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格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

植草一秀氏の収監を目前にして(その3)

2009-07-27 20:41:41 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

植草一秀氏の収監を目前にして(その3)



―企業献金全面禁止の意義-



選挙権を持たない企業が、金の力で、政治を左右してよいのか!






            弁 護 士  鬼 頭  栄 美 子






元最高裁長官が、八幡製鉄献金事件昭和45年最高裁判決は、政治的配慮から、「助けた判決」であると、意見表明






平成5年(1993年)11月2日、岡原昌男元最高裁判所長官が、衆議院「政治改革に関する調査特別委員会」にて、参考人として意見表明した。退官後のことである。



その意見表明をご紹介する(太字、赤字、アンダーラインは、引用者による)。






(なお、岡原昌男元最高裁判所長官は、八幡製鉄事件昭和45年最高裁判決(1970年6月24日)の約4ヶ月後である1970年10月28日に、最高裁判事に就任しているため、この裁判に、判事として関与してはいない。)






・・・(ここから、岡原昌男元最高裁判所長官の意見表明)・・・



(21発言から)



「企業献金の問題につきまして、例の昭和四十五年の最高裁判決(=八幡製鉄献金事件を指す-引用者)がございますけれども、あの読み方について自民党の中で非常にあれをルーズに読みまして、その一部だけを読んで企業献金差し支えない、何ぼでもいい、こう解釈しておりますが、あれは違います。



我々の立場からいいますと、我々といいますか私の立場から申しますと、あの企業献金というのは、法人がその定款に基づかずして、しかも株主の相当多数が反対する金の使い方でございまして、これは非常に問題がある。



・・・・・(略)・・・・・



本来営利団体である会社でございますから、非取引行為、つまりもうけにならぬこと、これをやることは株主に対する背任になります。もし見返りを要求するような献金でございますと涜職罪になるおそれがある、そういう性質を持ったものでございます。・・・・・(略)・・・・・」






(40発言から)



「企業献金そのものが悪とか善とかということよりも、法律的に余り理屈は通らないものであるということだけば申し上げたい・・・・・(略)・・・・・つまり適法性がない・・・・・。・・・・・(略)・・・・・企業献金というものが現在のような形で数百万、数千万あるいは億といったような単位で入ってくるというのは、これは悪です・・・・・(略)・・・・・これはあるべからざることである。だから、これを何とか直してもらわなきゃいかぬ。」






(49発言から―吉井秀勝氏の質問)



「・・・この企業・団体献金の全面禁止ということについてはどういうふうなお考えでしょうか。」






(50発言から)



「できればそういう方向(=企業・団体献金の全面禁止の方向―引用者)に行きたいと思います。・・・・・(略)・・・・・これだけ企業献金がその当時、あれは昭和三十五年の事件でございます、行き渡っておったのでは、最高裁があれをやれるわけがないです、違憲であるとか違反であるというふうなことに。全部の候補者がひっかかるような、そういうことは実際上としてやれない。したがって、あれは助けた判決、俗に我々助けた判決というものでございます。・・・」





(以上、平成5年(1993年)11月2日 衆議院 政治改革に関する調査特別委員会 会議録より)



「国会検索議事録システム」で検索し、トップ画面から「簡単検索」あるいは「詳細検索」に入り、日付、発言者名などを指定すれば、上記発言の全文を読むことができる。






・・・・(岡原昌男元最高裁判所長官の意見表明引用、ここまで)・・・・






岡原昌男元最高裁判所長官は、歯切れ良く意見表明をし、極めて重要な指摘をしている。



特に重要な(40発言)と(50発言)について、指示語を補い「翻訳」すると、次のようになる。






 「企業献金は全面禁止する方向に持っていくのが、正しいと思っている。」






 「そもそも、企業献金は、悪である。そして、善悪以前に、企業献金を、法律的に適法であると理論的に説明することはできない。理屈が通らない。つまり、企業献金は『違法』である。」



 



「しかし、八幡製鉄献金事件(八幡製鉄が、与党政党に献金した事件)が起きた当時、つまり、それは昭和35年のことであるが、その当時、企業献金は、全部の候補者(政治家全員~おそらくは、与党政治家の圧倒的大半と言いたかったのであろう)が受け取っている状況であった。」






「そのような状況で、最高裁が、『アレ』をやれるわけがない。



だから、本当は、適法性がない=『違法』なのだが、『アレ』はやれなかった。」






「『アレ』とは、何か。



司法府に与えられた伝家の宝刀、違憲立法審査権(憲法81条)を行使することである。



つまり、『伝家の宝刀』を抜き、『違憲・違法の判断を下すこと』である。






そのような『アレ』(=『伝家の宝刀』を抜くこと)は、昭和45年の判決当事、全部の候補者(政治家全員~おそらくは、与党政治化の大半)が同じことをしていたから、『実際上』(=『政治的配慮』から)、どうしても、やれなかった。」






「つまり、『赤信号、みんなで渡れば怖くない』状況を前に、『信号は、赤だ』と言うことができず、『信号は、青だった』ことにして、見逃してやった。」






「だから、我々は、八幡製鉄事件のことを、俗に、『助けた判決』と呼んでおるのです。」






以上の翻訳を踏まえ、元最高裁判所長官の意見を要約すると、重要なポイントは次の5点である。






①企業献金は、善悪以前に、そもそも法律的に理屈が通らず、適法性がないこと



②現在のような数百万から億といった企業献金は悪であり、何とか直してもらいたいこと



③企業献金は、全面禁止の方向に向かうべきであること



④八幡製鉄事件が起きた昭和35年当時、政治家が皆受領していたので、最高裁としては、違憲だとか違法だとか言えるわけがなかったこと



⑤八幡製鉄事件昭和45年最高裁判決は、政治的配慮から、やむなく、「助けた判決」であること



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







司法消極主義については、滅多に抜かないからこそ、『伝家の宝刀』なのは当然であるが、あまりに『抜かなさ過ぎ』で、剣が錆付いているのではあるまいか。憲法が司法府に与えた責務を十分に果たしていないのではないか、との疑問を呈しておく。






そもそも、司法府は、少数派の人権擁護の砦であり、多数派の横暴を、法理論と理性をもって制することこそが期待されている。



しかし、上記岡原昌男元最高裁判所長官の意見表明でも明らかなように、残念ながら、司法府は、万能薬ではあり得ない。



また、そもそも、司法の力では、いかんともできず、立法の力をもって局面を打開しなければならない場面も多い。






立法を担当するのは、憲法上は、立法府(憲法41条)である。



そして立法府のメンバー、つまり明日の国政を担う議員達を選ぶのは、有権者たる国民(憲法15条、43条、44条)である。






主権者である個々の国民(有権者)は、選挙を通じて、政治の方向性・あり方を決めることができる。国民(有権者)一人ひとりの手に、国の行く末を決定する一票が委ねられている。その集積こそが、国の未来を決定する。



「偽装CHANGE勢力」に騙されることなく、賢く投票しなければならない。



票を集中させることがポイントである。






また、総選挙の際には国民審査も行われること(憲法79条2項、3項)を、忘れてはならない。国民審査は、国民が裁判所に対して直接に意見を言える、数少ない貴重な機会である。無駄にしてはならない。






ブログや掲示板投稿などを通じ、自由闊達に政治的意見を表明することも、現在であれば可能である。「おかしい」ことは、「おかしい」と意見表明していくこと、それもまた政治への参画であり、大きな意義がある。






① 一人ひとりの個々人が、自分にできることを考えて行動すること、



② 次期総選挙で、賢く投票すること、そして、



③ 優れたオピニオン・リーダーである植草一秀氏を、見守り続けること



が重要であると考える。






とりあえず、何をしたらいいか分からないという人は、



(A) 植草氏ブログ、また、植草氏ブログで紹介された各ブログへの応援クリックを、毎日必ず押し続ける



のが良いと思う。



(B) そして更に重要なことは、それらのブログを、周囲の人達にどんどん薦めていくことだと



思う。






植草氏ブログには、植草氏の珠玉の論考が連日綴られている。それは世相に鋭く切り込み、悪徳ペンタゴンの隠れた意図を剥ぎ取り、警鐘を鳴らすものである。目からうろこが落ちること請け合いだ。まだの人は、最初から通読することをお薦めしたい。



より多くの人達が植草氏ブログを読むようになり、また、人気ランキングが更に上がれば、今以上に多くの人達が植草氏の意見を目にするだろう。



転載先の阿修羅掲示板での拍手クリックも同様である。






植草氏不在中も、毎日、応援クリックや拍手クリックを押し続けてほしい。



一人ひとりの小さな一歩の積み重ねが、大きなうねりとなり、歴史を動かすと信じている。



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