて、ふんわり柔らかくなっています。
半分に切って、スプーンで種をえぐり出すのも、比較的楽でした。
半割のものに、またお砂糖をまぶして、またビニール袋へ。
時折追加で砂糖をまぶしておきました。

 

干し梅

ボケ酒漬け込みからはや1か月。
旅行も当分ないし、天気も安定してきたので、砂糖漬けの半割梅を干します。
ダメ押しで、少量のお砂糖をぱらぱらとまぶしておきました。
乾くと、自家製ドライフルーツ。
黄色い梅の場合はドライアプリコットみたいになりますが、梅酒に漬けた青梅の場合は、ドライプルーンに近い味になります。
フルーツケーキやパンに使う予定です。


以前作った干し梅は、多少お砂糖を追加したけれど、それでもレーズンよりだいぶ薄味(酸味だけは強い)でした。
今回は各段階で、結構しっかりお砂糖を追加してあります。
干しあがりの味はどうでしょうか。


今回のこれで、梅が入ったままの梅酒はなくなりました。






■参考情報
梅酒の梅の干し梅 2015年8月
梅シロップを作るため、梅酒の瓶をあけ(梅の実は今回みたいによけておき)、その後一段落したタイミングでタネとりをして干していました。

梅酒の梅の干し梅 2013年3月
この時が最初だったようです。各種加工が一段落してヒマな3月に、思い立ってやってみました。

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郷土菓子まくらぎ

2018-12-17 | +食べるもの・お酒

12/13(木)~15(土)と、二泊三日で天草・熊本周辺に行ってきました。
熊本県は何度か行ったことがありますが、今回は未知のゾーン。天草地方です。
レンタカーをかりて、八代海をぐるりと反時計まわりする感じで、一筆書きでめぐってきました。

おおまかなルートは次の通り。

空港にてレンタカーゲット

熊本市の東南を迂回するようにして、島原湾に突き出した宇土半島へ(宇城市)
宇土半島付け根の〈道の駅宇城〉。

宇土半島南岸を進み、南端から(いつのまにか)橋をわたって、大矢野島(上天草市)

また橋を渡って、天草の上島。

上島の北岸沿いを進み、また橋を渡って、天草の下島。
下島は、内陸を西に進んで横切るかたちでまた海へ。
福連木直売所
一泊目は、この西側(天草灘・外洋側)の下田温泉。

2日目、海沿いを南下して大江天主堂、今年世界遺産になった崎津集落など観光。
更に南下、下島南端の牛深港へ

フェリーで東に向かい、長島(鹿児島県出水市)へ。

長島の南岸を進み、〈道の駅 黒之瀬戸だんだん市場〉
橋をわたって九州本土(鹿児島県出水市)へ。

北東方向に進み、熊本県水俣へ。
〈道の駅水俣〉。(ここで段ボールゲット)

このあたりから高速に乗ってさらに北上、熊本市街へ

ヤマト運輸で荷物発送。レンタカー返却。
2泊目は熊本市街泊。

翌日は、熊本市街をぶらぶら。
バスに乗って空港へ。


一筆書きということは、一度立ち寄ったお店は、一期一会ということ。
ぱっと見て気になるものはゼンブ買わないといけません。
国内旅行だし、手荷物は小さ目にして、現地で買ったものは送る方向で、びしばしお買いものを楽しみました。

最初に寄った「道の駅宇城」で、初めて見るお菓子がありました。 

郷土菓子まくらぎ

「まくらぎ」という名前のお菓子。初めて見ます。
黒糖にピーナツが埋まりこんだような外見です。
黒糖を固めたもののようにも見えますが、原材料を見ると、「小麦粉、黒糖、ピーナツ、大豆」。
小麦粉?
みっしりしていて、蒸しパン系では全くなく、餅系とも違います。

ちょっと迷いましたが、買ってみることにしました。

 

郷土菓子まくらぎ

1日目の宿で早速あけてみました。
見た目のとおり、しっかりした固形状。
でも、かじってみると、しにょっと柔らかい!
これは、東北の駄菓子にある、きなこねじり、に近い固さです。
あれよりも、ザラザラ感はなく、気持ちしっかり目ですが、手でちぎることも出来ます。

味ですが、思ったより甘さ控えめで、美味しい!!!
きなこねじりが好きな人は、きっと気に入る味だと思います。
中の豆は、ピーナツと大豆のようですが、双方似たような食感で、どちらもカリカリではなく、ややしにょっとしています。
ベースのしんなりした黒糖生地に、こりん、とした豆が混ざり、よいアクセント。特にピーナツ周辺を噛むと、ピーナツのいい香りがします。

総合して、とっても美味しいお菓子だと思いました。
買ってよかった!
(ていうか、2パック買ってもよかったくらい)
 

郷土菓子まくらぎ

ラベルの裏面に説明が。
昔はこのあたり(三角町)ではサトウキビ栽培をしており、そのせいで黒糖を使ったお菓子が作られていたようです。

後半など特に、単なる由来説明ではなく、郷愁あふれる散文詩ともいえる文章ではないでしょうか。
(東京の広告代理店の人には書けない文章じゃないかなあ)


 


郷土料理の本など、割とよく読んできたつもりですが、「まくらぎ」というお菓子は全く知りませんでした。
最近、地域振興の一環として、一度廃れたような郷土菓子を有志の手によって復活させている場合もあるようですし、それかなあ。
三角(半島南端)でしか手に入らなかったものが、宇城(半島付け根)でも買えるようになったということは、人気が出て、生産が増えてきたのかしらん。

まだあちこちに、未知のお菓子があるのだわ。
いつか出会えますように。


■まくらぎ 参考情報
クックパッドにレシピが!
鍋に水とピーナッツと黒砂糖を入れ、沸騰したら小麦粉を入れて弱火で練り上げる、という工程。
水で豆を煮るので、豆が少ししんにょりしているのだわ、きっと。
(郷土菓子の本筋からは外れてしまいますが、ココア少々を混ぜてもいいかも・・・)

レシピ別バージョン

地元TV局の放送(Youtube) 九州朝日放送 アサデス。KBC 【ナゾ食】 まくらぎ 2013.1.25放送 (熊本県宇城市三角町) 

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ナポリ2018:自炊ごはん(9/7朝・夕)

2018-12-12 | +海外

ナポリ旅行の自炊ごはんの記録です。

9月7日、この日は、最後から2番目の日。
宿泊はこれが最後。
8泊の滞在は、長かったようで、もうそろそろ終わりに近づいてきました。名残惜しい・・・。

時差もほとんど解消されてしまって、朝ごはんは、日本での朝食程度の軽いものになってきました。

トッレ・デル・グレコの民泊にて自炊夕食

2018/09/07朝食

久しぶりにふんわり柔らか系のパン。クロワッサン3個とドーナツ1個(だれか齧ってますね)。
レタスとトマト、そしてハム。
クロワッサンは、いわゆるフランスのほんとのクロワッサンとは少し違って、どことなくパネトーネっぽい感じ。
油脂が控えめに感じて、しっとり柔らかく、とても美味しいパンでした。
ドーナツも、やはりパネトーネの気配を感じる(イーストの香りかしら)しっとりした生地でした。
前の日に買って、朝あたためなおしたのですが、焼きたての方が美味しかったです(前日、買ったときに私だけ味見済み)。
 

トッレ・デル・グレコの民泊にて自炊夕食

朝食のデザート

洋梨、いちじく、蟠桃。
洋梨は宿からのサービスのもの。ずっと緑色のままで、触ってもしっかりしていて、いつ熟すのかなーとずっと待っていたら、色は緑のままで完熟していました。
固いのは皮がしっかりしているからで、果肉はすっかり柔らかに。
とろーりジューシーで美味しかった~。
 


昼は、みんなでナポリに出かけました。
巨大な王宮、ガレリアなどを見学。
ランチは、スパッカナポリそばのレストランでじりじりと日に当たりながらシーフード。

夜はまた宿にて自炊。

トッレ・デル・グレコの民泊にて自炊夕食

2018/09/07 夕食

ナポリから帰宅する際、私が先に宿に戻り、殿方ふたりは夕食材料の買い足しに。

家にあったのは、前日の、イカのトマト墨煮の残り。
わざわざ残してあって、今日はパスタに。
トマトもちょっと足しました。(塩がちょっと足りなかった)

ナスも買ってあって、じっくり焼いてソテーに。

殿方のお買いものは、ソーセージ、スモークサーモン、そして袋入りのルッコラ。
ごく普通の(どちらかというと廉価な)ソーセージだと思うのですが、美味しかったなあ。
スモークサーモンもルッコラも、丁度食べきりサイズでよかったです。
 


最後のディナーというにはゴージャスではないですが、自炊の場合、材料使い切りの都合上、最後の方に御馳走にはしにくいです。
きっちり使いきるようにがんばって、この夜で、冷蔵庫はほとんど空になりました。

食事の大半が自炊だったので、「旅行後半、胃がもたれてつらい」というような旅行にありがちな不調は全然なく、体調はすこぶるよかったです。
自分の味付け(特に塩味。外食は塩辛いのが私はツライ)と、空腹度合いに応じた分量の食事というのは、やっぱり重要なのですね。

でも、シーフードレストランにもちょっと未練もあったりして。
まあいいや、日本で行けばいいのだ。

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台南201811:崇徳市場

2018-12-11 | +海外

 11月下旬、台南に数日行ってきました。
何度も行った台南ですが、この季節は珍しいです。(干し柿で忙しい)

泊まったのは、台南市街地の南。
ホテルのすぐそばに、大きな市場「崇徳市場」があり、リサーチしてきました。
この季節ならではの目玉は何かな?

崇徳市場

フレッシュな洛神花(ローゼル)がこんもり山盛りに。
 

崇徳市場

日本でもたまに生のものを売っていますが(買ったことあります)、こちらのものはとても大きい気がします。

 

崇徳市場

柿のカットフルーツ。
日本はそろそろ柿も終わりかという寒さでしたが、こちらは木綿の服一枚でも大丈夫なくらいのあたたかさ。
あんぽ柿風の干し柿もありましたが、動揺のあまり写真撮り忘れ。
(おみやげに持ってきたけれど、すごく安かったらショックだと思って。でも、味は少し違うだろうし、手作りのものは無添加だし、いいよね・・)
 

崇徳市場

ポンカンが旬のようで、山盛りになっていました。日本のものより大き目で、緑色です。
柿、パッションフルーツも。
パッションフルーツは、ホテルの朝食にも出てきましたが、街角で山盛りになっているほどではありませんでした。終わりかけなのかな。

 

崇徳市場

ナシ、パパイヤ、蓮霧、スイカ、メロンなどが見えます。ザクロはおそらく輸入。
一番奥にある大きな黄色いものは白柚。旬は終わりかけ。
中央やや奥の、茶色い玉状のものは、ロンガンを干したもの。夏頃が生のロンガンの季節なので、いま丁度干しあがったころあいでしょうか。
梨の左隣はプチトマト(台湾ではトマトは果物扱いです)。お友達に聞いたところ、トマトがこれから旬、とのことでした。
 

崇徳市場

ドラゴンフルーツは最盛期。ホテルの朝食にも出たくらいでした。
ほんとに旬のものは、こんな感じでどっさり山盛りで売られています。
でも、ドラゴンフルーツって、あんまり味がないのよね。
ホテルの朝食では、ドラゴンフルーツとバナナを刻んで、パッションフルーツで和えて、Myフルーツポンチにして食べました。

 

崇徳市場

三尺ささげと、この丸いのはゆうがおかなあ。
このサイズのユウガオがあったら、便利ですよね。
あ、よく見ると日本語のテープだ。

 

崇徳市場

生のむき栗がどっさり売っていました。
渋皮が簡単に剥けるタイプの栗だと思います。
おそらく中国からの輸入品じゃないかな。
台湾のひとは、栗に対してさほど情熱はないような気がします。

 

崇徳市場

掌くらいありそうな大きなキクラゲ。
左のは高菜漬けでしょうか。中国料理ではどうやって食べるのかな。スープかしら。

 

崇徳市場

お魚売り場。こちらは虱目魚(ミルクフィッシュ、サバヒーとも)の専売店。
台南市街のすぐ西の遠浅の海で養殖しているせいか、とても一般的な魚です。街中に、虱目魚粥などのお店が沢山あります。
コリッとした海の魚とはだいぶ違う系統で、臭みがあってきらいという人もいるようですが、我々はこれはこれで好きです。

虱目魚肚粥ってよく見るのだけれど、小骨が多い腹部分をそぐようにして、食べやすくなっているのですね。
 

崇徳市場

あちこち、細かいパーツに分けて売られています。
頭は、ダシをとるのかなあ。

 

崇徳市場

このあたりは天然ものでしょうか。
マナガツオ、イトヨリ?、タイ、ブダイ系?、などなど。


 

崇徳市場

ダンナサマは、自分では絶対魚料理なんてしないのに、魚コーナーにみとれています。
写真も、ダンナサマのリクエストで撮影。

 

崇徳市場

鶏肉屋さん。
昔は、生きている鶏が店の奥でごそごそしていました。
どちらにしろとても新鮮でひきしまった鶏です。いいなあ、こんなのが手に入って。
日本では、水っぽくてパックに水がたまったような鶏肉しか売っていません。しかもなんか臭いし。
以前、骨付きモモ肉を買ったら骨からは変なにおいが沁み出してきました(うま味が沁み出してほしかった・・)。それ以来怖くて骨付きは買えないです。

台湾だと、鶏スープの場合は、必ず骨ごとぶつ切りになっています。

 

崇徳市場

アヒル、でしょうか。(ガチョウとどう違うのでしょうか?)
頭、砂肝、左のバットに入ったのはおそらく腸。

肉屋さんで一番多いのは、豚肉屋さんです。
が、あんまりたくさんあるので写真を撮りそびれてしまいました。

こちらは牛肉。 

崇徳市場

豚肉やそれより小さい動物の場合は、一頭仕入れて、さばいて売っているのかなあ、というように見えますが、この牛肉屋さんは(冷凍ものを)仕入れているようです。
筋膜にしっかり包まれた形状のすね肉がゴロゴロ。日本ではあまり見ない光景です。
牛肉麺(すね肉の煮込みのぶつ切りが必須)などのレストランが沢山仕入れていくのでしょうか。


崇徳市場

とても小ぢんまりした羊肉屋さん。
仮設営みたいなお店です。
最近台南には東南アジア系や、インド、トルコなどの人も住んでいて、それらのレストランもあるので、その方面からの新しい需要なのかもしれません。

 

崇徳市場

へちまたわし~☆
へちまファンの人、まだいるのかしら。

 

崇徳市場

このコブコブしたのは、健康食品のノニ?
どこか台湾国内で育てているみたいですよね。
新鮮で品質はよさそうですが、これをどうやって使うのかしら。
 

崇徳市場

豆、穀類屋さんに、私の大好きなぽん菓子が。
とりあえず少し買ってみました。自宅でちょっと焼き直して湿気をとばす必要がありますが、安いし軽いし、自分用おみやげにはぴったり。

 

崇徳市場

この銀色の機械は、杏仁粉末製造器。この場で挽きたてを買うことができます。
面白そうなので少し買ってみました。
製菓用のアーモンドパウダーより断然細かい粉状になり、ほんとにミルクみたいにとけます。
(少し粒があるので、必要なら茶こしで濾すといいかも)
杏仁豆腐のいい香り。
いまのところホット杏仁ミルクで飲んでいますが、杏仁豆腐も作ってみたいです。(作る前になくなってしまいそう)

 



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ナポリ2018:サレルノの大聖堂

2018-12-07 | +海外

9月のイタリア旅行記続きです。

イタリア国鉄のトッレ・デル・グレコ駅で、ナポリ行の電車を逃してしまいました。
次の列車は、30分以上後。
3人で「あらら~」とがっかり。
何しろ日差しがとても強く暑いし、エアコンがあって涼めるようなところは近くにありません。
で、ダンナサマが「反対方面の列車でサレルノに行こうか」と。
Fujika:「え、昨日サレルノで打ち合わせだったんでしょ?」
ダンナサマ:「仕事だからどこも見てないし」
イトウさん:「なんも見てないっす」

という訳でサレルノへ。
サレルノについては全然予習していなかったので、列車の中で『地球の歩き方』をひもときました。
(私鉄チルクム・ベスビアーナはエアコンなし・車体外部は落書きされ放題のレトロ車両ですが、国鉄はエアコンありで、車内・外装もとっても綺麗)
でも、ほんの3ページくらいしかなくて、全然イメージが湧きません。
まいっか。

駅の比較的近くに大聖堂があります。
ひとまずここに寄ってみることにしました。

これが!
かなりの見ごたえ!
知識がない我々でも、「うわぁぁぁ、何これ、すっごーーーーい」となるような綺麗なものが沢山ありました。
これまでは、教会とか建築って、観光名所だから仕方なく行く、という感じでした。
でも、ここを見て、自分の好みのパーツについてだけでも、単純に「綺麗☆」とか「すごい!」を楽しめばいいんだなあ、と思うようになりました。
知識がなくても、まずは感動すればよくて、感動すると、もうちょっと知りたくなるから、ちょっとずつ勉強していけばいいですよね。

写真がえらく多いですが、適当に見て頂ければ。

■概要・外観 

大聖堂(Cathedral \ Duomo)ということなので、司教座聖堂のようです。
この大聖堂は11世紀に、ロマネスク様式で建てられたもので、地震や地盤沈下などにより、数度にわたって改築されています。
1084年6月、教皇グレゴリウス7世によって奉献されました。(建立年にあたるのかな)

サレルノ大聖堂

平面図は、こんな感じの長方形。
平面形が十字架形のように、左右にでっぱり(翼廊)がついている教会もありますが、この大聖堂はそれはなし。
縦長長方形下部の四角形部分が中庭で、その奥が聖堂(屋根があるところ)。黒いぽつぽつが柱。
一番奥に、3つのくぼみがありますが、これは後陣というのかな、ここにモザイク装飾があります。

 

サレルノ大聖堂

大聖堂というと、ひろびろした広場の向こう側にそびえたつ、というイメージですが、ここの教会は狭苦しいような街中に突然あらわれます。
この大きな壁が、外壁。この向こう側が中庭になります。

 

サレルノ大聖堂

中庭越しに建物をみたところ。
特に豪勢ってほどでもないですよね。

右の柱の右上方向にちらっと見えているのが、鐘楼。全然目に入ってきませんでしたが、歴史的価値があるものだそう。

 

サレルノ大聖堂

教会に向かって右側の回廊。上にちらっと鐘楼が。

 

サレルノ大聖堂

教会に向かって左側の回廊。
複数の種類の石を使って、多色づかいにしています。
(こういう、屋根付き廊下のことをロッジアというそう)
 


■鐘楼
実物は大きすぎて目に入らず、まったく見逃してしまったのだけれど、ここの鐘楼は、アラブ・ノルマン様式で、価値が高いものなのだそうです。
なのでウィキペディアから写真をお借りしました。

サレルノ大聖堂

一辺10メートル、高さ52メートルの塔。
イスラム寺院にも必ず塔はつきもので、イスラム美術の本を読むと細かく解説してあります。

アラブ・ノルマン様式:
シチリアやイタリア南部は10世紀頃(?)、アラブ人に支配されていました。そのあと一旦キリスト教勢力(ビザンチン)が再征服、その後ノルマン人がその地域を支配(ノルマン・コンクエスト)。
アラブの様式と西洋の要素が融合した美術・建築様式をアラブ・ノルマン様式(Norman-Arab-Byzantine culture)というようです。
イスラム的な幾何学模様をあちこちに使った豪華絢爛な美術様式で、好みのタイプ。
なので、これから勉強したいと思いますが、いまのところこれくらいで・・・。
 


■後陣(アプス)

教会堂のつきあたり部分。
とても大きなくぼみが3つあり、そこの内部がモザイク等で装飾されています。
現在綺麗に見られるものは、1954年に修復されたもの。
954年の聖マタイの聖遺物奉納(?)後、千年を記念しての修復のようです。 

サレルノ大聖堂

こちらが中央。聖母マリアと光背。

 

サレルノ大聖堂

このあたりの断片は、中世のものではないでしょうか。色合いなど、参考にしているのが分かります。

 

サレルノ大聖堂

こういった縁飾りの模様に興味があります。これはくぼみのすぐ外側。
 

サレルノ大聖堂

くぼみのすぐ内側の縁飾り模様。
一体何トンのモザイクを使ったんでしょうね・・・。


 

サレルノ大聖堂

左側のくぼみの装飾。
金色のモザイクは、とにかく素敵。本当に光り輝きます。
硬直した人体表現+ゴールド(イコンみたいな感じ)は、ビザンチン美術の特徴のようです。(私はルネサンスより好み)
 

サレルノ大聖堂

こちらは右側。これはフレスコ画で修復されています。
モザイクと比べると、フレスコ画はぺったり平面的。
近くで見ればくっきりしているのかもしれませんが、近視なので、この距離・暗さだと、ぼんやりぼやけて見えます。
モザイクは、発光するような厚みがあり、くっきり感があります。
和服の、染めの帯と織の帯みたいな違い、かも(個人的印象ですが)。
(で、私はモザイク/織の帯のファン)
 

サレルノ大聖堂

フレスコ画をふちどる六芒星のような花のようなモザイク模様も、綺麗でかわいいなあ。

 

サレルノ大聖堂

これは、どこだったっけかな。
えらいひと(司教様)が座る席でしょうか。
左右のモザイクも綺麗だし、その脇の、ロールシャッハテストみたいな大理石パネルもすごい綺麗(4枚スライスを組み合わせているのでしょうね)。

 




■地下聖堂(クリプト crypt)

『地球の歩き方』に地下聖堂が載っていました。
写真もあるものの、白黒でほとんど何も分かりませんが、一応行ってみることにしました。
確か2ユーロのご喜捨が必要でした。

これが!
すっごいの! 

サレルノ大聖堂

息をのむような装飾づくめ。

 

サレルノ大聖堂

柱も壁も天井も、どこもかしこも装飾が施されています。

この地下聖堂は、建築家ドメニコ・フォンタナ(ナポリの王宮)によって17世紀、バロック様式で作られたもの。
バロック様式というのはこれまでもTVや観光地で見たことはあるはずですが、この小さな空間全部がビッシリ統一されていて、そこに包まれているせいか、迫力がすごいです。
 

サレルノ大聖堂

壁や柱は大理石細工。
天井はストゥッコ(立体漆喰装飾)と、フレスコ画。

どこもかしこも、「何これ、ここまでやる!?」という偏執的な装飾状態。

 

サレルノ大聖堂

例えば柱は全部同じ模様にしてあったりするので、作業効率化やコストダウンもある程度出来るとは思いますが、それにしても大変な手間暇です。

 

サレルノ大聖堂

やさしいピンクカラーがベースになっているので、地下聖堂全体が明るめで優しい色合いではあります。
(石の表面が多少風化しているようなので、建築直後はもっと鮮やかだったかも)

 

サレルノ大聖堂

石のパーツを組み合わせて模様になっているだけでなく、細かい線描まで描いてあります。

 

サレルノ大聖堂

この線描、どうやって?と思いましたが、剥落しているこれを見て分かりました。
V字のノミで表面を削り、そこに色つきのパテ(色石の粉+糊的なものかしら)を埋め込んで、こういった模様をつけているようです。

 

サレルノ大聖堂

流麗な唐草模様がすばらしい。
パーツパーツの色石に、それぞれ天然の模様や色むらがあって、味わいが増しています。

 

サレルノ大聖堂

黒ベースのこれも、カッコいいなあ。

 

サレルノ大聖堂

黒地に白、レンガ色、黄色、薄いグレー、濃いグレー・・・。
なんとパーツが多いこと。

 

サレルノ大聖堂

中央の紋章は何なんでしょうね。
 

サレルノ大聖堂

こちらの黒地のパネルもカッコいいなあ・・・。

 

サレルノ大聖堂

黒と黄色って、結構どぎつくなりそうだけれど、薄茶やグレーも混ざって調和がとれています。
丸が4つ並んだところが可愛い。

 

サレルノ大聖堂

こちらは地下聖堂でなくて、地上でみたパネルですが、ここに載せてしまいます。
丸の左右の茶色のところ、模様少な目でやや寂しいですが、一枚ものの石材をたっぷり使う、という意味では、こちらの方がお高いのかしら。

 

サレルノ大聖堂

壺と、上に王冠、ツボには鷲の模様。
王冠にくっついているぽよん、とした花がかわいい。

 


「ま、行ってみっか」くらいのつもりだった地下聖堂で、3人とも圧倒されてしまいました。
どこを見ても何か仕事がしてあって、ひたすらウロウロ。
装飾過剰な空間に酔っぱらったようになって、ふらふらと地上に出てきたところ、更に一か所、見ごたえスポットが!



■講壇(アンボ ambo) 

それがこちら。講壇。
教会堂の中央通路(身廊)の、前よりにあったと思います。
右側の大きい方は、12世紀後半の大司教Niccolò D'Aielloによって寄進されたので、Aiello の講壇(Ambone D'Aiello)と呼ばれています。
反対側やその近くの壁にも同様の装飾があり、こちらは明確な寄進者は不明のようですが、Aiello の講壇と同じ装飾様式なのでやはり同時代と推定されています。
(とてもこざっぱり綺麗なので近年に修復されているのかも)
地下聖堂とはまた違う、イスラム幾何学模様でびっしり装飾してあって、どれだけでも眺めていられます。

サレルノ大聖堂

こちらが大きい方の講壇。
遠目ではほわっと白っぽく見えるのですが、近づくと、びっしり細かい模様が!
 

サレルノ大聖堂

柱の模様。
 

サレルノ大聖堂

こちらも柱。

 

サレルノ大聖堂

バルコニー(?)には、円を5つ組み合わせた模様が。

 

サレルノ大聖堂

それぞれの帯が違う模様になっています。
 

サレルノ大聖堂

たまに鳥などの具象模様も。

輪郭だけ見れば、縦横斜めの直線と円弧。
最少単位のパーツは、三角形、四角形、ひし形などで、幾何学的な平面分割なのですが、それぞれのパーツを色わけすることで、複雑な柄になっています。
こういうデザインって、パターンを覚えればどんどん考え出せるのかもしれないけれど、全体を調和させるのって難しそう。
いまでもイスラム世界の美大などで教えているのかしらん・・。

デザインの考案は無理かもしれないけれど、パーツを設計図通りに並べるバイトがあったら、応募したいなあ。
(それだって、簡単じゃないだろうけれど)

 

サレルノ大聖堂

バルコニー側面。
 

サレルノ大聖堂

別にこの面を、ぺたっと白く塗ってしまっても機能上は問題ないのに、「ここまでやる!?」という細かい模様。
色は、赤、白、金、黒、ターコイズ、程度の少なさなのに、見ていると、地下聖堂の迫力とはまた違う感じで、吸い込まれるような気持ちに。
頭がぽわーんとしてきます。
 

サレルノ大聖堂

こちらは小さい方の講壇。これも同じスタイルで装飾されています。

 

サレルノ大聖堂

でっぱりの部分、柄は左右対称ではないんですね。

 

サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂

側面。
こちらにはクジャクやドラゴン?などの具象模様もありますが、幾何学模様の方に心惹かれます。

 
ぽーっと上を見上げていて、ふと気づくと、床にも装飾がありました。
床は、天然石が材料になっています。
色は、薄いグレー(大理石)、濃緑、臙脂、黄色、白、(黒)。

サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂




壁は、踏まれたりしない場所なので、金箔ガラスや色ガラス、タイルかな。ところどころ天然石も。
ところどころに少な目に使われている水色のものは、タイルでしょうか?石? 少な目ということは、高価なのかなと思ったり。
 

サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂
サレルノ大聖堂





 


ほんと、いいものを見せて頂きました。
3人とも大満足でした。

このあと(街のお店をみたりは全然なしで)、ランチ。
そしてこんなに歩いたのにまさかのポンペイ遺跡へ(!)。きゅう。




■参考情報
トリップアドバイザー サレルノ大聖堂 みんなの投稿した写真が1000枚以上あります

Wikipedia サレルノ大聖堂

モザイクは大変だから、イスラム文様の塗り絵でもするかなあ・・・。
イスラム文様とモザイクのぬり絵ブック

シチリアにも、アラブ・ノルマン様式の教会があるようです。
例えばパレルモのモンレーアレ大聖堂など。
いつか見てみたいなあ。TVでもいいから、やらないかなあ。


アフガニスタンのイスラム美術に関する本
ガーゼルガーの黒い真珠 イスラーム美術の文様 アラベスクの源流を求めて
訳者の西垣敬子さんはもともとはアフガニスタン刺繍に惹かれていた縁で難民支援に参加し、そこで出会った細密画に魅せられて、何のつてもないなかで、現地の美術研究者に直接電話して知り合って訳すことになったそうです。
原稿をもらって訳す、という単純なものではなく、戦争(アメリカによる報復攻撃)で荒れ果てた国を見るにみかねて、私財をつぎ込んで研究支援・女性の教育支援などをずっとしてきたとか。言葉もありません。

 

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