ダマスカス留学生有志による情報ブログ

ダマスカス留学生有志とそのOBがアラビア語やイスラームについての情報をお送りします。

タジュウィード(クルアーン読誦法)学習者の方へ

2017年10月22日 | イスラーム講座(上級)

タジュウィード(クルアーン読誦法)学習者の方用に、クルアーンの読誦が聞けるサイトのご紹介です。

http://tanzil.net/#1:1


左側の読誦者を選ぶところで、カーリウ(クルアーン読誦者)を選べます。

いろいろ聞いて自分の好きなカーリウを見つけるといいですね。

 

タジュウィード(クルアーン読誦法)を習っている方にお奨めのカーリウをご紹介しておきます。

一番上から2番目の「AbfulBasit(Mujawwad)」 師はとてもゆっくり読んでいて聞き取りやすくお奨めです。

Mujawwad というのは、クルアーンの本を開いて、そこから詠んでいるので、暗誦している状態よりも間違いがありません。(Mujawwad と書いていない方のものは、すべて暗記して暗誦で詠んでいます。すごいですね、マーシャーアッラーΣ('◉⌓◉’))

一番上の AbfulBasit 師もわかりやすいです。

Basfar 師という方のも、はっきりしてゆっくりで、練習には最適です。


きれいな読誦を沢山聴くと、耳が慣れて、インシャーアッラー、自分の詠み方を直す時も、どこが違うかわかるようになると、とても楽です。

 

クルアーンの意味を知りたい方は、ムスリム、ノンムスリム関係なく、以下のサイトから、クルアーンの日本語訳を一冊無料で送ってくれます。

無料で人間のガイドブッ クを希望の方


日本語訳はネット上でもご覧になれます。

こちらをクリック➡ 

 

クルアーンは、人生に必要なことがすべて書いてあるとても大切な本、沢山の方に読んでもらえるといいですね。

意味が分からなくても、聴いているだけで心が浄化されるので、心が疲れている時に聞くと、ヒーリング効果も期待できます✨ ✨ ✨

世界中の人達にアッラーのご加護がありますように。

 

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善行が、絵に描いた餅になる時

2017年08月17日 | イスラーム講座(上級)

ズルヒッジャ月最初の10日間の徳~2016年8月30日心の強化プログラムから抜粋~

 

イスラームでは、「善い行い=崇拝行為(礼拝や断食etc.)」のみ、と思う人が、ムスリム(イスラーム教徒)の中にも多くいますが、実は、それは間違っています。イスラームにおける善行にはお祈りや断食などの「崇拝行為」と、「人との良い関係を身につけること」の二種類があります。そして、崇拝行為の方は「手段」であって、「目的」ではありません。つまり、崇拝行為の目的は、人との関係を改善し、人々と良い関係を築き、社会に善い影響を与えることです。崇拝行為だけをして、人との関係に気を払わないという状態は、せっかくの崇拝行為が何の効果もなく、絵に描いた餅のようになっていて、本来の目的が果たせていない状態です。

 

崇拝行為の成果は、日常の人との関係が改善され、人々との関係がよくなり、人を許すことできるようになり、人に微笑みかけることができるようになり、仲が悪い人たちを仲裁することができるようになることです。そういった善行ができるようになるために、イスラームの崇拝行為はあります。自分の崇拝行為の成果が、日常生活で現れているかどうか、をよく注意して、気を付けて見なければいけません。

 

崇拝行為をしているのに、人に対する振舞いが善くならない人は、まるで、夢の中で食事をしているようなものです。夢の中でどんなにたくさん食べても、起きたらお腹がすいたままで、夢の中の食事は、実際にお腹を満たしてくれず、体に栄養も与えてくれません。つまり、夢の中の食事には、全然利益がありません。

 

崇拝行為をしているにもかかわらず、怒りっぽかったり、人に対する振舞いが改善されない人は、崇拝行為が正しく行われていない結果です。自分が以前に比べてより良い人間になっていることが、崇拝行為がアッラーに受け入れられている印です。そうでなければ、何か問題があるサインなので、自分で自分の崇拝行為をチェックして改善していかなければなりません。

 

自分の崇拝行為が、アッラーに受け入れられている印は、周りの人との関係が改善されることで、つまり、人との関係が改善されていれば、アッラーとの関係も改善されています

 

イスラームが目的としているのは、人々との関係が良くなるための崇拝行為をすることです。ニュースで流れるような人々にひどいことをしている人たちは、彼らの崇拝行為に問題があり、崇拝行為が、本来の目的を果たせていない結果です。彼らは間違ったことをイスラームだと主張し、人々に崇拝行為を嫌悪させ、イスラームを嫌悪させていますが、問題は、彼ら自身の崇拝行為が、正しく行われていないことです。そのために、その成果が、日常生活に、人との関係の改善という形でまったく表れていないのです。

 

例えば、お祈りを沢山して、断食もしているけれど、自分の奥さんにひどい行いをしている人は、彼が行っている崇拝行為に問題があります。崇拝行為の目的である、奥さんへの振舞いが改善されないということは、彼のお祈りや断食が、アッラーに受け入れられていない印です。ですから、崇拝行為を見直し、正す必要があります。

 

私たちが、アッラーへの崇拝行為の意味を正しく理解し、周りの人との関係を改善していけますように✨ ✨ ✨

 

【心の強化プログラムへの参加方法】(ムスリマ女性限定)
mixlrのリンクを開けて、聞くだけ。とても簡単です。

ムスリマ女性の方で、参加を希望される方は、damas327@hotmail.com までご連絡ください。
                                              
◆心の強化プログラムとは?
シリア留学で日本人ムスリマ達が師事していた先生が、日本人ムスリマ向けに月に2回、海外から生中継で特別講座をしてくださいます。
講義はアラビア語で行われ、日本語の通訳付きで、最後には質問コーナーもあります。
                                       
■先生紹介:ダマス留学生有志の多くがダマスカスでご指導いただいた大学の中等部・高等部・大学学部でイスラームを教えていらっしゃる女性の先生です。

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巡礼月 最初の10日間の徳

2016年09月04日 | イスラーム講座(上級)

慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において

【ズルヒッジャ月最初の10日間の徳】

私たちの元に、アッラーからの贈り物の季節、アッラーが最もお好きな日々であるズルヒッジャ月最初の10日間が訪れました。

 

預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)は、この日々の徳を多くのハディースで述べています。
                                   
1.イブヌ・ウマル様(彼らにアッラーのご満悦あれ)によると、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はこうおっしゃいました。 

《 この10日間よりも、アッラーの元でより偉大な日々はなく、そこでの行いがアッラーにとって、より好ましい日々もありません。ですから、これらの日々には、タハリールとタクビールとタハミード※をたくさんしなさい。 》イマーム・アフマド伝承

※タハリール:「ラーイラーハイッラッラー」(日本語訳:アッラー以外に神はなし)と唱えること
タクビール:「アッラーフアクバル」(日本語訳:アッラーは偉大なり)と唱えること
タハミード:「アルハムドゥリッラー」(日本語訳:アッラーにすべての称賛あれ)と唱えること


                                   
別の伝承には、《 タスビーフ※とタハリールとタクビールとタハミードをたくさんしなさい。》とあります。

※タスビーフ:「スブハーナッラー」(日本語訳:アッラーに讃えあれ)と唱えること


                                    
2.預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はおっしゃいました。

《 この日々よりも、そこでの善行がアッラーにとって好ましい日々はありません。 》アル=ブハーリー他伝承
                                       

また他にも、《 この中での一日の斎戒は一年間の斎戒に等しく、この中で一夜、礼拝に立つことは、(ラマダーン月の)ライラト・ル=カドル (みいつの夜)に礼拝に立つことと同等です。 》というものもあり、他にもこのすばらしい10日間の徳について述べているハディースがあります。


                                       
そのため、この日々の機会を捉え、アッラーのお嫌いなすべての行動を避け、善行への一層の努力を急ぎましょう。
                                     
斎戒、義務の礼拝前後のスンナの礼拝、朝(ドハー)の礼拝や夜の礼拝(キヤーム・ッ=ライル)、クルアーン読誦、クルアーンを読むことができなければ傾聴すること、上記のズィクル(タスビーフとタハリールとタクビールとタハミード)を増やすこと、アッラーを唱念すること、サダカ(任意の喜捨)、親戚関係を良くすること、親孝行etc.の崇拝行為や善行を倍増することです。

 

引用元:イスラームの風より

 

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クルアーンに見るナフス(自我)のレベル

2016年08月02日 | イスラーム講座(上級)

善い状態のナフス(自我)から順に:

1.ナフス・ルムトマインナ(安心大悟している魂)
アッラーのご命令と禁止事項に従い、現世で幸せと安らぎの中に生き、来世でも最も幸福。

クルアーン【(善行を積んだ魂に言われるであろう。)おお、安心、大悟している魂よ、あなたの主に返れ、歓喜し御満悦にあずかって。】89-27,28


2.ナフス・ルラウワーマ(自責する魂)
アッラーを信じているが、弱くなった時に間違いを犯し、反省しアッラーに戻るが、また弱くなった時に間違いを犯すことを繰り返す。アッラーの元で地位があり、貴重。

クルアーン【また、自責する魂において誓う。】75-2


3.ナフス・ルアンマーラトゥビッスーウ(悪に傾く魂)
アッラーのご命令と禁止事項を知っているが、ナフス(自我)がいつも悪いことを命じ、それにいつも従ってしまう。欲に溺れている。ナフス(自我)と戦いがんばれば、1にも行くことができる。放っておくと、4に戻る。

クルアーン【またわたし自身、無欠とはいえませんが、主が慈悲をかけた以外の(人間の)魂は悪に傾きやすいのです。】12-53
 
 
4.ナフス・ルガーフィラ(忘恩の魂)
アッラーを忘れ去り迷っている。人間以外の動物と同じように欲だけに従って生きる。動物はアッラーを知っているが、この魂の持ち主は知らない。

クルアーン【かれらは心を持つがそれで悟らず、目はあるがそれで見ず、また耳はあるがそれで聞かない。かれらは家畜のようである。いやそれよりも迷っている。かれらは(警告を)軽視する者である】7-179
 



4の場合、理性に従わせることは非常に難しい。まずは知識を身に着けること、その後に、それを実践していく。
この4つのレベルの中で、最もこのナフス(自我)との戦いが難しく、上昇するために、かなりの忍耐が必要。

悪いことが習慣化していたら、それを止めるのにも大きな忍耐が必要。
善いことをするのにも大きな忍耐が必要だが、忍耐により、3や2や1にも上ることができる。
頑張れば頑張るほど、アッラーの元での地位は上がり、ナフス(自我)の状態もレベルアップする。
 
最初の一歩が一番大変。


欲とシャイターンが命令して来ることは、あたかも助言の形をとってくるかもしれないが、それには従わないように。
どんなに表面的には良いように見えても、それは欺きなので、シャイターンと自我の命令には徹底的に背くことで、魂のレベルがアップして、どんどん上昇するのが簡単になる。
 
4の自我は、欲に逆らえば逆らうほど弱くなる。従えば従うほど強くなる。
弱くなれば、3へとレベルアップして行ける。強くなればいつまでも4のまま。




レベルアップのための一番簡単な方法:
 
一番簡単な方法は、善いことをし続けること。善いことをしていれば、悪いことをする時間がなくなる。暇になると、習慣化している悪いことに戻ってしまう。
できるだけ空いた時間を善いことで埋めることで、3への道が楽になる。
 
ある場所に行くと悪いことをしてしまうという場合は、そこに行かない努力をする。ある人達と一緒にいると悪いことをしてしまう、という場合は、会わない努力をする。ある時間帯に悪いことをしてしまうのなら、その時間帯を善いことで過ごすように習慣を変える。

原因を遠ざけることで、意志が弱くなった時に悪いことをしてしまうことから守られる。 
悪いことをしてしまう状況を作らないことが大切。
 
1の状態になった魂も、努力が必要。崇拝行為や善行をやり続けることでキープできる。できなくなると、2の状態に下がってしまう。
 
ナフス(自我)はこのようにレベル間を移動する。
 



ナフス(自我)のレベルによって、やってくるシャイターンのささやき:

1のレベルのナフス(自我)に、物を盗むように、や、悪口を言うように、とはシャイターンはささやかない。
例えば、ラマダーン以外の毎週月曜日と木曜日のスンナの断食をしている人に、今日はあなたは疲れているから今日は休んで、体を休めて、別の日にやればいい、というように、一見善いアドバイスのようなささやきがやってくる。それを完全無視し、善行をし続けることで、1のレベルがキープできる。
 
2のレベルのナフス(自我)にやってくるシャイターンは、悪いことをしているのに、後悔させないように、それがまるで善いことのように見せかけるようささやく。

3のレベルのナフス(自我)にやってくるシャイターンは、皆がやっているから大丈夫、と悪行をさせるように、悪いことを薦めるようささやく。
 
1のレベルにやってくるシャイターンのささやきは、善行することを本人から妨げるもの。
2のレベルにやってくるシャイターンのささやきは、後悔することを本人から妨げるもの。
3のレベルにやってくるシャイターンのささやきは、悪行をすることを本人に薦めるもの。
 
 
 
 ※8月2日の心の強化プログラムより。参加希望のムスリマ女性の方は、damas327@hotmail.com までご連絡ください。
 
 

人にしたことは自分に返って来る

2016年07月20日 | イスラーム講座(上級)

 

預言者ムハンマド様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はおっしゃいました。

《 破産者とは、誰のことか知っていますか?》
                                   

人々は、こう言いました。

「私達のところで破産者とは、ディラハム(通貨)も 物も 持っていない人のことです。」

すると、こうおっしゃいました。
                                      

≪ 実に、私のウンマ(共同体)の中で破産者とは、
                                       
(死後の最後の)審判の日に、礼拝や、断食や、ザカート(義務の喜捨)を持ってやって来るが、
                                  

彼は、ある人をけなし、
                               
ある人を中傷し、
                             
ある人のお金を不正に手に入れ、
                                 
また、ある人の血を流し、
                    
ある人を殴り、
                                 

これに対し、彼の善行から(不正を受けた人に)与えられ、
                                    
また、これに関しても善行から与えられ、
                                    

そうして彼の義務を清算される前に、すでに彼の善行が無くなってしまい、
                                    
彼ら(不正を受けた人達)の悪行を受け取ることになり、彼にそれが投げ捨てられ、


                                   
ついには、(地獄の)炎の中に投げ込まれる者です。》 ムスリム伝承
                                     

 

 

~今日の心の強化プログラムから~

ムスリマ女性向けの『心の強化プログラム』の聴講をご希望の方は、damas327@hotmail.com まで 

 

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人から気分を害された時

2016年05月25日 | イスラーム講座(上級)

                                        
誰かが自分のことを批判した時、すぐさまシャイターン(悪魔)は、

「あなたの権利を主張すべきだ。言われもない中傷を取り除くべきだ!」

と、横で旗を振って、相手に応戦することを応援してくれます。シャイターンの目的は、議論して、二人の間に敵意を植え付け、二人ともまとめて地獄に連れて行くことです。

しかし、批判され悪口を言われてもそれに応えず、反対に善いことで返せば、アッラーの元での彼の地位はどんどんあがっていきます。


                                  
ある敬虔な学者は、ある男からひどく批判され、あることないこと自分の悪口を、人々に散々言いふらされていました。そのとき、彼のしたことは、批判に応戦して言い返すことでも、相手が嘘をついていることを、人々に釈明することでもありませんでした。

彼は、自分の悪口を言いふらしている張本人の男の家に、ナツメヤシの詰め合わせセットを持って行き、彼に贈り物として差し出しました。
自分が悪口をさんざん言いふらしている相手からプレゼントをもらって驚いた男が、思わず、

「私が何をあなたにしてきたか、知らないわけではないでしょう?!」

と言うと、彼はこう言いました。


「本当に私はあなたに感謝しています。

私には本当に善行、天国に行くためのポイントが、とても必要です。

あなたは私に、なかなか貯まらないその善行ポイントを、いつもくださるので、私も何かあなたに差し上げなければ、と思ったのです。

本当にどうもありがとうございました。」



この学者のふるまいは、クルアーンにこうある通りです。


【 善と悪とは同じではない。(人が悪をしかけても)一層善行で悪を追い払え。

そうすれば、互いの間に敵意ある者でも、親しい友のようになる。 】クルアーン41-34
                                


この学者は、嫌味で相手に贈り物をしたわけでも、善人ぶるために我慢して、イヤイヤそういう行動をとった訳でもありません。

では、どうして、彼はこんな不思議な行動をとったのでしょうか??


この学者は、ただ、アッラーが自分をどうご覧になっているか、その一点だけのことを考えたのです。


悪口を言われ続けている状態は、自分にとっては、アッラーから、忍耐のご褒美がもらえるばかりで、何も損をしていることはありません。
アッラーはすべてをご存知で、必ず、それを現世でも来世でも、大きなご褒美として、確実に返礼してくださるからです。


                              
自分に対する人の評価よりも、アッラーが自分をどう思っているか、アッラーの自分に対する評価を優先することにより、害を仕掛ける相手に対して、善いことで返すという「クルアーン的ふるまい」がとても簡単になります。

預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はおっしゃいました。


《 誰でも、自分が間違っているときに議論を止める者は、アッラーが、彼のために、天国の下層に家を建ててくださいます。

また、誰でも、自分が正しいときに議論を止める者は、彼のために、天国の中間層に家を建ててくださいます

また、だれでも人格を美しくした者は、彼のために、天国の最上階に家を建ててくださいます。 》 ティルミズィー伝承

 

アッラーが私たちの人格を美しくしてくださいますように。




運命と不安

2016年05月09日 | イスラーム講座(上級)

ムスリム(イスラーム教徒)は、自分が産まれる前から、自分の運命をアッラーはご存知だと信じています。

アッラーだけが私たちの運命をご存知で、私たちの将来をご存知である理由について、アッラーはクルアーンの中でこうおっしゃっています。

 

【 それは あなたがたが失ったために 悲しまないためである。 】(クルアーン 鉄章23)

 

災難に遭った時、何かを失った時、私たちがそれに悲しまないように「運命」というものがあるのです。運命は、私たちから将来に対する心配を取り除いてくださるために、アッラーがくださったものです。

私たち人間が、将来のことを心配することなく、アッラーがお決めになったことに安心して、自分がこの世に生を受けた本来の目的、アッラーのことを知り、この世界に導きという光を届けること、に目を向けることができるように、です。


アッラーは、私たちが現世で抱く様々な心配、リズク(糧、財産)の心配、子どもの心配、仕事の心配、人間関係の心配、将来に対する様々な心配や不安を私たちが持つことがないようにしてくださいました。こういった現世のすべての心配がなくならない限り、人間が本来の自分が創られた目的に集中できないことを、アッラーは一番良くご存知だからです。クルアーンでアッラーはこうおっしゃっています。

 

【 地上において起こる災厄も、またあなたがたの身の上に下るものも、一つとしてわれがそれを授ける前に、書冊の中に記されていないものはない。それはアッラーにおいては、容易な業である。 】(クルアーン 鉄章22)

 

アッラーが私たちに伝えたいこと、それは、何か悪いことが起こっても、何か失ったものがあっても、何も心配することはなく、それはアッラーの英知によるものであり、必ずそれは自分のためになることだ、ということです。

 

何か悲しいこと、つらいことがあった時、何も頼るものはなく、一人で孤独にそれに耐えなければならない時の苦しさ、孤独感、それに比べて、この宇宙を動かし統治しているアッラーのヒクマ(叡智)によって、それが起こっていると知っている安心感、アッラーが常に自分を見ていてくださり、自分に悪いことを決して起こさず、善いことしか与えられないことを知っている安心感、この安心感を与えてくださり、恐怖や不安を取り除いてくださるために、アッラーは私たちに「運命」をくださいました。


アッラーは、このウンマ(共同体)が、アッラーが人間を創った本来の目的、人類すべてに導きを届けること、に向かうことができるよう、人が抱く未来に対するすべての不安や恐怖を取り除いてくださったのです。


自分の運命を握っている御方が、自分を深く深く愛し、母親よりも大きな愛情でいつも見守ってくださっていること、このことをアッラーは、すべての人にどうしても知ってほしいのです。アッラーの愛の中で、私たちが安心して幸せに生きていくことができるように。


参照:ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師(アッラーのご慈悲あれ)「40のハディース解説」

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ムスリムになりました(入信記、体験記)      イスラーム講座(上級) 

「アフガニスタンという国で・・」NGO「ペシャワール会」現地代表、中村哲氏

 

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「怒り」の対処法

2016年03月30日 | イスラーム講座(上級)

 

人と意見が食い違うことは、日常的によくあることです。そして、その延長線上に、喧嘩や関係の悪化があります。人との関係が悪くなるの原因をイスラームでは、「欲が勝ってしまうこと」と教えています。

例えば、もし自分の目の前で、配偶者や友人が自分に対して犯した間違いが発覚した時、あなただったら、どう対処するでしょうか。

そこには3つの選択肢があります。


1. 彼の間違いを批判し、あなたの方が正しいことを相手に理解させ、自分の正しさを証明し、なぜそんな間違いを犯すことができるのか、信じられない、と彼を責める。その結果、お互いの心の中に嫌悪感が残り、喧嘩へと発展する。


2. その場を収めるため、彼を非難せず、許し、お互いに嫌な思いをしないように、彼を慰め、励ます。アッラーのことは考えず、ただお互いの気持ちが悪い状態ならないように、という目的で、怒らないようにする。


3. 自分の正しさを証明することも、相手の間違いを批判することも考えず、ただ、どうしたらアッラーが自分をもっと好きになってくださり、満足してくださるかだけを考える。


イスラームでは、人間族関係が悪くなることの根本的な原因は、アッラーが自分をもっと好きになってくださるように、という高い目標を持って関係を築いていないことだと教えています。そういった人間関係は、現世で、敵同士になってしまう可能性があり、また、それを改善しなければ、来世でもお互いが敵となってしまいます。そのことについて、クルアーンでアッラーはこうおっしゃっています。


【その日(最後の審判の日)、主を畏れる者を除いては、(親しい)友も互いに敵となろう。】クルアーン 金の装飾章43-67


しかし、このことを頭で理解していたとしても、実際に、相手から悪い言葉を投げかけられたリ、ひどい仕打ちを受けたりすれば、怒りが湧きます。その時はどうすればいいのでしょうか。


自分の「怒り」を観察する!?:

まず、自分の怒りの正体を観察することが大切です。

自分が怒っているのが、自分と相手がもっとアッラーに好かれるためなのか、もしくは、ただ、自分の自我がそれを嫌って、怒ることを要求しているだけなのか。

もしただ自分の欲が怒ることを求めているだけならば、アッラーのご満足がある行為は、相手にゆずること、自分の権利を放棄することです。(放棄できるのは、自分個人の権利だけです。詳しくはこちらの質問⑤をご覧ください)

本当にアッラーのご満足だけを求めるのであれば、相手にゆずることができます。相手が自分の権利を害した、自分の尊厳を傷つけた、自分を軽視した、ないがしろにした時、そのときこそ、アッラーのご満足を求める人がどう行動するのかが現れます。


人は、欲に支配された時、理性による分別を失います。

正しいことを間違っていると思い、間違ったことを正しいと思いこみます。そのため、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はこうおっしゃっています。

 

≪ある男が預言者(彼に神の称賛あれ)のもとを訪れ、彼が天国に行くためには何が必要かを尋ねたところ、

預言者は彼に言いました。「怒らないことだ。」≫ブハーリー伝承

 

ここでいう「怒らないこと」というのは、感情ではなく、行動です。

つまり、「怒りを行動に移さないこと」という意味です。

怒りを覚えること自体は、すべての人が感情として感じるもので、どんな人でも怒りを覚えることはあります。アッラーは、人間に不可能なことをしなさい、とはおっしゃいません。怒りを感じないことは不可能ですが、怒りを実行に移してしまわないことは不可能ではありません。

もし相手に対して自分の内側に怒りを覚えた時には、まず、しなければならないことは、「話さないこと」です。なぜなら、怒りを内側に抱えている状態で、どんなに慎重に言葉を選んで話したとしても、必ず、間違うからです。これは、ただ「黙る」ということではなく、怒っている時にすぐに口を開かず、怒りが引いて、冷静になってから、きちんと必要なことを相手に伝え、丁寧に話をする、ということです。ただ、怒りに任せて口から出た言葉は、暴力になりかねません。

なぜなら、怒っている時には、理性による「分別」が失われているからです。

 

少し考えてみてください。今までに、怒った時に言ってしまったことを、後から後悔したことはないでしょうか。

怒りが去ってから考えると、怒った時に軽々しく口にしてしまったことをとても後悔することがあります。では、その気持ちは、怒っている時にはどこに行っていたのでしょうか。怒りが覆い隠してしまったのです。怒りは、欲の中の軍隊のひとつで、それが自分を支配すると、分別や理性を覆ってしまいます。


怒った時にすること:

そのため預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はこうおっしゃっています。

 

≪あなたがたが怒った時に、立っていたら座りなさい。

おそらく怒りは消えるでしょう。

あるいは横になりなさい。≫アハマドの伝承


イスラーム的な怒りのコントロール方法には、他にもウドゥー(お清め)をすることなどがありますが、それについてはまた次回に、詳しくお伝えしたいと思います、インシャーアッラー。 

預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)は、こうおっしゃっています。


≪「本当の強さは戦う人の力にあるのではない。」

すると彼らは「アッラーの使徒よ、いったい誰にそれがあるのですか?」と尋ねた。

すると彼はこう言った。

「それは怒った時に自分自身を制御することが出来る者である。」≫ムスリム伝承

 

私達が、怒りをコントロールして、アッラーのご満足を得ることができますように。


関連記事:

預言者(彼にアッラーの祝福と平安あれ)の人徳   クルアーンの奇跡 ①    

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ムスリムになりました(入信記、体験記)


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アッラーがくれたもの

2016年03月27日 | イスラーム講座(上級)

誰かが何か新しいものを発明すると、人々はそれをすごい!と褒めます。

コンピューターや、多機能の機械を発明した人は、人々から称賛されますが、

アッラーが、人間を創造されたことはどうでしょうか。


どうやって知能を創られたか、どうやって食べ物を消化したり、耳で聞いて、頭で理解したりすることができるでしょうか。

口から入った食べ物が、食道を通って、胃に入り、そこから栄養を体中に行渡らせて、

私達の体は生きることができますが、そのすべてのシステムをお創りになったのは、アッラーです。

 

治癒能力というものが、体には備わっていて、傷ついた皮膚も、数日すれば、血も止まり、自然と皮膚が再生して治ります。

私達すべての体の中に優秀な医者がいるようなものです。

体が傷ついたら、体自身がそこを治すように働いていて、自分で治すことができるようになっています。

そのシステムすべてを創られた、アッラーのことを考えてみると、どんなにアッラーが私たちを愛しているかがわかります。

 

アッラーが、何を、自分に与えてくださったのか、考えてみましょう。

アッラーは私達に、「あなたのことを愛していますよ」、と大切な命を与えてくださり、体を与えて、私達の周りにあるすべてのものを与えてくださいました。

 

例えば、誰か、足の小指を他人に売りたいと思う人がいますか?

いつも靴の中にあって隠れていて用がないから、もう100万円で売ってしまいましょう、と言ったら、誰か売ってくれる人はいますか??

誰も売らないでしょう。足の小指でさえ、売ろうと思う人はいないのに、目や、耳、その他の体の部分は、どうでしょうか?

それらは全部自分で手に入れた物ではなく、アッラーがくださったものです。


そんなに大切なものを、沢山頂いているのに、それらをくださったアッラーのことに気付かない私たちに、

アッラーはクルアーンの中でおっしゃっています、

 

【 私のことを思い出しなさい、私もあなた方のことを思い出します。

そして感謝しなさい。そうすれば、不信心におちいることはないでしょう。 】2-152

 

預言者ムハンマド様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)が伝えたハディースルクドゥスィーでも、アッラーはこう言われています。

 

(( 私は、私を思い出す者と 共にいます。 ))


イスラームの信仰とは、アッラーがずっと前から自分を愛して、この世に存在させてくださったこと、そして産まれてからずっと自分がアッラーに愛されていることを思い出すことです。

毎日毎日、アッラーがたくさんのプレゼントをくださっていること、そのことに気づき、その大きな愛の中で生きること、その無償の愛で魂が満たされ、心が満たされることです。

 

アッラーから与えられている恵みを数えてみましょう。

目が見えること、手が動くこと、大切な家族、今から始まる新しい一日、今朝起きることができたこと!!

それはきっと、与えられないものよりずっと多いはず。アルハムドゥリッラー。

 

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信じる者とは・・

2016年03月24日 | イスラーム講座(上級)

写真:1300年前のクルアーン


ある男が、ハサヌルバスリー様(アッラーのご慈悲あれ)に尋ねました。

「アブーサイードよ、あなたは信者ですか?」

すると彼はこう言いました。

「信仰には、2種類あります。

 もしあなたが、アッラーと天使たち、アッラーの啓典と使徒達、天国と地獄、復活と清算(を信じているか)について

 私に尋ねているのなら、私は確かにその信者です。

 そして、もしあなたが、至高なるアッラーの以下のアーヤ(クルアーンの節)、

________________________________

8-2.信者とは、アッラーのことに話が進んだ時、

 胸が(畏敬の念で)おののく者たちで、

 かれらに(クルアーンの)印が読誦されるのを聞いて信心を深め、

 主(しゅ)に信頼する者たち、

 

8-3.礼拝の務めを守り、

 われが授けたものを(施しに)使う者たち、

 

8-4.これらの者こそ真の信者である。

 ________________________________ (クルアーン8-2~4)

 

これについて私に尋ねているのなら、

アッラーに誓って、自分が彼らのうちの一人なのかそうでないのか、私には本当にわからない。」


出典:敬虔な先人たちの遺産からの言葉


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謙虚さの美徳 The Value of Humility

2015年07月29日 | イスラーム講座(上級)

 

 

転載:インナー リッラーヒ ワ インナー イライヒ ラージウーン

ダマスカスのシャイフがまたお一人お亡くなりになりました。

シャイフ シュクリー アル=ハフィー(ラヒマフッラー)は、クルアーンの10通りの読み方を教えるシャイフであり、

タリーカのシャイフ、法学者、アラビア書道家、詩人、アラビア語学者としても著名な方でしたが、

その清貧さと謙虚さでもとくに有名で、ある先生は彼の事を、

サハーバ(彼らにアッラーのご満悦あれ)の姿を見たければ彼を見なさい」と評しているほどです。

  

彼の家は一間しかなく、市場で売れないくず野菜を集めたり※、モスク前に散らかった靴を並べたり、

ズィクルの集まりに来る参加者に、水を配って回ったりするお姿(YouTube動画)がよく見られていました。

実際に、この記事に書かれている人は、初めてシャイフ(ラヒマフッラー)に水を差し出された時に、当時子供だったので何も知らずに、モスクの雑用係の人だと思い、拒否したそうです。するとシャイフ(ラヒマフッラー)が、小さい声でヤースィーン章を唱えながら立っているので、気まずくなり水を飲んだそうです。

すると、周りの人が、あの方はモスクの雑用係ではなく、シリア中から、彼の知識を求めて人々がやって来る素晴らしいシャイフなんだと教えてくれたそうです。彼(ラヒマフッラー)のシャイフが彼にこの役目を命じて以来何十年も水を汲み続けていらしたそうです。

(これは、自我の治療法のひとつです。偉い先生になると、周りの人が尊敬のまなざしで見るため、知らないうちに高慢になってしまうのを防ぐために、別の先生は、モスクの公共トイレを一人ですべて掃除したり、また別の先生は、生徒たちの汚れた衣類を夜中、誰にも知られないように洗濯したりして、自分の自我が「うぬぼれ」で汚れないように、自ら治療をしていました。

うぬぼれの病にかかりそうな時、この動画を見ると、イスラームの本質を思い出させてもらえます。)

Shaykh Shukri al-Luhafi serving water in Damascus

                       

ある時、シリアのクルアーン読誦者のシャイフたちを表彰する式典があり、各シャイフに賞金が配られましたが、彼はそれをすべてサダカ(喜捨)しました。
                                     
服も数枚しかお持ちではなかったようです。

ラヒマフッラー(アッラーが彼にお慈悲をお与えくださいますように)

 

*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-     
                                    
※食べ物はどんなものであれ、アッラーからのニアマ(恩恵)なので、シリアの人達は道を歩いていて、地面にパン屑などが落ちていると、アッラーからの恩恵に敬意を表して、道端から拾っていました。

シリアの寮でも、食べ残しがマナー違反なのはもちろん、どうしても残ってしまった食べ物も捨てることなく、家畜用の肥料として利用していました。
                                             
【もしあなたがたが感謝するなら、われは必ずあなたがたに(対する恩恵を)増すであろう。】クルアーン14-7
                                     
私たちがいつもアッラーの恩恵に感謝を忘れることがありませんように。 


シャイフ シュクリー アル=ハフィー(ラヒマフッラー)の葬儀と墓(下の写真)

どんなに有名な先生でも、死ぬときにはシンプルに土に帰るだけ。イスラームでは華美な葬式やお墓は必要ありません。

 
      

YouTube動画: Remembering The Great Gnostic | Shaykh Shukri al-Luhafi | الشيخ شكري بن أحمد اللحفي

 転載元: Sufi World   يحيى الغوثاني

 

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訂正:日本人ムスリムによる6ヶ月間イスラーム集中講座のお知らせ

2010年11月18日 | イスラーム講座(上級)
11月より始まる半年間の講座のお知らせです。申し込み不要ですので、お気軽にご参加下さい。(以下、転記します。)

●新講座● 6ヶ月イスラーム集中講座

イスラミックセンターでは、11月より「6ヶ月イスラーム集中講座」を開催する運びとなりました。(内容がムスリム向けのため、講義中に専門用語が多くなりますが、ノンムスリムの方の参加も歓迎しております。講義中、不明な用語がありましたら、講義後に講師に質問していただけると助かります。))

日時 基本的に第1~3土曜日土曜日 17:00-18:30 
(11月と1月、4月は変更がありますので下記をご確認下さい。)
今後の日程の変更はこちらでご確認の上、お出掛けください。http://islamcenter.or.jp/6month.htm

場所 イスラミックセンター 2階 (東京都世田谷区http://islamcenter.or.jp)

講師                  トピック       
第1土曜日:アーディル大木氏      「フィクフ」 (第1回目12月4日)
第2土曜日:アブー・ハキーム前野氏   「ハディース」(第1回目11月13日)
第3土曜日:アハマド鈴木氏       「スィーラ(預言者伝)」(第1回目11月20日) 

講師紹介

アーデル 大木博文(おおき ひろふみ)氏
1963年、静岡県生まれ
1989-2004年、サウディアラビア、マレーシアに留学
主な研究分野:ハディース編纂史、ダァワ方法論

アブー・ハキーム・アハマド 前野 直樹(まえの なおき)氏
1975年愛知県生まれ。18歳で仏教よりイスラームに改宗。
2000年6月から2006年8月までシリアのダマスカスへイスラーム留学。
2009年9月ダマスカスのファトフ・イスラーム大学シャリーア学部卒業。
2006年9月からは、現在に至るまで東京の日本企業に勤務しつつ、休日に講義などをしてサラリーマンシャイフを目指している。得意分野は、クルアーン学、ハディース学、預言者伝記学、イスラーム神学、心の浄化学、シャーフィイー派法学。

アハマド 鈴木紘司(すずき ひろし)氏
1941年、東京生まれ。エジプトのアズハル大学(イスラーム高等学科)卒業。サウディアラビア日本大使館勤務、住友商事勤務を経てミンダナオ自治州政府の経済顧問、東京元麻布のアラブ・イスラーム学院(イマーム大学分校)の常任顧問を歴任。現在は、NHK衛星放送部報道局のアラビア語同時通訳者、東洋大学法学部非常勤講師、地域文化学会会員。主な著書に『預言者ムハンマド』、『イスラーム教徒の言い分』など。

((11月))
※都合により11月の第一土曜日は講義がありませんのでご了承下さい。

13日「第1のハディース「イスラーム、イーマーン、イフサーンについて」
+情報の真偽を見極める上での黄金律とハディース用語学入門」(アブー・ハキーム前野氏)

20日「預言者とは誰か。イスラーム以前のアラブ中東世界。」(アハマド鈴木氏)

((12月))
4日「フィクフとは何か,フィクフとシャリーア,その他関連知識」(アーディル大木氏)「シャリーアの法源」(アーディル大木氏)

11日「第2のハディース「至高のアッラーのみを頼みとする」+ムタワーティルな(不特定多数による無謬の)伝承について」(アブー・ハキーム前野氏)

18日「預言者ムハンマドの誕生から、啓示を受ける40年間」(アハマド鈴木氏)

((1月))
※第一土曜日は1日になりますので、第4週目の15:00~に振り替えします。ご注意下さい。

8日「第3のハディース「審判の日の問答に備える」+サヒーフ(真正)な伝承について」(アブー・ハキーム前野氏)

15日「初めての啓示から、エチオピアへの第1次移住まで」(アハマド鈴木氏)

22日(1日の振り替え)15:00~16:30「シャリーアの法源」(アーディル大木氏)

((2月))
5日)「フィクフの歴史と学派」(アーディル大木氏)

12日「第4のハディース「この世ではどう生きるべきか」+ハサン(良好)な伝承について」
(アブー・ハキーム前野氏)

19日「エチオピア第2次移住から、第2次のアカバでの誓い」(アハマド鈴木氏)

((3月))
5日「フィクフの主要トピック~イバーダートとムアーマラート」(アーディル大木氏)

12日「第5のハディース「アッラーの定め、宿命と定命について」+ダイーフ(貧弱)な伝承について」
(アブー・ハキーム前野氏)

19日「マディーナ聖遷から、フダイビヤ休戦協定」(アハマド鈴木氏)

((4月))
*第5週目もありますのでご注意下さい。

2日「イスラームにおける法判断の演繹法」(アーディル大木氏)

9日「第6のハディース「アッラーとその御使いへの愛からはじめよう」+ダイーフ(貧弱)な伝承各  種について」(アブー・ハキーム前野氏)

16日「聖地マッカの解放と別離の巡礼」(アハマド鈴木氏))

30日「ファトワー学習 」(アーディル大木氏)

Islamic Center - Japan
1-16-11 Ohara, Setagaya-ku,
Tokyo
Tel: 03-3460-6169
Fax: 03-3460-6105
Email: info@islamcenter.or.jp
Website: http://islamcenter.or.jp

アッラー

2010年10月08日 | イスラーム講座(上級)

イスラームというのは、唯一の神、アッラーを信じることが基本です。
では、アッラーを信じる、というのは、どういうことでしょうか?

それは、本当に、神様であられるアッラーの愛に気がつくことです。
アッラーのお力以外に、この世に力はなく、すべてを変えられるお力を持っているアッラーが、あなたをとても愛している、と知ることです。

ムスリムになる、ということは、そのアッラーと、つながりを持つこと、です。
人生を安心して、幸せに暮らしていく上で、これ以上に、大切な事はありません。

もし、あなたの周りを、軍隊100人がいつもいつも守っていて、あなたがどこに行くにも何をするにも、あなたと一緒に出かけて、24時間あなたのことを守ってくれているとしたら、あたなに恐れる物はありますか?
とても心強いし、何も怖がるものはありませんよね?
しかし、アッラーは、その軍隊100人をお創りになられ、彼らと比べようもない、この宇宙全てを創造され、私達の想像を超えた、ずっとずっと大きな力を持っています。
そのアッラーが、もし、あなたといつも一緒にいてくださったら、どんなに心強いでしょうか?

軍隊100人を、自分を守ってもらうために雇おうとすると、かなりの賃金を払わなければいけません。
それでは、軍隊100人を創造されたアッラーに自分を守ってもらうには、何が必要になのでしょうか?

この世の創造主であり、すべてのことを変えるお力を持ったアッラーに一緒にいてもらう方法は、ただ、ひとつだけです。
アッラーは、ご自分でその方法を、私達に教えてくださっています。
アッラーにいつも一緒にいてもらう方法、それは、「アッラーのことを、思い出すこと」です。
アッラーは、ご自分で言われています。「私は、私のことを思い出す者と一緒にいます。」 と。

ですから、あなたが、いつでも、アッラーのことを思い出しさえすれば、アッラーは、あなたのところに、飛んで来てくださいます。
そして、あなたがアッラーのことを思い出している限り、アッラーはあなたと一緒にいてくださいます。
アッラーが一緒にいてくださったら、何を心配する事があるでしょうか?
もし、あなたの大事なご家族やお子さんが、アッラーと一緒にいることができれば、あなたが彼らの側にいなくても、何を心配する事があるでしょうか?

どうか、アッラーのことを、いつも思い出してください。
アッラーをもっともっと頼ってください。
アッラーは、あなたの声を、もっともっとお聞きになりいと思っていらっしゃいます。
アッラーは、あなたのことが、大好きなんです。
アッラーは、あなたのことを、本当に愛していらっしゃいます。
時には、いろいろな試練をお与えになり、あなたに、もっともっとアッラーのことを考えられるようにしてくださるかもしれません。

どうか、いつもアッラーのことを忘れないでください。
この世であなたが手に入れる、すべてのものは、アッラーがあなたに、お恵みくださったものです。
大切なご家族もお子さんも、アッラーが、あなたのために、お与えくださったものです。
大切なご家族やお子さんは、アッラーがあなたにお恵み下さった、アッラーからの預かり物です。

あなたが持っていると思っている、この世のすべてのものは、アッラーがあなたにお与えくださったものです。
ご家族もお子さんも友達も、アッラーからの預かりものです。
お金も、家も、すべてがアッラーからの預かりものです。
あなたの体も心も、すべてアッラーからの預かりものです。

あなたの体は、あなたが自分で動かしていると思いますか?
それが止まってしまったら、あなたは死んでしまう心臓も?
あなたはそれを自分で動かすことなどできません。

あなたがこの世から旅立った後、アッラーは「私があなたに預けたものをどう使いましたか?」とお尋ねになられます。
アッラーは、あなたのことが大好きであなたにすべてを与えてくださっています。
どうか、アッラーの愛を忘れずに、生きてください。
すべてをあなたにお与えくださり、無償の愛であなたを愛してくださっているアッラーのことを、どうかいつも思い出してください。

 

関連記事: 

どうしたらいい?    イスラームのここがおかしいQ&A ①

 

全ての人に必ず一度訪れるもの     クルアーンの奇跡 ①


全ての人に必ず一度訪れるもの

2010年02月01日 | イスラーム講座(上級)

 

私たちが今生きているこの世界では、お金持ちの人だけに手に入って、貧しい人には手に入らないものや、一部の人だけが経験し、他の人は経験しないこと、というのがたくさんありますが、世界中のどんな人にも、お金持ちの人にも貧しい人にも、男性にも女性にも、すべての人に、必ず一度訪れるものがあります。
それは、何でしょうか?
クルアーンにその答えがありました。

【でも皆、死を味わうのである。】(3 イムラーン家章:185節)

すべての人に必ず訪れるもの、それは「死」です。
普段忘れていますが、私たちは、将来必ず死にます。
それが、30年後なのか、1年後なのか、明日なのか、もしくは、10分後なのか、アッラー以外誰にもまったくわかりませんが、ひとつだけ確かなことは、私たちは、生まれてきた以上、必ずいつか死ぬ、ということです。

イスラームは、その必ず訪れる死に対して、背を向けて逃げ出し、耳をふさいで目を瞑って考えないようにするのではなく、面と向かって、この世において準備をするよう教えてくれます。
ムスリムは、死んだ後、あの世で、最後の審判の日に必ず、唯一の神さまであり、もっとも公正なアッラーの前に行き、この世でした自分の行い、一つ一つ、一瞬一瞬が記録されているビデオテープのような記録書を見せられると信じています。
そして、「このとき、あなたはこうしましたね?」と全てのことをご存知のアッラーに訊かれ、自分の行った善行と悪行を精算されると信じています。

ですから、アッラーの前に出たときに恥ずかしくないよう、生きている最中もアッラーのことを忘れないよう、イスラームは教えてくれます。
アッラーの前に出たときに、自分が何を望むか?をいつも考えて生きるよう、教えてくれます。
そのときに、「これをしておけばよかった!」と悔しがることを、なぜ今しないのか?と教えてくれます。

生きている今は、それができます。
死んでしまっては、「もう一度この世界に戻してください」と言っても、もう遅いのです。
アッラーがクルアーンの中で言われている通りです。

【だが死が訪れると,かれらは言う。「主よ,わたしを(生に)送り帰して下さい。 わたしが残してきたものに就いて善い行いをします。」】(23信者たち章:99,100節)

しかし、死んだ後、誰もこの世に戻されることはありません。
そして、自分がいつ死ぬかは、誰にも知らされていないのです。


【アッラーの御許しがなくては,誰も死ぬことは出来ない。その定められた時期は,登録されている。誰でも現世の報奨を求める者には,われはこれを与え,また来世の報奨を求める者にも,われはそれを与える。われは感謝(して仕える)者には,直ちに報いるであろう。】(3 イムラーン家章:145節)

あの世でアッラーにお会いしたときに、自分の役に立つことかどうか、自分を救ってくれることかどうかを考えて、行動するよう、イスラームは教えてくれます。
そのとき、「これをしておけばよかった!」と思うものだったなら、それをしなさい、と教えてくれます。
アッラーはクルアーンの中で言われています。

【あなたがたは主からの寛容(を請うため)に、相競って努力しなさい。】(57鉄章-21節)

人生にはいろんな目的があります。
仕事に成功して地位を手に入れること、愛する家族を持つこと、欲しい物がすべて手に入るくらいお金持ちになること、世界中を旅行すること、他にも人それぞれ様々な人生の目的があります。
しかし、目的に見えているそれらのものは、実は、「幸せ」を手に入れるための手段です。

イスラームは、人が本当に幸せに生きるために、「手段」に夢中になって本来の「目的」を忘れることがないよう教えてくれます。
周りに振り回されて自分を見失うことがないよう、しっかりと地に足をつけて、確実に訪れる死に対して面と向かって生きなさい、と教えてくれます。
この世で稼いだお金や家族を全て置いていかなければならない死が訪れたとき、あなたには、あの世でアッラーのところに持っていけるものがありますか?

死を確実なものとして捉えたとき、今、生きているこの一瞬がより貴重なすばらしいものだと実感でき、アッラーが与えてくださった生という贈り物を、台無しにすることなく、人生を本当の意味で楽しんで生きることができるのです。


【本当にそれ(魂)を清める者は成功し、それを汚す者は滅びる。】(91 太陽章:9.10節) 


参考:聖クルアーン検索

  

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預言者(平安と祝福がありますように)生誕に際して@H寮(I先生の講話の訳)

2007年08月11日 | イスラーム講座(上級)
ビスミッラーヒッラーフマーニッラヒーミ(慈悲深く慈愛深いアッラーの御名において)

 じつは、この機会に、あなたたち全員とアッラーに使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)を愛する人に吉報を伝えることが出来たら、と思います。
さて、誰がアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)を愛していますか?
(皆手を上げる)私たち全員ですね。
彼を信頼している、という意味です。
それでは、彼が自分を愛してくれていると知っている人はいますか?
誰もいませんか?
(一人だけ手を上げるH)Hだけが知っているということですか?
あなたたちは全員、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)があなたたちを愛してくれていることを知らなければいけませんよ。

 彼(アッラーの祝福と平安がありますように)が、自分のサハーバ(教友)とあなたたちどちらを愛しているか知っていますか?
彼はあなたたちをより愛しているのですよ。
今から話すことに注意してください。
彼(アッラーの祝福と平安がありますように)がサハーバたちと一緒にいたとき、ふとこう言いました。
「あぁ、私の兄弟たちに会えることが出来たら。」と。
「私の兄弟に会えることが出来たら。」と言ったのです。
サハーバたちは、自分たちが彼の兄弟であり、教友であると思っていたので、とても驚きました。サハーバたちは言いました。
「アッラーの使徒よ、私たちはあなたの兄弟ではないのですか?」彼は言いました。
「いいえ。あなたたちは、私のサハーバ(教友)です。」

あなたに質問があります。友達関係と兄弟関係の、どちらが強いか。
(皆兄弟関係、と答える)そうですね、兄弟関係ですね。
彼は、「あなたたちは、私の教友です。」と言い、「私の兄弟たちはまだ現れておらず、彼らは私を目にすることなく、私を信じた人たちのことです。」と言いました。

アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)が、どういう理由であなたを愛しているか、分かりましたか?
どのような理由で、あなたに会いたいと思っているか、分かりましたか?
理由は、このハディース(預言者言行録)の中にあります。

 彼は、私たちに会いたがってくれていますし、死の床についたときでさえ、私たちのことについて、考えてくれていました。
彼(アッラーの祝福と平安がありますように)は、「私の後、このウンマ(共同体)に何が起こってしまうのか」といつも考えていました。
するとジブリール(大天使)がやって来て、彼にアッラーがこのウンマを守ってくださることを伝えました。
そしてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)は亡くなり、ウンマを置いていくことになりました。
彼が残していったウンマがどういうものか分かりますか?
スンナ(預言者の慣行)を大切にしないウンマではありませんでした。
私たちがしなければいけないこと、そして私たち一人一人は、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)が何を行ってきたかを研究する必要があります。

 私たち全員は、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)を愛し、会いたいと望みます。
そして、私たち全員は、天国で彼(アッラーの祝福と平安がありますように)と共にあることを望みます。
そして、再生の日、彼に会えることを望みます。
その代わりに私たちが何をしなければいけないか。

 預言者(平安と祝福がありますように)は、人々全ての指導者でした。
私たちは、彼がしたようなことを行います。
さて、彼はどのようにして指導者になったのでしょうか。
何を使って指導者になったのでしょうか。
イスラームのメッセージと、預言者性で、です。
至高なるアッラーは、彼(アッラーの祝福と平安がありますように)の死後も、このメッセージと預言者性を最後の審判の日まで有効にされました。
全ての男女がこのメッセージ、教えを担い、彼(アッラーの祝福と平安がありますように)が行ったように行っているわけです。
これこそ、スンナ(アッラーに使徒の慣行)に従っていることと言えます。
さてあなたはスンナに従っていますか?
彼(アッラーの祝福と平安がありますように)は何を重要としていたか?
もしあなたが、彼(アッラーの祝福と平安がありますように)が重要視するものを重要としていれば、あなたはスンナと共にあると言えます。
でもその逆であれば、あなたはスンナから遠ざかってしまったことになります。

 自分自身について注意してください。
今は、ラビーウ月(イスラーム暦の月の名、ラビーウは春を意味する)、預言者(平安と祝福がありますように)が生まれた季節です。
皆さん、春が季節の中でどういうものか知っていますか?
四季の中での春の役割が何であるか知っていますか?
春は、四季の中で最も美しい季節ですね。
暑くなく、寒くない。
秋も春に似て、暑くなく、寒くないですが、秋には木の葉が落ちますが、春には、花々が咲きます。
さあ、なぜ春が四季の中で最も美しいか、分かりましたか?
そして、なぜ預言者(平安と祝福がありますように)が生まれた月が、ラビーウ(春)月か、分かりますか?これは偶然でしょうか。

春は最も美しい季節であり、この季節の名を取った月に預言者(平安と祝福がありますように)は生まれた。
なぜ?なぜこの月の名は、ラビーウ(春)なのでしょう?
まるで、時間と歴史が私たちに、春が一年で一番美しい季節であるように、ラビーウ月が一年の中で一番美しく、それは、その月に人類の春が遣わされたからと、言っているようです。
人類の春とは何でしょうか。
自然の春になると、木に花がつきます。
花が散ると何が起きますか?実がなります。
まるで、時間と歴史が私たちに、ラビーウ月に春(的な存在)が生まれ、花々が咲いたと、あなたたち、イスラームのウンマ(共同体)よ、あなたたちがその実である、と言っているようです。

 ですから、私たちが、「花」であるスンナにしがみつき、それから「実」を取れば、春から益を得ることができたと言えるでしょう。
皆さんは、春の木について知っていると思いますが、この季節の木には花が咲きます。
しかし、この花すべてに実が出来るでしょうか?全てにではないですね。
実を持てるのは、受粉に恵まれたものだけですね。
そうでない花には、実はなりません。
この話から得られるものとは何でしょうか?
あなたたちは、「花」を手にしていて、今、受粉が必要なわけです。
皆さん、受粉の意味が分かりますか?
私たち一人一人が、スンナで受粉する必要があります。
この受粉が成立すると、実を手に入れることができます。

 サハーバ(教友)(アッラーのご満悦がありますように)は、預言者性の花を手にし、スンナという受粉をしたので、最も素晴らしい人々でした。
私が今言っている話は、私が作ったものではなく、私たちが歴史から得られるものです。
歴史が、最もよい人々について、どの時代が最もよかったかを教えてくれます。
サハーバの時代です。この時代に、花の実がついたのです。
そしてこの実は、私たちに歴史を通して、預言者(平安と祝福がありますように)の死後、ウンマがどのようになったかを説明してくれます。

 さてあなたは、預言者(平安と祝福がありますように)の死後、イスラームはどこにあったか知っていますか?ヒジャーズ地方のみです。
預言者(平安と祝福がありますように)の死後、シリアにイスラームは到達していましたか?ヨルダンに到達していましたか?いいえ、そうではないですね。
あなたたちの中で、陸路でウムラ(小巡礼)に行った人はいますか?
一人だけですか?それでは、インシャーアッラー、皆さんがウムラに行けるよう、祈ります。
もし行くことができたら、陸路のウムラの方が空路のよりも相応しいことがわかるでしょう。
特にこのような内容の話には。
なぜなら、イスラームの歴史を発見できるからです。
(もし陸路で旅した場合、)シリアを出るとヨルダンに入ります。
そしてヨルダンを終えると、サウジアラビアに入ります。
サウジの国境に入ってバスで6時間したところが、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)時代にイスラームが伝わったところになります。

 そしてアッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)の死後、サハーバ(教友)たちがどのように花を手に取り、実を作っていったか、あなたたちによく理解して欲しいと思います。
アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)の死後、わずか50年の間に、イスラームは東にある中国に伝わりました。
西へは、フランスの国境に伝わりました。
さて、彼らの時代に、車はあったでしょうか?
バス、ラジオ、電話はありましたか?
(聴衆皆が、無かったと答える)
では、どうやってイスラームは伝わったのでしょう?
サハーバの存在があります。彼らにアッラーのご満悦がありますように。
彼らがスンナの花を受粉させたためです。
これがどういう意味か分かりますか?
アッラーの使徒の慣習を受け継ぎ、彼が行ってきたことを彼らは模倣したのです。Qiyamullayl(夜に行う任意の礼拝)、Tahajjud(一度眠った後に起き出して行う任意の礼拝)、Dhikr(アッラーのお名前を念ずること)、クルアーン読み、クルアーンが示すよい行儀を身に付けることなど。
サハーバの一人一人が、クルアーンとなって地上を行き来しました。
彼らこそが、春の花を手に取り、スンナで受粉させて出来た実を手にし、イスラームを広めました。
この時代が一番よい時代でした。多くの歴史学者が、歴史上、ムハンマドの追従者たちほど素晴らしい人たちはいないと言っています。
彼らの多くは、彼がアッラーの使徒だと知りません。
彼らはアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)を、指揮者もしくは指導者のように言います。
彼らは、アッラーの使徒が最高のアラブの指導者だったと言っています。
彼らは、メッセージや預言者性について知りません。

あなたは今、あの春の追従者の一人です。
あなたに課せられたものは何でしょうか。
スンナで受粉することです。
受粉後、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)が何を考え、どのように行動していたかよく考えて、よく研究してください。
今から何をしようか、イードにはどこへ行こうか、明日は休みだからどこへいこうか、どの友達を訪問しようか、などとアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)は考えていませんでした。
彼(アッラーの祝福と平安がありますように)はいつも、どのようにしてイスラームに貢献し、広めるかを考えていました。
マッカの人々全てがイスラームを否定し、ムスリムたちに危害を加えていた頃にも、アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)はどのようにしてイスラームに貢献するか考えていました。
彼はイスラームに貢献することを望んでいたわけです。
そして彼は市場へ行き、そこで部族たちをイスラームへ呼びかけました。
これをきっかけに、アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)は幾人のアンサール(援助者、マディーナの人)となる人に出会い、マディーナ遷都のきっかけが生まれました。

アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)の追従者の皆さん、アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)が愛する皆さん、あなたたち全員がアッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)を愛していることに、微塵の疑いもありません。
しかし同時に、あなたたちが彼(アッラーの祝福と平安がありますように)に対して不努力であることも言えます。

毎日、「今日は何のスンナを行えたか」と、自問自答してください。
アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)には、多くの功績があり、それを模範にしたサハーバは成功しました。
あなたは現在、なぜ自分自身にも勝つことができないのでしょうか?
あなたは自分自身に、イスラームに沿った正しい一日のスケジュールを課すことも出来ません。
なぜか?
なぜなら、あなたはアッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)の慣行=スンナから遠ざかっているからです。

ですから皆さん、私たちはぜひこの花を手にし、スンナで受粉させましょう。
皆さん、こうできるようお互いを励ましあってください。
アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)はこう言っています:

《Ushdud Adudaka Li Akhik》(あなたの腕でしっかりと兄弟を掴みなさい)、と。兄弟同士で、助け合いなさい、と。

一人で何かを成し遂げることは出来ないものです。
ムスリムは、兄弟であるムスリムと手を取り合わなければいけません。
ですから、あなたたち一人一人は、皆(寮生)をアッラーにおける姉妹とし、スンナに基づいて協力しなければいけません。
タハッジュドに起こし合ったり、キヤームッライルに立てるよう、励ましあったり。クルアーン暗記が目標の競い合いをしたり。

あなたたちは今、寮長や寮番の先生に頼る必要はありません。
あなたたちは皆で合意すればいいのです。
スンナに基づいてものごとを達成させると。
さぁ、みんな、一緒に夜、礼拝のために立ちましょう、
スンナを実行しましょう、毎日寮生の一人がイマーマとして礼拝に立つようにしましょう、クルアーンを少し覚えては、それを合同礼拝に使うようにしましょう(などと皆で頑張ってください)。
合同ズィクル、合同礼拝などを皆で一緒になって実行してみてください。
天使がやって来て、主もこう言うでしょう。

「ごらんなさい、この者たちこそ私のしもべ。ロシア、中国、マレーシア、インドネシア、ドイツからやって来ている。皆して集まっている。皆して(礼拝のために)立っている。私のためにルクーウ(立礼に似た礼拝単位)し、サジダ(額を床につける礼拝単位)している。」

どんなにアッラーがあなたたちに満足してくれることでしょう。
アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)もどんなに喜んでくれることでしょう。
ですから、皆さん、アッラーがラビーウ月に私たちに下さった最大の恩恵について、よく考えてください。
そして、この恩恵をどう使うか、そして、私たちが一緒にここ(寮なりシリアなり)にいるという恩恵をどう使うか、よく考えましょう。