ダマスカス留学生有志による情報ブログ

ダマスカス留学生有志とそのOBがアラビア語やイスラームについての情報をお送りします。

「人質の無条件解放を」イスラミックセンターISISに抗議声明

2015年01月24日 | new◇イスラームとテロ

日本のモスクやイスラーム団体も解放を祈って、ISISに抗議声明を出しています。

この声明に対する日本の一般の方たちからの声が、暖かいです。
ジャザーフムッラーフ ハイラー。
一刻も早い解放を祈りましょう!


J-CASTニュース 1月23日(金)16時54分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150123-00000004-jct-soci

イスラミックセンタージャパンFacebook 


在日ムスリム団体「イスラミックセンター・ジャパン」(東京都世田谷区)が2015年1月23日、抗議声明をフェイスブック上に発表:

声明文全文(日本語の他、英語、アラビア語で同時に配信されました。)
「我々は、イスラム国が重大な過ちを犯しているとみなしています。そして、イスラム国が良識的な意見に耳を傾け、人質を即座に且つ無条件で解放するように要求します。

日本では、我々イスラム教徒は平和的に過ごしています。欧米諸国で見受けられる様な、イスラム教徒に対する差別やハラスメント、そして屈辱を受けるといったことも、日本ではありません。ヒジャーブ(頭につけるスカーフ)やニカーブ(目以外を覆い隠す格好)をしたイスラム教徒の女性に対して、危害を与えるといったような事例は一つもありません。

日本にいるイスラム教徒は自由に宗教活動を実践しています。モスクを建てたり、イスラム教の啓蒙活動を行う際に、政府から干渉を受けることもありません。


日本はイスラム国を含め、いかなる国に対しても宣戦布告をしない世界で唯一の国であるということです。なぜならば、日本の領土が侵された際の自己防衛の場合を除いて、いかなる軍事活動も、憲法によってはっきりと禁止されているからです。」

(Arabic & English follow Japanese)イスラミック・センター・ジャパンは、2人の日本人の人質を殺害するという脅迫を非難します。
(2015年1月22日 東京にて)

イスラミックセンタージャパンは、2人の日本人の人質、後藤健二さんと湯川遥菜さんを殺害するというイスラム国の脅迫に対して、抗議します。イスラム国は数カ月に渡り、彼らを人質として拘束しています。
我々は、イスラム国が重大な過ちを犯しているとみなしています。そして、イスラム国が良識的な意見に耳を傾け、人質を即座に且つ無条件で解放するように要求します。


上記を主張するにあたり、以下の様な理由が挙げられます。
・日本は、パレスチナとイスラエルが紛争をしている際に、パレスチナに対して支援をする等、多くの場面において、相対的に公正な立場をとってきました。欧米社会から激しい圧力があったにもかかわらず、日本は長年このような公正な姿勢を貫いてきました。

日本はパレスチナにとって、最大の援助国です。ガザ地区、及びヨルダン川西岸地区において、数多くの復興プロジェクトを実施してきました。それらは、日本政府及び日本の団体からのみの資金援助によりなされてきたのです。

・日本では、我々イスラム教徒は平和的に過ごしています。欧米諸国で見受けられる様な、イスラム教徒に対する差別やハラスメント、そして屈辱を受けるといったことも、日本ではありません。ヒジャーブ(頭につけるスカーフ)やニカーブ(目以外を覆い隠す格好)をしたイスラム教徒の女性に対して、危害を与えるといったような事例は一つもありません。

・日本にいるイスラム教徒は自由に宗教活動を実践しています。モスクを建てたり、イスラム教の啓蒙活動を行う際に、政府から干渉を受けることもありません。

・しかし、おそらく最も重要な理由は、日本はイスラム国を含め、いかなる国に対しても宣戦布告をしない世界で唯一の国であるということです。なぜならば、日本の領土が侵された際の自己防衛の場合を除いて、いかなる軍事活動も、憲法によってはっきりと禁止されているからです。

・よって、日本の首相は「テロと戦う為」に2億ドルを拠出することを表明しましたが、決してイスラム国に対する軍事的行為を支援するものではありません。その2億ドルの支援金は、長期の紛争によって住む所を失ったシリアとイラクの難民を支援するためのものだと、すでに計画されていました。日本社会そして日本のメディアも、今では、支援金を言い表すのに、首相は「テロとの戦い」という言葉を使うべきではなかったと認識しています。なぜなら、その支援金はテロとの戦いの為ではなかったし、そのような目的の為には支援金を使えないからです

一方で、我々イスラミックセンタージャパンは、イスラム国に対して警告します

日本人2人の人質を殺すことで、日本人のイスラムに対するイメージ、そして日本に住んでいるイスラム教徒に、とても大きな影響を与えることでしょう。このような影響に対して、我々は全能のアッラーの前で、イスラム国が責任を負うべきだと主張します。

なぜなら、日本人の人質を殺すことについて、いかなる弁解の余地もなく、正当性もないからです。


人質の殺害は、コーランの教えにも反します。アッラーが、コーランのAl-Mumtahana(試問される女)章8節で述べられています。

「アッラーは、宗教上のことであなたがたに戦いを仕掛けたり、またあなたがたを家から追放しなかった者たちに親切を尽くし、公正に待遇することを禁じられない。本当にアッラーは公正な者を御好みになられる。」


従って、我々イスラミックセンタージャパンは、ただちに、そして無条件で人質を解放するように、重ねてイスラム国に要求します


イスラミックセンタージャパン


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一刻も早く二人の解放を!広がる祈り

2015年01月22日 | new◇イスラームとテロ

一刻も早く、二人の解放を!その祈りは広がっています。

転載:

NHK動画東京のモスク(東京ジャーミー)が2人の解放求める声明

東京ジャーミイの広報担当、下山茂さん:「同じイスラム教徒がこうした事件を起こして残念です。拘束や殺人はイスラム教の教えでも許されない犯罪で、イスラム国は、主張したいことがあるのなら人質を取るなどせず、平和的な方法で解決してもらいたい」

今晩(1月22日)から明日のマグレブ(日没の礼拝。23日16:58 東京。各地の時間)前までは、ドゥアー(祈願)が叶えられる金曜日です、インシャーアッラー。

どうか、一刻も早いお二人の無事の解放と帰国を、アッラーにドゥアー(祈願)お願いいたします。


写真:東京ジャーミーの金曜礼拝の様子


過激派についての質問

2015年01月20日 | new◇イスラームとテロ

フランスでの出版社襲撃はイスラームで正当化されますか?

世界中のイスラーム学者達は、仏週刊誌社襲撃を批判しています。

エジプト・カイロにあるイスラーム教スンニ派の最高権威機関アズハルは、襲撃事件直後に、他のイスラーム団体に先駆けて声明を発表し、「イスラム教はいかなる暴力も糾弾する」と彼らの行動を批判しました。

http://eng.dar-alifta.org/foreign/ViewArticle.aspx?ID=645&CategoryID=1

 襲撃事件に関して、イスラーム法学者たちは批判声明を出していますが、日本語のニュースにはあまりならない、という現状があります。

また、イスラーム教の聖典クルアーン(コーラン)にはこうあります。

【人を殺した者、地上で悪を働いたという理由もなく人を殺す者は、全人類を殺したのと同じである。
人の生命を救う者は、全人類の生命を救ったのと同じである。】(食卓章5:32)

預言者ムハンマド様(彼にアッラーの祝福と平安あれ)ご自身も、何年にもわたり、ご自分を侮辱したり迫害してき人々を、無条件でお赦しになりました。(ヒジュラ暦8年マッカ無血開城)

ですから、彼らの行動を正当化する要素は、イスラームにはどこにもありません。

 

Q:アッラーまたは預言者様を冒涜した場合は「地上で悪を働いた」ことにはなりませんか?

A:イスラームでは、今回のような冒涜によって、一ムスリムによる殺人が許されることはありません。
冒涜は悪いことですが、それが死刑などの刑罰の対象になるかどうか判断するのは、一ムスリムではなく、
裁判所、もしくは裁判官であり、それ以外の人が行う制裁は、ただの殺人であり「犯罪」です。

日本で、誰かが名誉棄損行為を行ったからと言って、勝手に相手を殺すことが許されず、「犯罪」になるのと同じです。

 

Q:力、殺人、戦争が肯定されることがイスラームにあるのか、またあるならばどのような条件ですか?

A:イスラームで殺人が許されるのは、裁判で死刑判決が下った場合、戦争が許されるのは自衛の戦いです。
相手が武器を持って殺しに来る場合、黙って殺されなさい、ということはなく、自衛の戦いは許されています。
しかし現在、過激派が行っているような、無実の一般市民を殺すことは、それがムスリムであってもムスリムでない方であっても宗教の差別なく、イスラームではまったく許されておらず、禁止されています。

 

Q:過激派組織が行うことは正しいと思っているムスリム(イスラーム教徒)も一部いるようですが。

A:現在は自分の都合のいいようにクルアーン(コーラン)を勝手に解釈して行動する人が多いことに、大きな問題があります。
イスラーム学は、医学や工学と同じように、ひとつの学問で、専門知識が必要です。

医学を学んだことのない人が手術をすれば、大変危険なように、イスラームの専門知識のない人が、クルアーンを自分勝手に解釈して行動することは、大変危険です。

もし襲撃が正しかったと言う人がいたら、その人にイスラームについて尋ねたりしないことが大切です。
医学を学ばずに「私が手術する」と言う人がいたら、病人を助けたいという彼の善意は認めても、決して手術は頼まないのと同じです。

また、今回のような事件がイスラームで正しいかどうかは、イスラーム世界で高い権威を持つスンニ派の最高権威機関アズハルのファトワ(宗教見解)で確認できます。(英語、フランス語、ウルドゥ語、インドネシア語など9か国語)http://eng.dar-alifta.org/foreign/ViewArticle.aspx?ID=645&CategoryID=1

ムスリムが、ファトワの元であるクルアーンや、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)のスィーラ(伝記)やハディースを通して正しいイスラームを知ること、こういった一人一人の努力が、今回のような犯罪をなくすことにつながっていくのではないでしょうか。

 

【祈願のお願い】

過激派組織ISISの映像に出ている日本人お二人の方の安全と無事の解放をどうかドゥアー(祈願)お願い致します。

世界中でイスラームの名を語った犯罪行為がこれ以上増えないように、暴力の連鎖が止まるように、シリアや世界中の難民の方たちにアッラーのご援助が'あるように、ドゥアーをどうかお願いいたします。

アッラーへの祈願の方法のひとつに「サラ―ト・ル=ハージャ(必要を満たすため礼拝)」があります。 

礼拝ができない方も、このドゥアーを読むことができたら、どうか一緒にドゥアーをお願いいたします。


仏週刊紙 預言者風刺画 再掲載についての質問

2015年01月18日 | new◇イスラームとテロ

Q:仏週刊紙 預言者風刺画 再掲載について、あるイスラーム教徒からの質問:

預言者ムハンマド様(彼にアッラーの祝福と平安あれ)のイメージを傷つけようとする
ひどい風刺画に対して、実際にどんな抗議をすべきですか?

 

A:イスラーム学者の回答:

あなたの品行と人徳によって、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の真実の
イメージを描き出すという抗議をしてください。
 
 
 
回答者ハビーブ・アリー・アル=ジェフリー師(預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ))のご子孫のお一人でイスラーム学者) 
 



 

写真:世界中のイスラーム教徒が訪れるサウジアラビアのマディーナにある預言者モスクにある

ムハンマド様(彼にアッラーの祝福と平安がありますように)のお墓

 

関連記事:

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仏週刊紙テロのイスラーム的見解

2015年01月09日 | new◇イスラームとテロ


転載:要旨:ハビーブ アリー(アッラーが彼をお守りくださいますように)の投稿より

パリで起きた極悪非道な犯罪を、「預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はカアブ・ブヌ・アシュラフのようにご自分を侮辱し迫害した者を殺す事を妨げなかったから」と理由づけて、正当化する人々がいますが、それは間違いです

預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)は、ご自分を侮辱したからという理由で誰かを殺すことを命じたことは決してありませんでした。


カアブや他の限られた数の人々が殺される事になったのは、生まれたばかりのムスリム社会に対する戦争を準備していたからで、その戦争によってより多くの人々の血が流れるのを妨げる為でした。

その証拠に、ヒジュラ歴8年にムスリムたちがマッカの無血開城を行った際、カアバ神殿の周りに集まったマッカの多神教徒たちの処分に関し、彼がおっしゃった言葉は


「行きなさい、あなたたちは自由ですから。」でした。


彼ら多神教徒の多くは、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)を何年にもわたり侮辱したり迫害した人々でしたが、それにもかかわらず、無条件でお赦しになりました。


また、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)のための復讐などという嘘の理由はもうたくさんです。例の新聞社が預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)を侮辱する漫画を掲載したのは2006年(訳注:又は2012年?)の事です。

アル=バグダーディー※を馬鹿にする漫画が出たのは先週でした。
※過激派組織イスラム国(ISIS)のリーダー


彼ら犯罪者の水曜日の殺人は、例の漫画以上に預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の教えを傷つけていることに加え、漫画のウソを「真実」だと社会に思わせてしまうでしょう。
そうならないように、アッラーのご加護を求めます。

2014年1月9日(金) ハビーブ・アリー・ジェフリー師(アッラーのご加護あれ)

 

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過激派組織「IS」が本当のイスラームと違っている理由

2014年11月06日 | new◇イスラームとテロ

日本では、テレビやメディアで「IS(アイエス)」のことを、「イスラム国」という名前で呼んでしまっているため、彼らのしていることがイコール、イスラームの教えだ、と誤解してしまう方がいるかもしれません。

しかし、世界中の大多数のムスリム達は、彼らの行っていることをイスラームの教えに沿っていない、と批判しています。


日本では、中東やイスラーム諸国からのニュースは取り上げられないので、知らない方も多いかもしれませんが、実際に、世界中のイスラーム学者達は、ISのトップに向けて、忠告する公開書簡を送っています。

その書簡の要点(実際の書簡はA4にして32ページの詳しく丁寧な物です)の日本語訳を、こちらに掲載します。

 

彼らの言動には、イスラーム学者たちがこの文書の中で指摘するような、イスラームに反している点が、いくつもあります。(この書簡の要点で取り上げたものだけでも、24点あります)

日本でも以下のように、声を発している有識者の方たちもいます。

 

「現実にイスラム国がやっていることは、元来のコーランやイスラムの教えとはまったく違う。

罪もないシリアの人々から強奪し、言うことを聞かなければ虐殺すらする、

名ばかりの“イスラム”にすぎない・・・」(奥田敦 慶応義塾大学教授)

参照:http://www.kanaloco.jp/article/78513 神奈川新聞


ただ、彼らのことを、ムスリム(イスラーム教徒)ではない、と断言することは誰にもできません。イスラームでは、信仰は心の中のことで、人が判断することではないからです。

アッラーを信じていると言っている人が、殺人を犯していても、盗みを働いていても、どんなひどい犯罪をしていようと、他人が、あなたはムスリムではない、と言うことはできません。イスラームの教えから完全に逸れてしまい、アッラーに背いている状態であっても。


日本では、もしかしたら誤解されている方もいるかもしれないので、繰り返しますが、彼らのことを日本では、テレビや新聞で、「イスラム国」と呼んでしまっていますが、ISはイスラームの教えに沿っているわけではまったくありません。イスラームとは逆のことをして、イスラームに背きながら、彼らは自分たちのことを「イスラム国」と自称しているだけなのです。 

その名前だけで、イスラームを体現しているように誤解されている方がいたら、どうか教えてあげてください。イスラーム世界では、イスラーム学者たちやイスラーム団体が、彼らに、以下の書簡を送って、彼らが自分たちが間違っていることに気づくことができるよう、誠実に忠告をしています。


彼らの言動のどこがイスラームに沿っていないかは、以下の書簡の内容の要点をお読みいただいて、ご理解いただければ幸いです。

 

慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において 

イスラーム諸団体からISIS(イスラム国)への公開書簡の要点より

(イスラームの教えに反する彼らの言動⇔イスラームの重要な大原則) ※一部意訳

書簡の詳細は、http://lettertobaghdadi.com/

 

1.イスラーム法の見解を出す事が許されるのは、イスラーム法基礎学の文献で述べられている「ムフティー(イスラーム法学の見解を出すため、イジュティハードが可能な者)の条件」を満たす者だけであり、それ以外の者は勝手にイスラームの名のもとに見解を出してはならない

また、クルアーンやスンナ全体を考慮せず、クルアーンの一節或いはその一部を単独で根拠に引用し、独自の見解を出してはならない


2.イスラーム法的見解は、アラビア語に精通している者しか出す事は出来ない(訳注:アラビア語話者と言うだけでは不十分で、アラビア語学の専門的知識が必要)

 

3.イスラーム法を安易に考え、イスラームの専門的知識の無い者達に任せてはならない

 

4.イスラームにおいては、ムスリム社会に住む者なら誰でも知っている様な根本的な事以外においては、学者間の意見の相違が許される余地がある(訳注:自分達の意見のみが正しいイスラームで、他の意見は間違っていると見なしてはならない)

 

5.イスラームにおいては、法的見解を出す際に、適用対象の「現状」を考慮する必要がある

 

6.イスラームでは、無実の人を殺す事を禁じている

 

7.イスラームでは、(訳注:例え敵であろうと)使者を殺す事を禁じている。ジャーナリストや援助団体の職員たちは使者と見なされるので、殺してはならない(訳注:使者のみならず、戦いの際でも敵方の非戦闘員を害する事は禁止)

 

8.イスラームにおいて、「ジハード」は防衛的なものであり、且つ、イスラーム法に沿った原因、方法、目的を満たさなければならない

 

9.イスラームでは、明らかに不信仰な言動を行った者以外は、不信仰者と見なす事を禁じている

 

10イスラームでは、啓典の民に、害を加えてはならない(訳注:啓典の民のみならず、宗教を理由に、無実の人を害してはならない)


11.ヤズィーディー教徒は、啓典の民と見なされるべきである


12.イスラームにおいては、イスラーム学者達が一致してその放棄を認めた奴隷制を、復活させてはならない


13.イスラームにおいては、宗教の強制を禁じている


14.イスラームでは、女性の権利を尊重しなければならない


15..イスラームでは、子供の権利を尊重しなければならない


16.イスラームでは、刑罰を適用する前に、公正さと慈悲を保証する正当な手続きを経なくてはならない(訳注:専門知識があり、公正で慈悲に満ちた見解を出せる裁判官の裁定なくして刑罰は実行されない。イスラームの刑罰は、少しでも疑わしい所があれば実行されない)


17.イスラームでは、人々を拷問にかける事を禁じている


18.イスラームでは、死体を痛めつけることを禁じている


19.イスラームでは、自分が行った悪事を至高なるアッラーのせいにする事を禁じている


20.イスラームでは、預言者様達(彼らの上にアッラーの祝福と平安あれ)やサハーバ(彼らの上にアッラーのご満悦あれ)の御墓等を破壊する事を禁じている


21.イスラームでは、統治者が人々の礼拝を許している限り、明確な不信仰の言動以外の理由で、統治者に謀反を起こす事を禁じている


22.イスラームでは、イスラーム共同体の合意(イジュマーウ)なくして、カリフを宣言してはならない


23.自分の祖国に属する事は、イスラームにおいて合法である


24.イスラームでは、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の亡き後、必ずしも全員がヒジュラをしなければならないわけではない

*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-


イスラーム世界の本当の問題は、ムスリム達の、自分の宗教に対する無知や無学です。

ムスリムであっても、クルアーンを読んだことがない、イスラームの教えを学んだことがない、という人たちが、イスラーム世界に大勢いること、です。


ISと戦う武器は、「教育」です。正しいイスラームを知ってもらうこと、これが彼らを一番弱体化できる戦力です。


この書簡によって、間違った主張に騙されるムスリムの若者たちが、これ以上増えませんように。


日本のメディアの偏見や誤解を産む呼称による悪影響で、まったく関係のない日本中のムスリムの子どもたちに、憎しみや偏見が向けられることがありませんように。

 

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