ダマスカス留学生有志による情報ブログ

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リーダーとは?

2017年01月06日 | ★イスラームって?(初級~)

イマーム・ガザーリー『イヒヤーウルームッデーン』より:

ある人は語りました。

「私は、彼が砂漠に入ったときの道ずれでした。 彼が、

「あなたか、私のどちらかが(旅の)リーダーであるべきだ。」

と言ったので、私は、

「あなたにお願いします。」

と言いました。

「それでは、あなたは私に従わなければなりません。」

と彼が言ったので、私は、

「それでよろしいです。」

と同意しました。


それから彼は、袋をとり、重い荷物をその中につめ、背中に背負いました。私が、

「私にそれをよこしなさい。」

と言うと、

「あなたがリーダーですと言いませんでしたか?そうでしょう、それなら私に従わなくてはなりません。」

と答えました。

その夜、雨になりました。

彼は私の枕元に、朝まで立って彼の着ていたマントで、私を雨から守りました。

その時私は、(そこに座ってあなたがリーダーですと言った矢先に、死んでしまいたかった。)とひとりごとを言いました。※


※自分がリーダーだと言ったせいで、彼が重荷を負うことに気付かなかった自分の思慮のなさを嘆いて、もしくは、それをアッラーに問われるのではないかと恐れて、ということか。

 

イスラームでは、トップに立つリーダーというのは、このような旅のリーダーであっても、一国の王様であっても、人々のために一番よく働く人、ということに変わりはありません。

ムハンマド様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の教友の、ウマル・イブン・アル=ハッターブ様(アッラーのご満悦あれ)が、カリフ(イスラーム国家のトップ。後継者)となった時の逸話があります。

イスラーム国家の公正さを維持する責任を負った時、彼は他の人を裁くよりも、もっと彼自身を厳しく裁いていました。

彼(アッラーのご満悦あれ)は、こう言いました。

「もしロバがイラクでつまづいたのなら、アッラー は最後の審判の日、なぜそれのために道を片付けなかったのか、と私に尋ねられるでしょう。私はそれを心配する。」


彼のカリフ時代に、国がひどい飢饉にみまわれたとき、彼が一番多くしたドゥアー(祈願)は、イスティグファール(アッラーに自分の罪の許しを求める祈願)でした。

彼は泣きながら、アッラーにお許しを求め、

「どうか私の時代に、自分の罪で、イスラーム国家を破滅させないでください!」

とアッラーに涙ながらに祈っていました。


飢饉の間、彼は、すべての国民が肉を食べられるようになるまで、決して自分は肉を食べませんでした。

 

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